「フィンランドの男もつらいよ」パラダイスの夕暮れ あしたさんの映画レビュー(感想・評価)
フィンランドの男もつらいよ
アキ・カウリスマキが山田洋次と違うのは、主人公への共感だ。
山田洋次は、寅さんのことをこんな迷惑な男にも一分のいいところがある、と冷静に冷徹に描くが、アキ・カウリスマキは、これはオレだ、と描く。
愛想がなくて、良いところは悪いところないところ、女を喜ばせることなどできない、でも喜ばせたいとは思ってる、という、オレを最大限の共感で描き切る。
彼女が突然会いに来て嬉しい、約束を破って来なくて寂しい、それを無表情だけどしっかり伝わる演技で伝えきる。
観ていると、オレたちは1人じゃない、と思えてしまう。
彼女が来なくてつらい、そのときの顔をきたらもうキュートすぎてたまらないよ!
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