ハノーバー・ストリート 哀愁の街かどのレビュー・感想・評価
全2件を表示
不倫の恋が切なく美しいのは映画の中だけ
戦乱の中で出会った男女の恋。
50年代を彷彿させる“THEメロドラマ”再び!…だったのかもしれないけど、ニューシネマを迎えた70年代には時代遅れだったようだ。
職人ピーター・ハイアムズならではのサスペンスやアクション要素を盛り込んでも…。
主演は、今となっちゃメロドラマ出演が珍しいハリソン・フォード。
そもそも二枚目なのでこういう作品への出演は意外でもないかもしれないが、やはり宇宙を股に駆ける賞金稼ぎや世界を股に駆ける冒険野郎が合う。
本作で描かれるのは、不倫の恋。
不倫の恋が切なく美しいのは映画の中だけ。
現実の世界じゃそう上手くいきませんよ、ベ○○ーさん、ゲ○○○みさん!
潜入任務の後では色褪せる愛の物語
総合70点 ( ストーリー:65点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
バス停での二人の出会い方がいい。爆撃があってもしかすると死んだのではないかと思ったり、危険な任務で明日をもしれぬ身だったり、今の出会いを大切にしようと思うのは理解も出来る。それでも相手のこともよく知らないままのこれだけの出会いで、深い愛を描かれてもどうにも信じられない。こんな一日だけの出会いをやたらと深い愛のように盛り上げようとする話って、どうにも軽薄に思えてしまうのだ。
これで不倫愛が燃え上がって、でも戦争のために悲劇に終わるのだろうかと思っていたら、話は全くとんでもない方向に走り始める。ところがそっちの話のほうが断然面白いのだ。敵地に乗り込みいつ正体がばれるかという緊張感がなかなかのもので、その場面は「荒鷲の要塞」を思い出させる。妻を奪われてただの人の良い被害者だった夫ポールが、ここでは一転して大活躍する。これは不倫愛の話なんかほうっておいて、こちらのほうに最初から集中していたほうが良かったのではないか。最後はすっきりとまとめたが、もうそんな色恋話はそのときにはすっかりと色褪せてしまっていた。結果的に物語がまとまりに欠けてしまっているのが残念。助けたのに納屋に火をつけられたフランスの農家が気の毒なのが最後に気になった。
全2件を表示