劇場公開日 1962年1月1日

「男は常に隠し持った刀(ナイフ)を磨いて行かなければならない」椿三十郎(1962) Gustav (グスタフ)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0男は常に隠し持った刀(ナイフ)を磨いて行かなければならない

2020年8月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

元々は、山本周五郎原作の「日日平安」の脚本だったものを、大ヒットした「用心棒」の続編を要望した東宝の依頼を受けて黒澤監督が改変した作品という。桑畑三十郎から椿三十郎に名を変えた三船敏郎の活躍が見事な娯楽時代劇で、原案の主人公を演じる小林桂樹の”のほほんとした”キャラクターと、華族出身の入江たか子演じる城代家老睦田の妻の”おっとりした”言動のユーモラスな場面が特徴の、喜劇タッチが勝る黒澤映画。最後の山場で対決する室戸が三十郎と似た境遇の浪人で、どちらも鞘に納まらない刀のようなギラギラした男の設定が、結果主人公椿三十郎の宿命的な生き様を浮かび上がらせる。それがまた、9人の未熟な若侍の浅はかさに苦労する主人公の人間味の深さに繋がり、俳優三船敏郎の魅力を全開させる。単純明快にして簡潔な時代劇に、身分と世代と生き方の違いを普遍的な対比で構築した身の引き締まった傑作。

Gustav
琥珀糖さんのコメント
2023年5月15日

こんにちは

いつもありがとうございます。
この映画、原作が山本周五郎だったのですか?
「用心棒」の桑畑三十郎から、続編みたいですが、
とても面白くて大好きな映画です。
三船敏朗も敵役の仲代達矢も、格好良かったですね。

琥珀糖
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