「【”そして英国老婦人は特急列車の中から消えた。だが、列車の乗務員、乗客は皆が彼女は居なかったという。”良く考えたな、この設定。コミカル要素を絡めたミステリーサスペンス。】」バルカン超特急 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”そして英国老婦人は特急列車の中から消えた。だが、列車の乗務員、乗客は皆が彼女は居なかったという。”良く考えたな、この設定。コミカル要素を絡めたミステリーサスペンス。】
■東欧の国バンドリカからロンドンへ向かう国際列車で、老女ミス・フロイ(メイ・ウィッティ)が突然姿を消す。
結婚のためにロンドンへ向かう富豪の娘アイリス(マーガレット・ロックウッド)はフロイを探すが、列車の乗客・乗務員は初めからそんな老女は見なかったと口をそろえる。
困惑するアイリスに、宿屋で煩かったクラリネット奏者の青年ギルバート(マイケル・レッドグレーヴ)だけは協力を申し出る。
◆感想
・アイリスが泊まった宿が、バンドリカという架空の国であることで、バンドリカ語が分からないという所がまずは巧い。というか、あの言葉は何語かな?
そして、バンドリカとイギリスの関係性。
・序盤はコミカル要素なのが、老女ミス・フロイが列車内で消え、乗客・乗務員が彼女の存在を否定するところから徐々にミステリータッチになって行く流れも良い。
・列車に乗る前に、駅のプラットフォームでミス・フロイの横に立っていたアイリスの頭に当たり、彼女が朦朧とする彼女目線のカット。見る側や”列車の乗客・乗務員”は、”頭を打ったからじゃない?”と言い、混乱するアイリスの姿。
・ミス・フロイが汽笛で煩くて、名前をアイリスが聞き返した時に、列車の窓に書いた文字を、彼女が消えた後にアイリスが見つけるシーン。
・細かい所で言えば、老女ミス・フロイが愛飲していたハーブティーのラベルが、列車の乗務員が捨てたゴミの中に入っていて、窓に張り付くシーンと、それを見たギルバートがアイリスの言う事を信じる姿。
・乗客の中で、クリケットが好きな紳士二人が、列車が遅れると見たい試合に遅れるという理由で嘘を付くところと、ロンドンについてその試合が延期になったというオチ。
<等々、今作は何を書いてもネタバレになるので、これ以上は書かないが、良く出来たサスペンスミステリーである。>