パピヨン(1973)のレビュー・感想・評価
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名優には脱獄ものの映画が一本ある。
ポールニューマンは暴力脱獄、クリントイーストウッドはアルカトラズからの脱出、そしてスティーブマックイーンはパピヨン。
大人になってから分かったことは、これらの作品で描かれる牢屋とは、この世のことなんだということ。そこから脱出しようと挑戦し続ける姿こそが尊いということなんだということ。
スティーブ・マックィーンを初めて知った映画
この映画を観たのは中学生か、はっきり覚えていないけど、父が映画好きで家にあったVHSで観た覚えがある。内容はあまり覚えていなかったけど、刑務所内の暗く汚い様子にゾッとしたのを覚えている。これは絶対に私だけだろうけど、犬のパピヨンを見ると囚人服を着たスティーブ・マックイーンを思い出す、今でもっっっ😨
47年も前の映画、今観ると、多少ツッコミ処も。他の映画でもそうだけど、血の色が妙に朱色。5年も独房に入っていたわりにやつれていない(顔の表情は疲労感はあるけど)。今の役者さんは映画に合わせて太ったりげっそりしたりと凄いので、ついつい比べてしまった。「不屈の男アンブロークン」の海を漂流した後捕虜になった2人のガリガリの身体を見た時に、凄い‼️と感心した。
もう一つ決定的だったのが、ラストの脱出成功の場面、ヤシの実の浮きに乗って海に浮いている時に下で支えてるスタッフの足が見えてる〜😱
少々のツッコミ処はあっても、やはりリメイクされるほどの人気作だけあって、長い映画だけど、飽きることはなく面白かった。
スティーヴ・マックィーンの圧倒的顔面力に惚れた!
冤罪により終身刑となりながらも、脱獄を成功させ自由の身となり、のちに自身の経験を小説にし大成功を収めた、作家アンリ・シャリエールの同名自伝小説を映画化。
濡れ衣により終身刑を科せられ、流刑地であるフランス領ギアナに送られたパピヨンが、自由の身を求めて脱獄に挑戦するという、脱獄アクション映画。
獄中でパピヨンと友情を築く、偽札作りの天才ルイ・ドガを演じるのは『卒業』『真夜中のカーボーイ』でお馴染み、レジェンド名優ダスティン・ホフマン。
先に2017年公開のラミ・マレックが出演していたリメイク作を鑑賞していたので、お話がスッと入って来ました。
あのリメイク版すごく本作に忠実に作られていたんですねぇ。
脱獄物の定番映画!
抑圧し支配しようとする体制側に、無謀とも思えるような戦いを挑むという、いかにも70年代っぽい作品。
脚本家がハリウッド・テンの1人として知られるダルトン・トランボですから、まさに筋金入りの反体制映画と言っても差し支えないでしょう。
上映時間が150分オーバーという大作。
これはやはり長く感じた。
娯楽要素を入れなければいけなかったのか、脱獄した後にパピヨンが冒険家っぽいアクションを繰り広げるのだが、ここは完全に蛇足に感じた。
やはりリメイク版ではバッサリカットしてましたね。
人々から見捨てられたハンセン病患者や、文明人からは野蛮なものとして見られていたであろう原住民の人々がパピヨンを助け、神に仕える教会の人間がパピヨンを裏切るという展開は、世間的に考えられている正しさや固定観念を揺さぶるような、考えさせられるものではある。
しかし、この辺りのアクションパートは前半まで雰囲気とチグハグだし、このあとはまた前半までの脱獄映画の雰囲気に戻るので、うまく噛み合ってないな〜、と感じてしまう。
とはいえ、本作のパピヨンの不屈の闘志を見て、燃えない男はいないでしょう!
どんなに絶望的な状況でも、活路を見いだし果敢にチャレンジする彼の姿は胸を打ちます。
何より、本作はスティーヴ・マックィーンの圧倒的な演技力、というか顔面力の素晴らしさを堪能することが出来る。
2年間独房に打ち込まれ、精神崩壊の寸前まで行ってしまうパピヨン。
仲間を売れば出してやると言われ、つい言ってしまいそうになるところを寸前で堪える。
この直後の、ルイの手紙を食べるシーン!この場面のマックィーンの目力の凄さたるや!
狂気と正気の境目を反復横跳びする男の悲哀と覚悟を、一言のセリフもなく演じるマックィーンの姿に感動しました!
「キング・オブ・クール」と称された彼の凄まじいオーラを堪能するために、本作はあるといっても過言ではない!
5年間の独房暮らしを終えた後の、憔悴し切った演技もすごい!
本当に歳をドッと取ったかのような表現力。凄まじいものがあります…
まぁ、やはり今見ると古い映画だな、と思ってしまうようなテンポの悪さだったり展開の強引さだったりが目立ちますが、マックィーンを観るためだけでも十分に価値はある。
「お前の最大の罪は人生を無駄にしたことだ」という、夢の中で裁判官が彼に投げかけるセリフはガツンと響きます…
何が無駄で何が有益なのか、考えれば考えるほど答えは見えず…
実話ベース!?
凄すぎる話。どこまでが真実なのか。無実の罪を着せられて、劣悪な監獄、看守も最低な環境。脱獄失敗も、友を売らなかったせいで半年暗闇、食事も半分の独房。ゴキブリでさえ食べるという、この時点で気が狂い、人間崩壊しそう。再度脱獄成功、またもや金だけ取られ騙されるが、ハンセン病の住人に助けられ、無事島に到着したかと思いきや、ここでも追われる身。途中原住民の村で滞在するパラダイスのようなシーンがあるが、これは幻か?そこで得た真珠をシスターに渡すが、裏切られ敢え無く御用。またもや5年の独房送りに。出てきて頭真っ白、足もボロボロだけど、盟友ダスティン・ホフマンと再会。それでも脱獄を試み、一人断崖絶壁からヤシの実詰めた袋と共に飛び降りる根性、精神は恐ろしいというか、自由になりたい精神がすごい。普通なら諦める。シスターに自由になって何がしたいか問われた際にこれから考えると言ったのは本音だろう。ただ単に自由になりたい、それが生きる力だったのだろう。
自由を求めて、不屈の男を体現するマックイーンの素晴らしさ
不思議な調和
脱獄不可能な牢からの脱獄映画と聞く。
かってに、逃げようとする囚人と、逃がすまいとする監視との攻防が描かれているのかと思った…違った。
確かに、脱獄不可能な設定。
でも、よく考えると穴もある。あれ?パピヨンたちを連れてきた船は行き来ができるの?
唐突に現れる援助者、あれ?誰?なぜ?
双方の知力合戦というわけではない。
けれども、この作品の魅力は別のところにある。
裏切り、信頼。
執念、諦観、適応。
そして、人生を生きるとはと考えさせられてしまう。
いかつい設定のわりに、ギャグか?というようなほんわかとした場面ーワニや蝶の捕獲。
昔、ジャングル大帝等で憧れたジャングルをほうふつとするシーン。
緊迫した場面なのに、どこか広々とした探検しているみたいなわくわく感。
囚人服も、おしゃれでポップ。おじさんたちが着て、重労働しているというギャップのセンスが何とも言えない。
そんな場面が、暑苦しいほど生のエネルギーがほとばしるパピヨンと、どこかのほほんとしているルイの、本来相容れぬ要素なはずなのに、微妙な間と雰囲気を作り出し、目が離せなくなる。そこに後半は、むき出しの刃物みたいな雰囲気をちらつかせながら、人のよう男が加わり、さらに一筋縄ではいかない展開が待っていて…。
映画の中盤には、これでもかというほどの悲惨な牢獄場面が出てくるかと思えば、
話がどこに行くのかと心配してしまうようなパラダイス?というような生活も見せ、そこで落ち着くかと思えば、さらなる展開があり…。
盛りだくさん…。
その間に挟み込まれる夢?幻覚?砂漠の裁判。三途の川のようなシーン。その衣装・メイクのセンス等に脱帽。
見直すたびに、いろいろな場面に唸ってしまう。
そして、誰もが絶賛する主演お二人の演技。
独房に入れられたパピヨンの細かい変化。独房の壁が取り払われ、ドアが開いた時のシーン。『ショーシャンクの空に』の独房から出されるシーンはこのシーンのオマージュか?
ドガが「初めて守ってもらった」と言う場面や、「(ばらされても)仕方ない。食事が半分では死んでしまう(思い出し引用)」と言う場面の表情。それだけで、それまでドガがどんな人生を歩んできたかが見て取れる。そんな場面があるからこそ、ラストの場面が身に染みる。
これだけ詰め込むと、話が散漫になりそうなものなのに、見せ切ってしまう映画。
主筋だけならもっと短くできるだろうが、何度も見ていると他のシーンも味わいたくなる。
微妙なバランスで成り立っている不思議な映画。
PS.かなり刺激的な場面もあるのでご注意を。
骨太反骨映画
マックィーンとホフマン。監督はフランクリン・J・シャフナーとくれば硬派な作品だと想像がつくが、その通りであった。
ザラザラとした画面にムンムンと漂う男臭さ。そして反骨精神の塊のような主人公。こういう映画は70年代はいっぱいあったが、今ではとんと見あたらない。
前半独房シーン描写の念の入り方が凄くボロボロになっていく主人公が別人の様。だが目だけはギランギランと輝いているのだ。スティーブ・マックィーンの魅力とはまさにこれ。ホフマンは相変わらず小技を効かせつつ相方を立ててたかな。
敢えて難点を言うと、後半どこに向かうの?(映画的に)という展開があり、妙な余韻を残す。このシーンをタイトにしたら普通の尺になる気もしないでもない。そこがアクセントでもあるけどね。
ガツンと主張のある男の脱獄映画でした。
前半はやっぱり陰鬱、後半ぜったい諦めない冒険映画!
ゴキブリを食べるシーンが当時話題となった
余生は自由に
その事実を知ってホッと一安心。
最後だと思った脱獄に成功したと安心して観ていたら白髪まみれのお爺ちゃんに若干のツメの甘さが玉に瑕!?
あぁ...コノ島で最期を迎えるのか....いやいや何度でも懲りないチャレンジ精神でそんなパピの姿に諦めない行動に唖然としてしまう。
あんなに穏やかで綺麗な海と無声映画になるあのシーンの長さも気が付けば気にならず!?
本作が実話って驚愕!?
あしたのジョーみたいな映画
この映画はなんなんだ。何が言いたいんだ。。。わからん。しかしなんだこの衝撃は。
ただただ、我慢、我慢、我慢!!!耐え抜け!誘惑には絶対に負けちゃいけないんだ。疲れても、疲れても、疲れても走り続けろ。死ぬまで走り続けろ。救いなどない。もがき続けろ!!
そう。自分に勝て!
その先に、自由の地が待っているかもしれないのだ。しかしその自由の地はひと時の幻想でしかない。満たされることなど決してない。なぜなら、私達は人間だから。
なんか、あしたのジョーみたいな映画でした。
この映画の怖いところは、人間が生きる意味などなく、他の動物と同じようにただただもがき苦しみ死ぬだけだ、という、人間が最も認めたくない自然の道理を、極めてドライに突きつけているところだ。どんなに壁を越えようとも、同じことの繰り返し。結局満たされることなどない。人間に欲望がある限り。世の中世知辛い。人間なんて小さな存在で、無力だ。
でも、その事実を認めることができれば、強くなれる。何故なら、たとえ困難や苦しみを受けたとしても、それは普通なんだと思えるからだ。
苦しくても逃げるな。たとえその先に希望が無くても自ら立ち向かえ。
人間だけがそれができる。他の動物にはできない。神が人間に与えた唯一の宝物なんだ。
なんかようわからんが、衝撃を受けたよ。。。
マックイーン&ホフマンでしか成し得ない作品
脱獄ものの傑作
友情、裏切り、絶望、自由を求め続ける主人公の苛烈に美しい信念。
人間の生への執着心や自由を渇望する気持ちについて、これほど緻密に描いた脱獄映画って他にあるだろうか?
最後、ルイとパピヨンが再会し、パピヨンが断崖絶壁を見下ろしてここから共に逃げようと笑顔で話すシーン。ルイの瞬間的な悲しみを帯びた困惑の表情から、優しい表情で承諾する場面が印象的。
結構長い映画だけど、観る価値はある。
ラストのアレは有名なんでしょうか?
私の生き方を変えた映画
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