「今日もどこかで『デビルマン』、」デビルマン 誕生編 TRINITY:The Righthanded Devilさんの映画レビュー(感想・評価)
今日もどこかで『デビルマン』、
『寄生獣』や『エヴァンゲリオン』、そして多分『鬼滅の刃』にも影響を与えた永井豪原作の名作コミックのアニメ化作品。
漫画連載とTVアニメが同時並行でスタートした点(今でいうところのメディアミックス)では、やはり永井豪原作の『マジンガーZ』も同様だが、大筋では漫画とアニメががほぼ似た内容で展開する同作と違い、『デビルマン』は最初から最後までまったく異なる世界観。
成人向けコミック誌の種類が乏しい時代、高い年齢層をターゲットにしていた「週刊少年マガジン」(ほぼ同じ時期に『あしたのジョー』や『ワル』が連載されていた)に掲載していたコミック版はアダルト層のファンから支持を得た反面、そうした人たちは東映動画(当時)のTVアニメには辛辣な評価を投げ掛けていたらしい(じゃあアニメなんか見るなよ。大人なんだから)。
本作は人気の高かったコミック版に、より忠実に構成されたOVA作品。
ずいぶん前にCS放送で見た記憶があるが、久しぶりに見てオープニングとか「こんなんだったっけ?!」と感じてしまう。それだけ原作コミック(本作に関していえば)のイメージが強烈にインプリントされているせいなのだろう。
OVAというメディアにも時代を感じるが、漫画作品のアニメ化で原作のテイストよりも発注先の個性がモロに出るのも昔っぽい。
あらためて映像で見ると、『遊星からの物体X』(1982)のジョン・カーペンター監督は原作コミック読んだんじゃ?!という疑念も(多分、気のせい)。
劇場公開向けに作られていないので仕方ないが、正直言って大スクリーンでの鑑賞に堪えうる出来映えではないと思うし、これ映画館でやるんだったら、いっそ『ジャイアント・ロボ THE ANIMATION』も上映して欲しいと感じたのは自分だけ?!
『デビルマン』に関していうなら、人体損壊シーンなど過激な描写も頻繁に登場する『鬼滅の刃』や『ジョジョの奇妙な冒険』などの人気アニメが地上波で放送可能な昨今、コミック版に忠実なTVアニメ化もそろそろ許されてもいいのでは…そう考える人も自分ひとりではない筈。