「戦争の残酷さと戦争後遺症の苦しみを真摯に偽りなく捉えたマイケル・チミノの力作」ディア・ハンター Gustavさんの映画レビュー(感想・評価)
戦争の残酷さと戦争後遺症の苦しみを真摯に偽りなく捉えたマイケル・チミノの力作
予想以上の感銘を受ける。登場人物が皆喜び哀しみを素直に表現していて、その姿がとても人間的な肌触りを持つ。極限状態に置かれた人間の無残な情感が美しく描かれ、戦争の虚無感が見事に表現されていた。鹿狩りのシーンが素晴らしい。戦争を人類の罪として俯瞰した視点が勝り、イデオロギーに侵されず、戦争後遺症に心を寄せた作者の映画作りに感心してしまった。ロバート・デ・ニーロ、クリストファー・ウォーケン、ジョン・カザール始めキャスティングも全て適役の充実度。マイケル・チミノ監督の力作にして、心に残る戦争映画の一本になる。
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