「呪われた映画」ハメット sugar breadさんの映画レビュー(感想・評価)
呪われた映画
ヴェンダースが初めてアメリカに招かれて撮った作品。公開当時に見逃して以来40年以上観られないまま、今回が初鑑賞です。
確かに突出した傑作ではないですが、世にいわれる失敗作とは思いません。ただ、明らかに他人のフンドシで相撲を取っている感は否めません。やはりコッポラをはじめとするハリウッドシステムとの間にトラブル、葛藤があったのでしょう。興行成績は惨敗だったようです。
本作の制作が停滞している間に、ヴェンダースは独自に「ことの次第」を撮っています。ハリウッドに対する憧れと諦念、怒り、死が彼らしい映像美(ポルトガルとロスの光の差)で描かれます。私の大好きな作品です。
「ハメット」と「ことの次第」異父兄弟のようなフィルムです。
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