劇場公開日 2023年5月5日

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「不思議な面白さ」左利きの女 どんぐりさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0不思議な面白さ

2023年5月5日
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鑑賞方法:映画館

ブツブツぶった切るように話が進み、その話といっても起伏のようなものがほぼない。さらにヨーロッパの映画特有の、何を悩んでいるのかいまいち具体的に伝わってこない感じで、体調によっては爆睡必至なタイプの映画。しかし意外とのめり込んで見ることができた。主人公の心の「病み」自体は勝手にしろよ、と言いたくなる部分もある。そばにいる息子に与える影響を考えると、ヒリヒリといたたまれない。全編、彼の所在なさげな佇まいから目が離せなかった。パリ郊外の町が舞台だが、日本のどこか北の方の地方都市、といっても通るような、ありふれた春先の景色。ロビー・ミュラーが切り取るスタンダードサイズの画面がものすごく良くて、眼福。正直、今作の魅力のかなり大きな部分ではないか。あと脇の人物でお父ちゃんと、俳優のお兄ちゃんが良かった。

どんぐり