パットン大戦車軍団のレビュー・感想・評価
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戦争に取り憑かれた男…
功を急ぎ、人の話は聞かない、甘えは許さない、勝利至上主義、デリカシーのない昭和な男パットン。令和では生きられない、いや当時においても数々の失言、パワハラ?から失脚している。政治家には向かなかったろう。けれど、戦時中では彼のような強引さ、強烈なリーダーシップが一面では必要だったのかもしれない。多くの犠牲があってだが。
ドイツ戦で活躍した頑固親父。!
此の映画、水野晴夫さんの水曜ロードショーでも二回程放送されている作品と思いました。
主演のジョージCスコットが本物のパットン将軍と良く似ている。
戦闘シーンは少ないが前半部のアフリカ戦線の戦闘シーンは映画史に残る名シーンと思います。
ドイツ側の戦車がM48パットン(IV号G型かティーガーI型の役?)でパットン将軍の敵役戦車がパットンとは何とも皮肉だ。
このM48戦車はイスラエル軍でも使用され主砲を改装し中東戦争で大活躍している。!
(イスラエル名はマガフ)
このシーンで衝撃的なのはドイツ歩兵がドイツ戦車役のM48の車体にぶつかり、あわやキャタピラに踏みつぶされそうになるシーンがある。
事故なのか?
演技なのか?
本当に驚かされる。!
アメリカ軍の戦車はM41ウォーカーブルドック(M3リー、M4シャーマン役)軽戦車である。
実際に戦場に登場したのは朝鮮戦争からである。
よく戦争映画やドラマ「コンバット」にもよく登場する戦車で自衛隊でも使用されていた軽戦車だ。
この軽戦車は本当にカッコいい戦車で当時使用されていたM3やM4が出ていなくても満足してしまう。
(ヨーロッパ戦線のシーンでは米独共にM47戦車も使われてるようだ)
※また映画「フューリー」で登場したティーガーI型はこのアフリカ戦線のこの頃の時代にイギリス軍に捕獲された車両である。
部隊はドイツ501重戦車大隊所属車両である。
このティガーⅠ型を装備した501重戦車大隊は、映画冒頭のカセリーヌ峠の戦い(WWⅡ.米独最初の地上戦後のシーンでアメリカ軍の残骸をさらす)で活躍している。
「空軍大戦略」にも多数登場するドイツ軍の爆撃機(対戦車攻撃機仕様)ハインケルHe111も登場する。
機銃掃射のシーンは迫力がある。
映画中盤からは戦場シーンは控えめとなり人間パットンを描く事が主体となる。
興味深いのは、イギリスモントゴメリー将軍とのライバル心剥き出しの対立する所も見所である。
実際のモントゴメリー将軍も老獪で政治的な手腕で連合軍最高司令官アイゼンハワーに上手く取り入る。
連合軍の失敗した作戦を描いた映画「遠すぎた橋」の作戦立案はこのモントゴメリー将軍である。
第二次世界大戦ではパットン将軍の方が断然活躍している。!
パットン指揮下の第三軍がいたからこそ1945年4月にはドイツ国内に深く進行出来、政治的な制約がなければソ連より先にベルリンへ行けたはずである。(モントゴメリ主導では無理。)
映画では人格的な問題や軽率な言動で次第に孤立していく所が上手く表現されていると思う。
ジョージCスコット=パットン将軍と言うイメージが定着した映画ではないだろうか?
アカデミー賞7部門受賞している。!
音楽も有名な曲で私も好きな曲だ。!
アラビアのロレンス並みに評価されてもいい映画
戦争そのものよりもパットンという軍人を描いた映画だ。戦争が好きなのに、キリスト教を信じていたり、歴史や詩が好きだったと言う点も面白い。ある意味では、アラビアのロレンスとも似ている。あの映画も砂漠が綺麗だったが、こちらもアフリカやヨーロッパの自然描写が実に美しい。また、映画では描かれていなかったが、戦後まもなくロレンスと同じように交通事故で亡くなっている。
冒頭のパットン将軍が巨大な星条旗を前にタカ派の典型のような大演説をするシーンには圧倒された。いかにも脚色を担当したフランシス・フォード・コッポラらしい。監督がフランクリン・J・シャフナー、音楽がジェリー・ゴールドスミス等、スタッフが一流揃いだ。世間の評価はいまいちだが、アラビアのロレンス位の評価がされてもいい作品だと思う。ただ、インテリが好む反戦映画とは対極にあるような作品なので、その点がマイナス要因かな。
戦時の仇花
タイトルから砂漠の狐と恐れられたロンメルとの戦車戦が見どころの戦争映画と思われがちだが戦時の仇花のようなパットン将軍の人物像に迫った伝記的映画です。
実際のパットン将軍の言動はもっと過激だったそうだが、そこは映画なので抑え目に脚色されている。脚本が「ゴットファーザー」のコッポラだから武人を描くには打って付けでしょう。
映画では気性の荒さばかりが表立っていますが、代々の軍人一家に生まれ、陸軍学校で専門教育を受けた生粋の軍人。早くから塹壕戦を否定し機動部隊の重要性を唱えて研究していた軍師でもありますから戦績は残しています。冷血漢とか戦争狂といわれても戦場には彼のような職業軍人が不可欠だったのでしょう。味方よりドイツ軍に評価された名将、彼の名声なくしてはノルマンディ上陸も果たせなかったでしょう。
臆病な兵士を叱責したことで司令官の任を解かれるあたりはダブル・スタンダードの好例でしょう、同時期に兄弟全員戦死を防ぐ「プライベート・ライアン」や良心的兵役拒否者を描いた「ハクソー・リッジ」などの戦争映画と併せてみると国家の二面性が透けてみえますね。
ラスト・シーンで荷馬車に轢かれそうになりましたがパットンは自動車事故が元で亡くなっていることへの暗喩でしょう。公開時に観ていたがBSでやっていたので再鑑賞、3時間近い長編、見応え十分でした。
眠かった
津川雅彦に似たおじいさんの狂っている感じは面白いのだけど、展開がだるくて眠くなる。途中で寝てしまい3回に分けて見た。ずっとおじいさんをみているのもつらい。戦車戦の場面は迫力がある。
You may get shot, you may get kill, but you go have to the fight. 戦車映画じゃなかった・・・
先週「T- 34」という映画を観て「戦車かっけー!」となって以来、何かと戦車が気になり出した今日この頃。「世界の戦車パーフェクトBook 」を読んでみたり、「ガールズ&パンツァー」というアニメを観てみたりと戦車を追い求める日々です。そんな中「パットン大戦車軍団」という題名の本作を観てみたのですが・・・あれ?本作ってパットンさんの映画であって戦車の映画じゃないやん!
流石のコッポラ脚本でこれはこれで面白かったんですけど、ちょっと期待と違った感じでしたね。序盤の北アフリカの戦車の戦闘シーンでは車種とかよくわかってなくても戦車が沢山出てきて「おおー!スゲー、CGもない時代にどうやって撮った?全部本物かぁ!?」っとなりましたが、その戦闘自体は劇中ではフワッと終わってしまい、こういう戦闘シーンがもっとあるかと期待していたら残りは進軍してるシーンがほとんどで。まぁ、そうですよね、戦車いっぱい使ったらお金いくらあっても足りないもんねぇと大人の事情も理解しつつも、やっぱり残念です。
第二次世界大戦は大まかに歴史の流れがわかってるぐらいで何処の部隊がどうとか全く知識がなかったので、パットンさんの事も全く知りませんでしたし、そういった意味では目新しく面白かったです。パットンさんは「軍とはこうあるべき」ってのが強くって、ある意味理想主義者でロマンチストでしたね。アイゼンハウワーやロンメル、マッカーサー等歴史の教科書で習う名前が出てきて、激動の時代を生きた軍人なんだなぁっと感じました。
観賞後に検索してみて有名な軍人だったという事を知ったのですが、戦車の事を知るのはこういう歴史に名を残す軍人を知る事なんだなっと改めて気が付いた作品でした。勉強になるなぁ。
アメリカ人が嫌いになること間違いなし
巨大なアメリカ国旗を背景にして、冒頭の兵士への演説が凄い強烈。勝つのが好きなアメリカ人。勝つことしか興味がないんだ。この演説によってアメリカ人が嫌いになること間違いなしだ。ここでぐいぐいと引き込まれる。英雄だと讃えられようが、このおっさんのキチガ○のような性格にはへどがでそうになるのだ。
モロッコではドイツ軍ロンメルがライバル。ここでも好戦的なパットン将軍の姿が描かれているが、敵機の空襲があっても平気で短銃で立ちはだかったりと、かなり精神的におかしくなってることがわかる。
ナチのロンメル将軍の戦術書を研究していたパットンだったが、イタリア侵攻に際してはロンメルの部下がパットンの書物を読み「ロマン主義の騎士であり16世紀の戦術しか持たない男」だとわかり、古代アテネと同じ戦略でくると読んでいた。パットンの戦車軍団と対峙したときにはロンメルは不在。やがて英軍と合流して、モントゴメリーとライバルのような関係にもなる。
こうした戦争映画を観ると、「反戦映画とは?」という疑問に立ち返ってしまう。よくある明らかに反戦を謳う映画とは違い、戦争の狂気を描いた作品だからだ。なにしろ『地獄の黙示録』のコッポラが書いた脚本。反戦というより、馬鹿げた将軍にスポットあてて厭戦感を観客にじわりじわりと与えるない映画と思えるのです。そりゃ、好戦的な人が観ると軍隊の厳しさや緻密な作戦のやりとりなど、好戦的な内容にも取ってしまえる。さすがに最後には連合国軍として隠れた英雄と祭りたてられるようなイメージも残るが、その直前にはソ連とも戦ってやるぞと意気込むほど戦争好きの性格がうかがわれる。「150万の敵を殺したぞ!」と自慢げに語る彼の姿がとても嫌悪する人物であると感じられるかどうかだ・・・また、なぜ米ソ冷戦が始まったのかが彼の性格によってわかるような・・・
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