バッド・チューニングのレビュー・感想・評価
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リンクレイターの一貫性には驚くばかり
青春の疾風に煽られたかのような勢いがある。夏休み前の授業が終わるや上級生が新入生に「尻バット」を振る舞うとは、何と意味不明で傍若無人な儀式なことか。しかし束の間の支配者的優越に浸った上級生の胸の中には彼らなりの悩みがあり、不安もある。そこにうまく切り込んで、様々なタイプの若者たちを織り交ぜ人間模様を、いや「世界」を描く。
ストーリーはさほど重要ではない。むしろ彼ら若者たちが自発的にこの映画の内でうごめき(そのように演出、構成し)、会話と状況の中から自ずとテーマやメッセージが浮かび上がってくる仕掛け。この有機性こそが本作の最たる魅力。
『6才のボク』と『エブリバディ〜』を経て改めて本作を観るとなぜか痛いほど胸にしみた。リンクレイターの一貫した姿勢を感じたのもあるが、単に筆者が歳をとり青春時代がノスタルジーに昇華された面もあるのだろう。かくも齢と共に味わい方の変わる映画である。
異国の青春に感じる"懐かしさ"とは何なのか
最後にキャスト名に映像を出してくれるのありがたい
1976年のアメリカテキサス州の夏休み前の1日を描く青春映画。リチャード・リンクレイター監督作ってのは観終わってから知った。
青春の1ページを描く、ときたらピンとくるのは「アメリカン・グラフィティ」。監督ならではのアメグラを描こうとしたのは明白。米国70年代後半の青春モノというとありそうであまりない(気がする)
学生なのにハッパばかり吸ってるヤツとか新人いびりに精を出してるヤツとか、いつの時代も変わらんねぇ。小さな町で大きな事件は起こらない。ただ各々の青春の1コマがあるだけ。見る人の世代によって感想が変わる映画だろう。
ロックの流れ方が抜群で痺れる。これが下手だと映画全体がしまらないが、そこは監督、バッチリなセンス。有名俳優の若い頃を見るという楽しみもあって、二重に過去へのノスタルジアを感じる映画となっておりました。(ミラジョボビッチのルックが良かった、チョイ役だけど)
レッド・ツェッペリン
男は尻叩きで、女はホットドッグのようにマスタードとケチャップなどをかけられ奴隷のような扱いを受ける洗礼の儀式。教師たち、世間でさえ黙認の事実。かなり軍隊の影響を受けているような保守的な雰囲気だ。
76年の物語。しかも自分が高校へ入った頃とほぼ同年代。聞いてた音楽も同じアメリカンロックだ。このリンクレイター監督は原曲をそのまま惜しげもなく使う。こりゃかなり懐かしいぞ!音楽聞いてるだけでもいい。内容なんてほとんどない。『アメリカン・グラフティ』と同じで一晩の物語。時代的にはアメリカ独立200周年記念で盛りあがっている年だ。
劇中の言葉にあったように“激動”の60年代、“失望”の70年代。日本でも“シラケ世代”という言葉が流行したように、アメリカでもベトナム反戦運動が終わって、若者の間には虚無感が蔓延していたことが覗われる。80年代が“過激”で表現されるということを言い当てるのはまるで預言者だ(笑)
エアロスミス、ディープ・パープル、キッスと有名曲のオンパレードだったが、タイトルはレッド・ツェッペリンの曲。しかし聞くことができない・・・
マシュー・マコノヒーがなぜか大学生役で登場。ベン・アフレックも尻叩きのチョイ役。
リンクレイターの"アメリカン・グラフィティ"
原点って感じかな
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