劇場公開日 1981年9月12日

「若者たちののほほん青春時々落語、のようなもの」の・ようなもの 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5若者たちののほほん青春時々落語、のようなもの

2022年12月27日
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鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

単純

森田芳光監督の商業デビュー作。1981の作品。

初ソープでソープ嬢に一目惚れした若手落語家。
高校の落研で女子高生と知り合い、付き合う事に。
そんな彼と彼を取り巻く青春群像劇、落語の世界…。

デビュー作の題材に選んだのは、監督が好きな落語。
そこに、ソープ、落研、TVの世界、天気予報ギャンブルなど、風変わりなネタを織り込んで。
メインの話も普通に語れば普通の青春劇になる所、シュールやドタバタ。
後に『家族ゲーム』などでありふれたスタイルに囚われない斬新な作品や演出を発表。
デビュー作からそれは一貫していた。

しかし、本当に好き勝手やったという感じで、映画的なストーリーの面白さや巧みな仕上がりとかはビミョー…。
先述の通りシュールやドタバタ、脱線、ワチャワチャ、ハチャメチャで、正直意味不明…。
高座もあるが、思ってたほど落語披露は少なく、本格的な落語映画を期待してはいけない。
当時の日本ののほほん感、若者たちのマイペース感、ラストはちょっぴりしみじみと…。そんな空気だけでも楽しむ作品。

主演の棒読み演技が…。加えて、落語もメリハリ無くつまらない。そういう設定なんだけど、そりゃあ女子高生の父親からダメ出しされるわな…。
ソープ嬢役・秋吉久美子の色っぽさと魅力は確かにリピートしたくなるレベル。
デビュー作でありながら、豪華な個性的な面々。尾藤イサオ、でんでん、鷲尾真知子、内海佳子に関根&小堺…。女子高生の一人にエド・はるみ! これも森田監督の人望か。
落語の世界なので落語家たちも。今年亡くなられた円楽師匠の姿…。
約40年前。若き日の姿を楽しむと共に、在りし日の姿に思いを馳せる…。

近大