天国と地獄のレビュー・感想・評価
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性に合わない
前半は退屈で退屈でzzz…。しかし後半は見せ場十分で中々面白かった。ただ、野良犬もそうだったが個人的に黒澤作品は性に合わないように感じた。 (午前十時の映画祭にて鑑賞) 2017-137
天国と地獄がまさに黒沢天皇の手の中
確か一度ノーカットで衛星放送で観てるのですが 覚えていなかったシーンがたくさんあって やはり映画館で見ると集中力が違うよなあ〜と改めて感じました。 前半舞台劇の様な犯人のとのやりとりシーンでは 何よりも三船敏郎の圧倒的な存在感! 他人の命と我が身の成功を秤にかけて苦悩するところは 室内のシーンが続くのにまったく飽きずグイグイ引っ張って行かれる。 で、後半は仲代達矢のスマートで淡々としながらも 結構えぐい捜査手法を選ぶ警部と地道な刑事たちの捜査のシーンが 徐々に犯人に迫って行く姿もハラハラして目が離せない。 で、同じ様な警察捜査物の名作「砂の器」の犯人の動機に ぼろ泣きした身としては、 どんな動機なのか?とドキドキしたのだけど〜〜 これは、一種の不条理映画なのかな〜〜 でも、自身の成功より命の重みを選んだ権藤さん(三船敏郎)と 自身の満足のために命を軽んじた犯人との対比は やっぱり心にグッとくるし、 時代が変わっても普遍的なものに落ち着いたことが やはりこの映画を名作にしてるんだろうな〜〜。 撮影過程でよく言われる、 身代金の受け渡しの鉄橋のそばの家の 二階が邪魔だからと、二階を外して撮影したとか まあ、天皇と言われた頃の 黒沢パワーが映画全面に溢れかえってます。 とにかく面白い!!見ものです!! あと、余談ですが冒頭の靴の話〜。 あんな簡単に手で引っ張って壊れる様な靴、 絶対売って欲しく無いわ。(by靴屋)
名画!
冒頭シーンの4人を見て、役者と映画がしっくりとしてると感じた。 それもそのはず名優ばかり。 しかも格好いい役者がずらり。 役になりきっている。 犯人を捜す刑事達の執念、犯人を追い詰めていく時のあらゆる変装。 犯人を死刑にしなければとの正義感。 ときどき笑いをちりばめた娯楽作品だと思います。 黒澤バンザイ!
警察と犯人の人物像が希薄
総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:70点|演出:65点|ビジュアル:65点|音楽:65点 )
子供を誘拐をされそうになった三船敏郎演じる権藤の存在感が大きかった。犯人逮捕のために可能性を探ったり潰したりして地道に捜査をする警察も良かった。
しかし犯罪者と警察の人物像に焦点が当たっていなくて、どんな経緯があってどんな犯罪者が生まれたのかが伝わってこない。人も羨む医者の卵という出世街道まっしぐらの犯人が、何故そこまで劣等感に苛まれ、身代金の獲得だけでなく平気で人殺しまでするようになったのか。いくら夏暑く冬寒い安下宿に住んでいるといえど、もうじき金持ちになれるではないか。最後の言葉による告白だけだと納得できなかった。
また警察も犯人を追跡するための捜査についてはしっかりとした描写があって面白かったが、どんな人が捜査をしたのかの描写が少ない。だから警察の登場人物はただの捜査をする人に過ぎず、魅力的な人物像になっていなかった。結局権藤だけが目立っていた。
脚本が実にしっかりとしている。話が緻密で飽きさせない。 警察の捜査...
脚本が実にしっかりとしている。話が緻密で飽きさせない。 警察の捜査等のリアリティも秀逸。とりわけ、実際の列車を使った一発勝負の撮影だったらしい現金授受の場面は緊迫感みなぎる。 しかし、最後の最後、動機だけがショボすぎる。そこだけちょっと納得いかず。でも現実の犯罪も案外そんなものかもしれませんね。 見てすぐ思ったことは、誘拐ってこんな罪軽かったか?ってこと。当時はそうだったようで、その理不尽さが黒澤監督がこの映画を作った重要な動機らしい。 皮肉なことにこの映画後誘拐事件が増加、結果、刑法改正のきっかけとなったという。 私が幼い頃、夜怖くて寝られないトラウマとなった事件、吉展ちゃん誘拐殺人事件もそのようだ。今親となり改めて思う。誘拐などという卑劣、卑怯な犯罪は絶対に許せぬ、と。
不可解なタイトル
学生の頃、名画座で観て以来、約40年ぶりにDVD で観ました。
何十年ぶりに観ると大概、こんなシーンあったっけ、とか記憶と異なることが多々ありますが、この作品は記憶通りでした。相当インパクトが強かったということでしょうか。贅肉を取りすぎたシナリオに古さを感じるものの、さすが黒澤といった作品です。
ただ、この『天国と地獄』というタイトルが内容と一致してなく、不可解です。
だって犯人は、今は苦学生かもしれないが将来を約束された職業です。主人公の生活を『天国』と言うが、自分もその位置に行ける立場にある。一般人から見ると、全く説得力が有りません。それに今の生活を『地獄』としても、それは希望を持てない犯人の個人的な問題。いっそのこと、それをテーマにすればもっと深い作品になったかもしれません。
完成されたサスペンス
まるでヒッチコック映画のような冒頭シーン。被写体が動くとカメラも動くというスタイルの統一が、現場の緊張感を演出していて、とても効果的でした。 (もちろん私たちにとっては非日常的ですが、)登場人物たちの或る日の出来事をありのまま写し、ひょんなことから事件が発生する展開も見事です。 特急こだま号でのシーンは、とにかくヒヤヒヤ。おそらく、手持ちカメラの効果でしょう。『北北西に進路を取れ』を思い出しました。そして中盤から犯人との本格的な闘いがスタートし、あっという間にクライマックス。 あのラストシーンは、色々と考えさせられますね。彼らにとって、"天国と地獄"とはどういうものなのか…。
野良犬より好き
『野良犬』がほぼ1人で小規模な盗みの事件を捜査するのに対して、今回は大規模事件を大勢で調査する。その面白さは、捜査本部でのそれぞれの担当の情報交換の場面で遺憾無く発揮されている。個人的に刑事ものとして明らかに『野良犬』より面白いと思う。 仲代達矢演じる警部がメインとなって事件の捜査をするパートは後半だが、前半もまた別の面白さがある。特に三船演じる権藤と妻が、会社の部下の子供のために翌日どうしても必要な金を支払うか支払わないかについて口論する場面。究極の二者択一を男女が話し合うシーンは哲学的な面白さがある。迷い、苦悩する三船の表情も見事。
人間の本領。
何が天国で、何が地獄か、人によって感じるところは違うのだろうけれど。 他者と比較衡量し、自身を卑下しても得るところは多くない。しかし、分かっていても比べてしまうのがヒトの性なのだ、ということを突いてくる。 虚栄心、良心、情、恨、…。 1人の人間の依って立つ処は?と自問させられた。
黒沢映画の中で一番好き
こんなにスリリングで、面白い映画は無い言い切ります。 これぞ黒沢です。 序盤は録音のせいかセリフが聞き取れなかったが、あるシーンをきっかけに最後まで見入ってしまった。 スゴイ監督だと思った。本当にスゴイ映画だ。
少し年取った三船さん
何度見ても三船敏郎さん志村喬さんはかっこいい。 DVDで見た時よりも、ずっと聞き取りやすく画面も見やすかった。 少し長すぎて眠かった´д` ;本当にいいものを作りたい気持ちと、子供を誘拐され心配な気持ちとのせめぎ合い。
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