「美しくノスタルジックな国際版より好きなヤバいバージョン」ニュー・シネマ・パラダイス 3時間完全オリジナル版 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
美しくノスタルジックな国際版より好きなヤバいバージョン
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これほど愛されている作品に対して言いづらいのだが、国際版などと呼ばれている最初に日本公開されたバージョンを高校生のときに観て、ラストで涙したものの何かが引っかかって、日を置かずにまた観に行った。それで思ったのは、確かに感動の涙を流したものの、それは非常に上手く乗せられたからであって、この映画が好きかどうかはわらない、という謎の留保だった。
そして数年経って観たのがこちらの長尺版。ごっそり削られていた中年パートが復活し、オッサンがストーカーまがいに元恋人を追いかけるキモい話になっていて、なんだかとても合点がいった。ああ、なるほど、あの美しい少年時代や青年時代のエピソードに心底乗れなかったのは、キレイなところだけ残していたからだったのではないか。
ファンの多くがこの長尺版を嫌っていることは知っているが、ようやく出会えた納得のいくバージョンだし、また最初にこっちのバージョンを観せられていたらこれほど名作扱いもされなかっただろう。トルナトーレ監督はわりとヤバいところが行間から溢れ出る映画作家だと思っているが、そのヤバみがちゃんと表に出ているからこそ、こっちの方が好きです。
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