ニュー・シネマ・パラダイスのレビュー・感想・評価
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よかった
公開時以来で見た。こんなに退屈な映画だったっけと思うほど退屈で、なぜ感動したのかも忘れていた。アルフレードが会場に入れないお客に向けて外の家に映写する場面と、キスのフィルムをまとめた場面は記憶に強く残っていた。どっちも、ああこうだったのか、と特にキスのフィルムはすごく感動的だった。屋外に向けて映写したのは、実際問題ピントが合わないのではないだろうか。
トトは人生の成功者でありながらも満たされない人生を送っているようだった。それはおそらく監督自身の投影なのだろう。未婚で子供もいない。彼女すらいなかったアルフレードと比べるのはどうかと思うのだが、結果的に寂しい人生のようだった。
少年期、青年期とドラマ性に乏しい内容であったのだが、中年になって故郷に帰ってからがそれまでの積み重ねが一気に溢れだすように郷愁や他の感情を掻き立てられる。故郷を離れる際にアルフレードが戻って来るなと言った言葉が呪縛のようで、その通りにしたことが果たして正しかったのだろうか。飛行機で1時間で戻れる実家にちょいちょい戻っていた方がまともな人生を送れたのではないだろうか。
幸福とは一体なんだろうと身につまされた。音楽がズルいほど感傷的だった。
感動の琴線に触れるかで評価が割れる
オールタイムベストに常に名前が上がる作品なのか不思議だった。
人生を順番に追っていくが、連続性のないエピソードを単に並べてるだけに見える。
少年期と青年期、現在の壮年期、それぞれが断絶してるのでなおさら。
改めて鑑賞し、ひとのレビューを見て、ああいう人生に共感するかで割れるのだと気付いた。
感動するどころか嫌いなので低評価。
星2.5。アルフレードが全て。
シチリア
村上春樹でシチリアを知り、ゴッドファーザーでさらに知り、常盤新平で行ってみたいと思い、あれから1年くらいたってこれをみてまたシチリアに興味がわいた
映画アウトサイダーのドライブインシアターもすげえいいな、こんなことしたいなって思ったけどこの映画の野外上映を舟の上から見るってのもだいぶ良いな
アルフレードの
「ノスタルジーに惑わされるな」
「自分のすることを愛せ」
にグッときた
ストーリーは最初つまんなかったけどグイグイ上がってきた
多分に少年トトの子役の演技が好きになれなかったからだろうと思う。
イタリアといえば子供中心の映画が多く、私も昔いろいろ泣かせられた。...
イタリアといえば子供中心の映画が多く、私も昔いろいろ泣かせられた。「メリーゴーランド」「鉄道員」など。この映画は、主人公が子供のとき、映写技師ととても仲良くなり、彼の生きていくうえでの支えになっていた。彼のすすめでローマに渡り仕事に成功する。しかし、30年ぶりに彼がなくなって郷里に帰るとまったく変わらない故郷があった。
そこで主人公の子供のときに集めていた自分の見たかったシーンを映写技師が編集していたのだ。それを見た彼は・・・。映画技師と出会ったことが彼の人生を成功させ、何もかもうまくいった。しかし、映画技師は故郷を忘れろといったが、忘れることはできない。なぜならここで生まれ育ち、映画技師と出会ったのだから・・・。出会いのすばらしさ、改めて大切にしていきたいと思った。
音楽は言うまでもなくすばらしい。モリコーネと彼の息子が音楽を担当している。息子にも頑張ってほしい。
上手すぎる、それがそのまんま評価された映画
感動を呼び起こす仕組みを完璧に近い形で組み上げた作品。
中盤を真ん中に序盤と終盤をぱたんと折りたたむと、がっちり伏線回収(この言い方もどうかと思うが)が噛み合う構造になっている。
幾層にも重なっているが、なんと言っても究極は、序盤に、トトとアルフレードが結んだ協定、がラスト、結晶のようなキスシーンになって流れ出す場面。これ分かった上でも込み上げるものがある。
この上手さをあざとさと感じるか、そこは黙って呑まれるか、個人差はあるでしょう。
構成の上手さも含め、喝采を送ったタチ。あと余計な情報を画に入れないようにしているカメラワークも物語を際立たせる要因になっていると思う。
アルフレードに人生を教わる
アルフレードの厳しく優しい愛に包まれた。主人公が30年ぶりに帰郷するラスト20分のための伏線と言うか思い出を観てる事になると思うのだけど、古びたパラダイスを見渡すシーンでフラッシュバックのように思い出して涙が溢れた。主人公が成長し役者が変わると一回リセットされて感情移入しにくいのだけど、全くそんな事なくトトはトトだった。成長をアルフレードや町の人達と見守ったような気持ちになる。
アルフレードの言葉、音楽、そしてラストに感動するしかない。
ノスタルジーに打ちのめされて
20数年ぶり、今世紀初鑑賞。
まさか、開始数秒で涙腺弛むとは…。
全く意識していませんでしたが、長らく記憶の奥底に沈めていた何かが大いに刺激されたようです。
幼少〜青年期の映画館を中心とした人間模様、帰郷時の伏線として回収されていく様は脱帽する他ない。
映画が夢で終わりませんように。
P.S.アルフレードの話したおとぎ話、皆どう解釈しているのだろう?
人間愛、人生愛、映画愛の最高傑作
人間愛と人生愛と映画愛が三位一体となった最高傑作です。
その上、音楽も素晴らしい。テーマが流れてくるだけで鼻がツンとしてしまいます。
こんな作品は他にありません。
この映画館に出てくるお客は皆やかましくて汚らしいです。
でも泣いたり笑ったり囃し立てたり、とにかく感情に素直で自由で羨ましい。
こんな風に映画館で自由に感情を出せたら、すごく楽しいだろうなあと思います。
今の映画館じゃムリでしょうけどね。
だから爆破されて潰れ落ちる瞬間はとても哀しかった。
この映画館で観たであろう「夢」とか囁かれた「愛」など、大切にしまってあった宝箱が壊されるような痛みを感じました。
今回観させてもらった三軒茶屋シネマさんも7月20日で閉館。感情が入っちゃいました。
登場人物で一番いいのは、なんといってもアルフレード。学はないけど、トトに人生を教えます。
そんなアルフレードがトトとエレナの仲を引き裂くようなことをするのはなぜでしょう。
俺の考えでは、そのヒントはアルフレードが語ったお姫様と兵士の物語にあります。
兵士は99日間も窓の下、満身創痍で耐え抜いたのになぜ立ち去ったのか?
アルフレードには分かっていたのです。
トトの並々ならぬ映画愛と才能、だからこんな田舎町に縛られてやがて消える映画機械技師でいてはいけないこと。そして今は甘い二人でも、貧乏暮らしが台無しにするであろうことも。
それなら淡い初恋と生家の温もりは思い出としてとっておき、新しい世界へ行って自分の将来へ賭けなさいと導いているのです。
そしてそれは「ノスタルジーに囚われてはいけない」という言葉に表されたのです。
この言葉は我々観客の人生に向けたメッセージですが、同時に映画業界への警鐘でもあると考えています。
「ただ懐古主義で昔を懐かしんでいるだけではダメだよ。慣れ親しんだものを捨ててでも変わりなさい。変われなければ廃れますよ。」と。ここに映画への深い愛情を感じるのは俺だけでしょうかね。
ただ俺は懐古主義は好きです。
だからアルフレードの言葉をちょっと変えさせてもらうならこんな風にします。
「ノスタルジーに囚われてはいけない。ただ愛するだけがいい。」
映画ってイイね
TOHOシネマズの午前10時の映画祭にて視聴
今更ながら、素晴らしい
単純なストーリーで純粋に楽しめる
父親、母親の子どもへの想いの違い、
魅力的な脇、ラストへの伏線
イタリアの風景も旅行気分
何より映画への愛が感じられる。
とは言っても、裏には映画とリアルは違うとメッセージもある
いろいろな映画のお手本になってる映画だよね。
最近涙腺弱くなったが、下向きで映画館出たのは久々。
映画は素敵ダナ
人生の糧になる映画
友達の勧めで、この映画を見た。
トトと、アルフレードの固い絆、アルフレードのトトに対する言葉では表現できないような偉大な愛情、トトとエレナの甘く、悲しく、優しい恋、トトと周りの人達のあたたかな関係、トトの母の、子に対する愛情。
心を揺り動かすものばかりだった。
感動という言葉では、軽い。
もっと深く優しい感情になった。
この映画は間違いなく、自分の人生における最大の名画の一つとして、心に刻まれるだろう。
最後の、キスシーンだけをつなげたあのフィルムは、トトだけでなく、私の心にも、深く、安らかな温もりを与えてくれた。
優しさあふれる名作
何度も見たわけではないが、心に残ってどうしようもない、
美しく優しい作品だ。
すべてを素晴らしく感じられるが、
やはりトトとアルフレードに尽きるかもしれない。
ふたりは、友達のようでもあるし、家族のようでもある。
トトが村を離れるときのアルフレードの言葉に心打たれる。
ふたりの間に流れるものが映画全体に流れ続け、
イタリアで人生を送る彼らをとても親しく感じてしまう。
思い出すたび幸せが呼び起こされる、印象深い映画。
映画愛と郷愁
総合:85点
ストーリー: 80
キャスト: 85
演出: 90
ビジュアル: 75
音楽: 85
貧しいシチリア島の小さな町ジャンカルドで、幼い自分の情熱の全てだった映画館「パラダイス」と、そこの映写技師だったアルフレードとの思い出がある。現在の自分を形作ってくれたものなのに、30年間も帰ることがなかった故郷。
特別に優れた主題でもなくむしろ使い古されたもので、どこにでもあるよくある話になってしまいそう。だけど、映画への愛情と素晴らしい音楽と演出と演技が組み合わされると、これだけ素晴らしい映画になる。
故郷への郷愁、純粋な恋、そして人生を支えてくれた恩人との出会いと別れに寂しさを押し殺した気持ち、そんなものが全て詰め込まれた人生の宝石箱がある。それを30年ぶりに故郷に戻り恐る恐る勇気をもって開けてみた、そんな感じのするような作品だった。
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