パリ、テキサスのレビュー・感想・評価
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カントリーな風景と独特の恋愛観
詩を見ているような感覚を受ける映画。
感情や風景の描写はセンスが溢れているが、
世界観自体が独特なので好みが分かれそう。
「愛しすぎて別れた」とか「失意から何年も世界を放浪し続けた」
とか、そういう世界観。
個人的には一人息子の扱いが気になった。
母にも父にもポイポイ捨てられては拾われる、ということを繰り返されて、
それでも最後の最後まで無条件で親を受け入れる子ども。
そして、一目見るなり、お互いに抱き合い涙する親子…。
子どもはそんなに都合のよいものではないと思う。
育児放棄は子どもを傷つけるという自覚が足りないというか、
親のエゴに目をつぶって、綺麗にまとめようとしたところが共感できなかった。
自分探し
記憶を失ったトラヴィスが、自分を再発見し、家族の再生を試みる話。
テキサスの平原や青空の映像が美しい。DVDで観ていても息を呑むほどに。
淡々と、起伏なく物語は進んでいくが、
最後のトラヴィスと妻がミラー越しに話すシーンや、トラヴィスが息子に対したテープレコーダーの声や、妻と息子が再会するシーンはとても感情的で、感動的。
最後まで3人揃うことがなかった家族だけれど、
それぞれの、それぞれに対する愛情は確かで、
愛ゆえに、一緒にはいられないと決断した悲しさは、とても美しいと感じた。
静かに自分を見つめ、
勇気を出して前へ進む決断をしたトラヴィスに、
勇気付けられた。
全カットがポストカードのよう。
とても良かった。古い映画だし観るのきついだろうなと思ってたら、絵力というのか、惹きつけられて目が離せなかった。アクション大作の派手なシーンよりも、父親と子どもが出会うシーン、母親を見つけるシーン、父と母がマジックミラー越しに話すシーン、母と子が再会するシーンの方が見せ方次第で迫力があるのだなと感じた。どのシーンもポストカードのような美しさだったけど、特にジェーンと話す部屋のカットが目に焼き付いている。
観て良かった。
しびれる
学生時代にリアルタイムで観劇したのが最初。不気味な話、と引きました。
主人公登場のシーンや、喚き散らす人、などが痛々しくリアル過ぎと感じたから。
後に『ベルリン・天使の詩』などを観て、すっかりベンダース監督にハマり、評価が逆転。
ハリー・ディーン・スタントンや、ライ・クーダーも大好きになりました。
終わりのシーンは本当に格好いいです。
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