「むしろ黒い?」トリコロール 白の愛 ぷにゃぷにゃさんの映画レビュー(感想・評価)
むしろ黒い?
天使のような美しいフランス女性と結婚した、ポーランド人のカロル。しかし、性的不能を理由に、妻から離婚を申し立てられる。カロルは妻に未練たらたらだが、妻には冷たくあしらわれ、文無しでポーランドへ帰国。フランスからポーランドへ帰る道のりは、めっちゃ過酷であった。
ポーランドでは、最初兄の家に居候していたが、そのうち成功し、あれよあれよと社長様になった。しっかり財産を築いた後、再婚するでもなく、元妻に復讐(?)を計画する。カロルの計画のため、ポーランドへやって来た元妻ドミニクは、彼の策略通りり、罠にはまってしまう。
ラストでカロルとドミニクが離れた場所から見つめ合い、身振り手振りで語り合いながら涙を流す場面は、本来なら感動的なのだろうが、私は怖かった。カロルの執着が粘着的で、ドミニクの気持ちはそっちのけに思えた。あまり描かれなかったが、ドミニクはカロルを愛していたのか否か。導入部ではこれでもかと冷たくしていたのに、肉体的につながったら態度急変。自分より下に見ていた男が、強く変貌し、性的にも復活したので、つい流されたか負けたんじゃないだろうか。どうも、この男女にはパワーゲームのごとき関係性が見え、それはフランスとポーランドの両国間の格差をダブらせている気がする。カロルはドミニクを征服できたのだろうか。そして、こんな結果に満足できたのだろうか。白い愛とかタイトル付いてて、清らかなイメージだったが、むしろ黒いんじゃね?
BS松竹東急の放送を録画で鑑賞。
ぷにゃぷにゃさん
「 恋人までの距離 」へのコメントを頂き有難うございます。
ジュリー・デルピー、見た事のあるお顔だと思ってはいたのですが、この作品だったとは!
本作でも妖精のように可憐でした!
すっかり忘れていました(笑)
有難うございます!