「飛行機映画の傑作!!」飛べ!フェニックス 小二郎さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0飛行機映画の傑作!!

2013年7月22日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

興奮

何で最近の映画って、なんでもかんでも言葉で説明しようとするのか…。説明過多でイライラする。

それにひきかえアルドリッチ!
無駄な台詞、無駄なショットが一つもないっ!!

この映画も14人の登場人物のバックグラウンドを最初の10分弱で巧いこと観客に判らせてくれる。
アルドリッチの演出の巧さだけではなく、俳優も飛び抜けてイイ!!
ハウメニいい顔の男たちが勢揃い。顔は男の年輪だあー。顔に深く刻まれたシワが物語るそれぞれの背景、歴史。
なんという存在感そして説得力。最初の10分で観客はこのドラマに深く取り込まれる。

砂漠に不時着した双発双胴機。機体は半壊し動かない。飛行ルートからはずれ助けが来る見込みもない。乗員の飲料水も残りわずか。さあ、どうする?どうなる!?極限に追い込まれた男たちのドラマ。

生き延びるのかどうなのか?そのサバイバルなストーリーを追うだけで充分面白い。
それだけでなく、バックグラウンドも様々な男たちをどうやってまとめていくか?…という部分もあり、中間管理職のお父さんたちも必見の人間ドラマだったりもする。

機長(ジェームズ・ステュアート)や設計技師?(ハーディ・クリューガー)といった主役級の人物も勿論イイのだが、個人的にはワトソン軍曹という超小物の脇役の心情がなんつうか痛ましくてねえ。観客にいろんな見方をさせてくれるアルドリッチの度量の広さがイイ!!

サバイバルに胸を躍らせるもよし、人間ドラマに涙するもよし、アルドリッチ映画の傑作!!

小二郎