劇場公開日 2001年3月17日

「文句なしの「名作」でした。」羊たちの沈黙 よしさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0文句なしの「名作」でした。

2020年8月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

連続猟奇殺人犯を追うFBI研修生が、過去に猟奇殺人を犯し収監されているレクター博士にアドバイスを貰う為に交流する物語。

素晴らしい作品でした。
まずサイコサスペンスとして秀逸です。エロにもグロにもアクションにも逃げず、精神の闇へと入り込んで行きます。レクターとの問答で自らの精神を暴かれるクラリス。特に、題名の元ともなった「羊」についてクラリスが話すシーンは、映画史に残したいような名場面でした。

クラリスを演じたジョディ・フォスターが素晴らしかった。「透明感」と言う言葉が似合う風貌。性的な視線を浴びることに嫌悪感と戸惑いを滲ませる表情、レクターとの問答に恐怖を感じるシーン、クライマックスでの緊張感溢れるシーン。どれをとっても素晴らしい演技でした。
レクターを演じたアンソニー・ホプキンスも素晴らしかった。相手の心の奥底まで見透かす視線、残虐なことを日常のことのように語る喋り口、そして血にまみれながら浮かべる恍惚とした表情。どれをとっても、レクター博士そのものでした。

ベタ褒めしていますが、気になったところを2点だけ。
レクターが脱獄を企図するシーンは、途中でオチが読めてしまいます。少し冗長に感じたので、もう少し端折った方が良かったかもしれません。
逆に、クラリスが、同僚の女性研修生とビルについて語るシーンは、もう少し深めて欲しかった。少し簡単過ぎるように感じます。

ただ、何れにせよ、作品全体への評価は揺るぎようがなく、文句なしの私的評価5の作品です。

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よし