「今を生きるわたしたちに」テルマ&ルイーズ たまさんの映画レビュー(感想・評価)
今を生きるわたしたちに
あまたあるリドリースコット作品の中でも
屈指の名作、傑作であろう。
もう30数年前の映画であるのに、この現代性、普遍性はなんなんだろう…
ジェンダー映画、女性への抑圧、そこからの悲劇的な解放、解放と素直によべるかどうかは個人によるだろうが…
ロードムービー、というジャンルコードの範疇におさまる映画ではない。
監督監修の4kレストア版上映。
映画館での大画面で初見。
ブルーレイで何度も観ているが、魂に突き刺さる映画とはこういう作品をいうのだろう。
女性版アメリカンニューシネマ、などと巷間よくいわれてきたが、カーリークーリのシナリオはそこを遥かに越境する。
制作は91年。
多様性ダイバーシティ、LGBTQ…ジェンダー、#metoo
などの言葉が新しくない今。
時代が作品に追いついた感はある。
物語は、2人の対照的なパーソナリティの女性のまさにロードムービーなのだが、そこにカーリーのシナリオは抑圧、を挟みこむ。
男性からの女性への抑圧そのものを。
レイプされそうになるテルマを、ルイーズが加害する男を射殺するところから物語が動き出していく。
警察に追われる2人、過去に凄惨な暴力を受けたことを示唆するルイーズ、
道行きの中、テルマとルイーズの関係性も変化していく。
受動的なテルマ、能動的なルイーズが終盤にかけて変わっていく。
画面はアメリカの原風景ともいえる、岩、砂漠、ラストにグランドキャニオン…
随所に見られるリドリーらしいヴィジュアル
キャスト、スーザンサランドン、ジーナデイヴィス
ハーヴェイカイテル、マイケルマドセン…
そして若き日のブラッドピット
彼はこの作品から一気にスターダムにのし上がっていく。
刑事ハルを演じるHカイテル。警察の中で唯一彼女たちの心情を理解しようとする。演じるカイテル、渋い役どころ。
ラスト、さいこうのバカンス、ほんとうの自分になれた、と2人はくちづけを交わし刑事ハルが追う中、飛翔する。
伝説的なシーンで終わる。
悲壮感ばかりが強調される映画とは思わない。
特にラストなどは爽快感さえ感じる、といえばいいすぎだろうか。
抑圧された現世からの飛翔
画面はホワイトアウトしてエンドクレジットへ
沁みる映画だ。
こちらこそありがとうございます。
多少は、変わってきてる部分はあるんかな…って爪の先ぐらいは…
いや、根源的にはなんも変わってない。
talismanさんのおっしゃる通り!
選挙行って投票、行きますよ🙂
耳障りのいいことばかり言う候補者多いですが…それでも変わらなくても、意思表示だけはしないと。女性を取り巻く状況が少しでも変わっていけば、男性だって生き方変わり、少しでも心軽く生きていける社会になるんじゃないかなぁ…
良きコメントありがとうございます。
🔺たまさん、ありがとうございます!あまりに世の中、とりわけ女性関連が変わってなくて頭がクラクラします。ゆっくりでも変わって欲しいから、まずは選挙の投票位は行こうよ!と思う
コメントありがとうございます!
おっしゃるとおりだと思います。ほんと30年前ですよね。この映画。今、心に沁みるって…
アメリカ現政権の政策、日本の現状…
どうなん?って感じで。そうです、この映画何?どういうこと?古すぎてわかんない、といつ言えるんでしょうか?
共感大です。ありがとうございます。
コメントと共感ありがとうございます。
とってもすてきなレビューで「そうそうその通り!」と読ませて頂きました。
切なくて爽快感のあるラストってこの作品くらいかも?って思ったりしてます。
観て良かったと心から思える作品でした。