ディア・ハンターのレビュー・感想・評価
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アメリカの余裕
午前十時の映画祭12にて。
ベトナム戦争中の60年代末、ペンシルバニアの製鉄所で働くマイケル、ニック、スティーブンたちは徴兵され、ベトナムへ送られた。ベトナムで捕虜となったが、マイケルは負傷したスティーブンを連れなんとか脱出したが、ニックは行方不明になった。本国に戻ったあとスティーブンは車椅子生活となったことを知り、大金がベトナムから送られて来ていたため、ニックが生きていると確信したマイケルは再びベトナムへ向かった。マイケルは彼を連れ帰る事が出来るか、という話。
マイケルの捕虜からの脱出シーンはあまりにベトナム兵がお粗末すぎた。現実にはあんなドジなベトナム兵なんてあり得んでしょう。
ロシアンルーレットのような賭博って実際にやってたのかな?そうだとしたら怖い。ニックは記憶喪失になってたのだろうか?
名作らしいが、何が良いのかわからなかった。
アメリカって、戦場に行くのにあんなに呑気に行けたんだな、って羨ましく感じた。第二次世界大戦中の日本だと悲惨な気持ちで赤紙受け取って戦争に行ってたのとはえらい違いだ。
それだけアメリカは余裕が有ったのだろうと改めて国力の差を思い知らされた。
素晴らしかった
今では撮れない作品だろうな
午前十時の映画祭12にて。 公開当時から何度も観ている大好きな映画...
ベトナム戦争の陰
戦争の残酷さと戦争後遺症の苦しみを真摯に偽りなく捉えたマイケル・チミノの力作
ベトナム物はたくさん観ているし嫌いな映画ではないんだけど、ベトナム...
あの頃の良い映画
まったく名作ではない。
【”人生がこうも変わるとは・・”ヴェトナム戦争に人生を翻弄された若者たちの姿を、狂気性横溢するシーンを絡ませながら、哀調溢れたトーンで描いた作品。生死を賭けた友情が心に沁みる作品でもある。】
ー アメリカの田舎町の製鉄所で働く、マイケル(ロバート・デ・ニーロ)、ニック(クリストファー・ウォーケン)、スティーヴン(ジョン・サヴェージ)、スタン(ジョン・カザール)らは、平日は溶鉱炉の熱も厳しい職場で働くが、休日は皆で”鹿狩り”に山岳地帯に足を運ぶ、”仲間”である。ー
◆序盤
ー スティーヴンとアンジェラの結婚式が”君の瞳に恋している”が華やかに流れる中、延々と続く。 お祝いする、マイケルを始めとしたスティーヴンの友人達。そこには、ニックの美しい恋人リンダ(メリル・ストリープ)もいる。ー
◇初見時は、この結婚式のシーンが、長く感じた。(というか、殆ど覚えていない)
ここまで、長くなくても良いんじゃない?とさえ思った。
が、2度、3度と観るうちに、マイケル・チミノ監督が、このシーンで様々な事を暗示していた 事が分かる。
・ヴェトナム出征を控えた、マイケル(ロバート・デ・ニーロ)、ニック(クリストファー・ウォーケン)、スティーヴン(ジョン・サヴェージ)は、ヴェトナム戦争の悲惨さも知らずに、酒に酔いしれている。
だが、カウンターでは、グリーン・ベレーの男が独り酒を呑んでいる。挨拶するも、帰ってきた言葉は”糞くらえ!”である。
・スティーヴンとアンジェラのワイングラスに、赤ワインが注がれるが、酔ったスティーヴンは、数滴、真っ白なスーツにこぼしてしまう。真っ白なスーツに赤いワインが沁みの様についてしまう・・。
・マイケルは、酔った勢いで、ニックの美しい恋人リンダを誘う・・、が・・。
・一方、ニックはマイケルに”何かあったら、俺を必ずこの地に戻してくれ・・”と真面目な顔で頼む。
ー この数シーンだけでも、この後のヴェトナムでの、彼らの運命が暗喩されている事が分かる。ー
◇翌日、マイケル達は、鹿狩りに出掛け、マイケルは見事な大鹿を仕留める。
◆中盤
ー いきなりの、ヴェトナム戦争真っ只中から物語は始まる。
ヴェトナム農民の家は焼かれ、塹壕は焼かれ・・。
そして、マイケル(ロバート・デ・ニーロ)、ニック(クリストファー・ウォーケン)、スティーヴン(ジョン・サヴェージ)はベトコンの捕虜となり、ロシアンルーレットを強要されている。ー
◇ディア・ハンターと言えば”ロシアンルーレット”と言うくらいの、緊張感と狂気が尋常でないシーン。
六発の弾倉に一発だけ弾丸を入れ、腕で弾倉を回し銃を卓上で片手で廻すベトコンの兵。捕らわれた三人は、”ロシアンルーレットをさせられる。”ベトコン達は、”どちらが死ぬか”に賭けている。
・このシーンでの、ロバート・デ・ニーロ演じるマイケルの尋常でない精神力と判断力。水牢に入れられたスティーヴンの疲弊した状態を見て、”弾倉に三発入れろ!”とベトコンに言い、銃口を頭に向け引き金を引く。
ニックは、引き金を引くが銃は頭をそれ、マイケルは三発の弾丸で、ベトコンを殺し、ニックとスティーヴンを助け、流木に掴まって川を下っていく・・、が離れ離れに・・。
ー ニックが、余りに過酷な経験をした事で逃亡後、神経を遣られている事が分かる、ニックのロシアンルーレット賭博のシーン。ー
◆後半
ー 二年後、マイケルのみ、街に戻り、英雄視されるが、浮かない顔。
リンダ(メリル・ストリープ)とも再会し、従軍しなかった、スタン(ジョン・カザール)らと、久しぶりに鹿狩りに。ー
◇マイケルは、大鹿を仕留められる距離まで近づくが、”敢えて”的を外し、大空に向かって大声で”OK?!(字幕では、”これでいいか!”)と叫ぶ。
ここは、大変、重要なシーンである。
マイケルは、”敢えて”大鹿を仕留めなかった事で、未だ帰還していない、スティーヴン(ジョン・サヴェージ)とニック(クリストファー・ウォーケン)を”ロシア正教の主”に、故郷に彼らを返してくれ!と言っていると、私は解釈した。
・そして、マイケルは、両足と左足を失いながらも、車椅子で生きていたスティーヴンと、再会し、喜び合う。 ーあんなに、幸せそうだった、アンジェラは、ショックの余り、会いに来ない・・。ー
そこで、スティーヴンがマイケルに言った”毎月、サイゴンから金が、送られてくるんだ・・。”
”ニックだ・・”
・再び、混乱を極めるサイゴンに飛ぶマイケル。且つての、賭博屋に金を渡し、漸く会えたニック。
だが、精神に異常を来している且つてのベトコンが撒いていた赤い鉢巻きを頭に巻いたニックは、マイケルが分からない・・。
マイケルは、大金を積み、ニックの記憶を取り戻すために、命を懸けたロシアンルーレット
卓に付く・・。”愛してる”とニックに告げ、引き金を引くマイケル。
そして、ニックは”何かを思い出したかのように””一発だ・・”と口にし・・。
ー 二度目の鑑賞時から、このシーンは、涙腺が・・。ー
<ラスト、ニックの棺が、ロシア正教会から運び出され、ニックの友人たちが再び集まり、(そこには、スティーヴンとアンジェラもいる・・)、皆で”God Bless America”を歌いながら、”ニックに・・”と声を揃え、グラスを上げるシーンで、画面は静止画に。
見事な物語構成と、ラストシーンである。
哀感溢れるメインテーマも、素晴らしき作品である。>
<大昔、TV吹き替え版で鑑賞 あの恐ろしきベトコンに強要されたロシアンルーレットのシーンのみ記憶にあり>
<2019年3月 4Kデジタル修復版 伏見ミリオン座で鑑賞 鑑賞記録なし
フライヤーにコメントのみ、殴り書き>
<2021年6月15日 別媒体にて再度鑑賞>
Dear でなくDeer
個人の感性は違うのだから全員一致なんて有り得ないし、どんな意見もあって当たり前
ただ、少なくともこの映画を見た人は、日本が将来どんな状況になっても、今と変わらず、戦争反対を声高に意見する人であり続ける事を祈るばかりです
大人になって分かる映画
昔この映画は土曜日のTV、ゴールデン洋画劇場でよく放送されていた。当時子供だった私にはあまりに長く凡長で、途中で何度も挫折し結局内容は途切れ途切れ。良かったのか悪かったのか曖昧なままオッサンになってしまった。
久しぶりにAmazon primeにて観賞し、この映画の凄さにようやく触れることが出来た。
前半の長い結婚式のシーンも、ベトナム戦争以降の苦悩のシーンも全てが必要不可欠でひとつも無駄がないのが分かった。
ラストで皆が歌を唄い、ニックに乾杯するシーンで画面は止まりエンディングへ以降した所は絶妙で、それまでの全てが頭をよぎり涙が溢れました。
何より凄いのは俳優達がそれぞれの役柄になりきっていて、物語を紡いでいることだろう。それは監督とカメラマンやスタッフの素晴らしい仕事あってのことだが、デ・ニーロではなくマイケル、ウォーケンではなくニック、ストリープではなくリンダ、他の脇役達も皆役柄そのもので実在しているかのよう。
やっとこの映画が分かるようになって、年取るのも満更悪くないよね。
しかしベトナムでもイラクなど中東でも、アメリカは一部の人間の為に軍事需要で儲けるために自国民(若者)を犠牲にするのはこれからも続くのだろうか。そして若者は戦争に行くのだろうか。
命を落とし、傷つき、心を病み、本人も家族も苦しんでも、それでもなお戦争をするのだろうか。
圧巻のロシアンルーレット
ロシアンルーレットのシーンは圧巻
ストーリーはシンプル。
前半は結婚式。平和な日常が描かれる。必要以上に長いが、後半との対比のためにあえての長さだろう。
中盤は戦場。戦争映画とはいえ、戦闘シーンは殆どない。
捕虜同士のロシアンルーレットと、脱出。
(この映画を最初に見たのは、25〜30年程前だが、このロシアンルーレットのシーンほど緊張感があり背筋が寒くなるシーンは誇張ではなく、本当に見たことがない。この間、千本以上の映画を見てるが、このシーンを超える映画は無かった)
後半は戦争後。これが本題。
戦争が3人の男たちをどう変えてしまったかが、が描かれる。
身体的に壊れた男(スティーブン)
精神的に壊れた男(ニック)
一見、変わらないように見えても、自分だけが無事だったことに後ろめたさを感じ、恥じている男(マイク)
批判的なコメントが多いが、捕虜同士のロシアンルーレットが実際にあったか否かは重要ではないし、上映時間が長いのも理由がある。
セリフが少なく、主人公の表情や仕草から、主人公に共感できるか否かで、本作の評価が正反対になるのだろう。
名作、って言いたい作品なのだが
名作、って言いたい作品なのだが、やっぱり長尺にしている全体の構成がいただけない。
もちろん長尺が成立する名作ってあるが、これ、どう見ても序盤の結婚式あたりが薄い。その後も、画に力もなく抜けている場面がちょくちょくみられる。ゴッドファーザー、ワンスアポン~、なんでもいいが長尺な名作ってやっぱり、作品力が抜けるような場面てほとんどない。
て、好きな作風なぶん、残念なところを先に。
しかし、打って変わって舞台をベトナムに映すと、濃密で魅力溢れる場面がたくさんある。捕虜でロシアンルーレットの場面なんて失禁ものの緊迫感がある。人で溢れる雑踏を撮った画もすばらしい。当時の現地の野蛮な活気が感じられて映像に迫力がある。そのあたりだけでも名作と言いたいぐらいなのだが。。
あと、でずっぱりのデニーロより、なぜかウォーケンの印象が強く残る映画。
戦争により無情に変化してしまう人間模様、切なさ募り胸突き刺さる
アカデミー賞作品賞、主演男優賞など5部門受賞、ゴールデングローブ賞監督賞を受賞した社会派ドラマ
親友同士だった関係が、戦争によって激変してしまう過程がじっくり描かれ、人物各々の現状から抜け出したい想いで行動起こす姿切なく、胸に突き刺さった
戦争の悲惨さや、戦地で戦った兵士が受ける精神的傷跡の深さを考えさせられた
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