「何もかも素晴らしい傑作中の傑作アニメ」天空の城ラピュタ ねこにゃるどさんの映画レビュー(感想・評価)
何もかも素晴らしい傑作中の傑作アニメ
何もかも素晴らしい傑作中の傑作アニメだと思う。冒頭からラストまでどこを切り取っても面白い。それでいてストーリーが全てラストに繋がってる。2時間の映画でこれほど素晴らしいものを作ったのは奇跡とすら思える。
最初のシータ落下シーンからして感動的すぎる。冒頭からシータが落下して「えええ???」となり、「君をのせて」の美しくも重厚なテーマ音楽を背景に、ラピュタの歴史がシータに繋がっていることを暗示している(あとで気づいた)。落下するシータを飛行石の光が包み込んで守る。瞬間、この飛行石をめぐる物語だと気づかされ、映画に引き込まれる。凄すぎだよ。
前半はパズーとシータを海賊と軍隊が追いかけるスリルな展開で物語が進むけれど、その中でも要塞からのシータ救出劇は誰もが感動する大きな見せ場。息も付かせぬ緊迫の連続で、最後は二人が強く抱きしめ合って要塞からフラップターで脱出していく。こんな感動的な脱出劇は想像もできない。ついでに言うとシータの絶叫が泣ける(横沢啓子さん、凄すぎ)。この前半のやり取りがあるからこそ、二人に強い絆が生まれ、最後二人で滅びの言葉を唱えられたんだと思う。
そして、最後の滅びの言葉までのやり取りは、何度見ても心を打たれる。飛行石をパズーに託し、海に捨てて逃げてほしかったシータ。一方のパズーはシータを見殺しになど出来ない。きっとシータを見殺しにして生き続けることなど出来なかったんだと思う。そして3人が対峙した時のシータの表情の変化は見もの。気丈に覚悟を決めた表情から、「来ちゃダメ」と言いながらもパズーに会えて嬉しかった本心、抱きしめたい気持ち、パズーが一緒に死ぬ覚悟でいることを知った驚き、死ぬ時も一緒にいてくれるパズーへの感謝、そういったものが表情に表れていて本当に凄いと思う。
こんな重い展開なのに、最後はみんな奇跡的に生き残り、海賊はしっかりと宝物を手にしていたというオチで笑いと喜びで結ばれる。本当に史上最高の冒険活劇だと思う。間もなく公開から40年だけど、いつか映画館で見られたらいいなと思う。