劇場公開日 2001年3月17日

「羊たちが沈黙するとき」羊たちの沈黙 かせさんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0羊たちが沈黙するとき

2025年3月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

原作はトマス・ハリスの同名小説。
主演ジョディ・フォスター。

【ストーリー】
FBIアカデミーの実習生クラリス・スターリング(ジョディ・フォスター)は、子どものころから悩まされている夢の光景があった。
それは、屠殺される羊たちの鳴き声。
その哀しみは、クラリスの心の奥底に通底する悲痛なメロディであった。
まだ訓練段階だったが、行動科学課に呼ばれ、世間をさわがせている連続殺人鬼『バッファロー・ビル』の捜査への協力を命じられる。
バッファロー・ビルは、見つかっているこれまでに5人もの女性を手にかけ、その皮を剥いでいた。
上司のジャック・クロフォードは猟奇殺人鬼にするどい知見をもつ、収監中のハンニバル"カニバル"レクター博士(アンソニー・ホプキンス)に、アドバイスを聞きにゆけと指示をだす。
レクター博士は医師として多くの精神異常者を診断しており、そして人肉食(カニバリズム)の嗜好をもつ、かつてアメリカを恐怖に陥れたおそるべき殺人鬼であった。
自分の患者を9人も殺したレクターは、優秀で野心家のクラリスを気にいり、自身が殺した患者、ベンジャミン・ラスペイルの車を調べろとアドバイスする。
放置されていたラスペイルの車からは、男性の頭部が発見された。
レクターは少しずつバッファロー・ビルの情報をあかし、クラリスをメッセンジャーに、FBIと自分の処遇についての交渉をする。
着実に進行する捜査。
レクター博士はクラリスへつよい興味を見せ、彼女の悪夢を聞きたがる。
警察官だった亡き父、一時期引きとられた叔父のは羊の牧場を経営し、屠殺されるその鳴き声が、心にこびりついてはなれないこと。
——さなか、マーティンという上院議員の娘が失踪した。
レクター博士は、進まぬFBIとの交渉を、マーティンにもちかけ、天秤にかける。

サイコサスペンスの創始者にして金字塔、『レクター博士』を生んだ、トマス・ハリスのシリーズです。
一作目のレッドドラゴンの主人公だったクロフォードが上司になり、手ごわいレクター博士とわたりあうのは、ジョディ・フォスター演じる若く美しきクラリス・スターリング。
この作品、ホプキンス演じるレクター博士が怖いのなんの。
闇の中からあの金色の目で、今から捕食する獲物をながめる目で見つめてくるんだからたまりません。
こんな根源的な恐怖、なかなかないです。
無害と思っている羊たちの中に、こんなのいた日には、両手をあげてマンガ逃げですよ。

自分、トマス・ハリス作品が好きで、このシリーズはとりあえず通読してます。
一番おもしろいのは、やっぱりこの作品ですね。
友人も好きだったんですが、彼は「ひつちん」とひどい略称で呼んでました。
ひつちんて。
レクター博士に切られちゃうよ?
ラストも怖くて、原作はレクター博士が手紙を書くところで終わるんですが、こっちはそれを受け取って終わりっていう。
もうやだこの博士(><;こわい。

作品、主演男優、女優、監督、脚本と主要五部門でのアカデミー賞受賞した、今なおジャンルを代表する傑作サイコミステリです。

かせさん