チルドレン・オブ・ザ・コーンのレビュー・感想・評価
全7件を表示
トウモロコシを受け入れよ
日本初公開となるキング作品ということもありワクワクしながらポップコーンをひとつまみしながら鑑賞したのだが、与えられた尺が93分ということもあり、本来ならば経緯を説明せねばならない箇所が集団と化した子どもたちに対して大人は何も抵抗できずひれ伏す内容になっている。
元は短編小説だったことからも、実際にキングが当初に執筆した短編小説のほうは残念ながら読んでいないために、映画の本編と短編小説を比較してのコメントは申し訳ないが出来ない。
ただ言えるのは、子どもたちがいかにして多大な力を得てカリスマとなったのか。
例えば悪ふざけをするのが目的で集まっていくうちにひとつの子どもたちだけのサークルとなり、次第にリーダー(当作品では子供教祖のアイザック)が力を振るうようになり、副リーダーのマラカイを据えて存在感を強めていく。
集団になれば怖くないという心理も働き、暴徒化した子どもたちによる、止めようとした大人が犠牲に、またそんな大人を睨むようになり喫茶店でコーヒーを飲むだけのお客さんまでもアイザックのターゲットとなり殺されてしまう。
ラストのトウモロコシ十字架にマラカイの裏切りにあったアイザックがチクショウと悔しさを滲ませながらも、バートが仕掛けておいた炎上装置によりトウモロコシ畑が炎上していく中でアイザックも逃げれず死んでしまうラストだったが、逃げ切りビッキーとガトリンから離れるぞとなった際に残党がまだ残っているというおまけ付き。
ナタで襲われそうになりながらも、何とか逃げ切り徒歩で距離が30kmもある近くの町へ。車が使えないから、あとはヒッチハイクするしかないね(;´∀`)
ハラハラドキドキの展開がなかなかよかった。子供教祖アイザックの黒ハットとスーツ姿も不気味で強いインパクトを残したね。
衝撃的なのは最初の5分だけ
延々続くトウモロコシ畑も、それを崇める邪教も、子どもが大人殺すところも、全く演出的な工夫がなくて不気味さ不穏さが一切ありません!よってカケラも怖くない!
登場人物の行動原理もものすごく分かりにくいです。特にあの2人の子どもは何がしたいのか終盤までさっぱり。
ラストのオチに至っては映像に時代がモロに出てて笑ってしまいました。
今までビデオスルーだったのも残念ながら納得です…
アメリカ人魂の源流をスティーブン・キングに見る
映画『チルドレン・オブ・ザ・コーン』子供の頃抱いていた、恐怖や残酷さ、そんなものが現実となったらどうなるか。スティーブン・キングの創作の原点は、そこにあるような気がしてならない。そしてキリスト教の教えと文化がまだ色濃く残っていたアメリカ社会。
巨匠スティーブン・キング原作
アメリカでは、1980年代の人気シリーズらしいんですが。
本作は、その記念すべき第一作。
なんだけど、日本未公開とのこと。
となると、おのずと内容に?がつくわけで。
それを確かめるべく、映画館へと。
なるほど、これだと配給会社は、二の足を踏むかな。
「とうもろこしを受け入れよ」ってどこかユーモラスですよね。
なんというか、ホラーの帝王と言われながら、どこか外してくるのがスティーブン・キング流。
そこを理解した上で楽しむということなのかな。
私としては、アメリカの片田舎を舞台とした、保守的色合いの強い地域は、興味しんしんなんですが。
謎解きは、キングの幼少期にあり
幼くして、父親は失踪。
その後は、母親と弟の三人ぐらし。
風呂のない極貧生活。
キングの育った頃は、まだ信仰、教会の力が強かった時代。
そんな、アメリカの保守的キリスト教の影響が、強く感じられる。
副題にある「畝の後ろを歩くもの」という表現。
聖書的には「畝の硬い者」という表現がある。
つまり、キリストをメシアと受け入れない、イスラエル人をさす。
「畝の後ろを歩くもの」とは、異端と捉えればいいのか。
キリスト教保守派にとっては、異端という言葉は、ひっきりなしに出てくる。
保守的、聖書的信仰を持つ自分たちが正当であり、それ以外は異端となる。
保守派の牧師が、メッセージ等でしょっちゅう口にする言葉。
そんな言葉が、キングの脳細胞に刷り込まれても不思議ではない。しょ
牧師のメッセージ「説教」は時としてトラウマになる
これは、幼い子供にとってではあるけど。
キリスト教は、愛の宗教と思われているが。
実は、保守的キリスト教徒にとっては、そんな側面ばかりではない。
例えば、聖書の「ヨハネの黙示録」などは、取り上げ方次第では、子供にとっては、恐怖でしかない。
それは、解き明かす牧師次第なんだけど。
子供の信者を引き寄せるために、わざと恐怖を植え付ける牧師がいないとも言えない。
キングは、そうとう感受性の強い子供だったと想像される。
逆にその感受性の強さが、作家として成功したわけだけど。
『チルドレン・オブ・ザ・コーン』にもいかんなく、キングの幼少期が投影されている。
キングばかりではなく、1960年代のアメリカが色濃く映し出される。
「異端」というキーワードで、この映画を見るといいかもしれない。
保守的キリスト教徒にとっては、「異端」とは、最も忌み嫌うべきもの。
そして、自分は「異端」ではないということが、強迫観念のごとく問われる環境だったということ。
そんな、アメリカの断面を見てみるのも面白い映画だ。
“日本なら チルドレン・オブ ライスかな 畦の後ろを 歩くモノ 恐?” 期待度△鑑賞後の満足度△ リピート:ないわ~ シェア希望度:ないわ~
①当時(1984年か1985年)「スクリーン」だったか「ロードショー」だったかに(当時両方読んでました)確か公開予定ということで載っていて、トウモロコシで作った十字架らしきものに磔にされたスーザン・ハミルトンのスチールと、秀逸なネーミングの題名に惹かれて観たいな、と思っていたけど結局未公開となりました。
その後、アメリカの映画誌を読んだらあまり批評が良くなかったけれども、今回40年経っての初公開ということで懐かしさもあり観てきました😁
②で感想はというと、やはり批評通りの典型的なB 級映画。
原作は未読なので、多分トウモロコシ栽培を生業としているアメリカの田舎町でトウモロコシ畑に潜む邪悪なモノが(『Salem's Lot 』)みたいに知らず知らずのうちに子供たちに取り憑いて行き、大人達を惨殺していく…という話かな、勝手に思っていたら、冒頭からダミアンのイトコみたいのが現れて彼の言い付けとおり(アイコンタクトだけど)少年達が教会で礼拝を終えていつものカフェでコーヒー飲んでた大人達を惨殺(1980年代ですから残酷度は低い)するところからスタート。
ただ、カフェのウェートレスさんも一味の一人みたいなんだけど(コーヒーに毒入れた?)どうみてもおばさんで、邪悪なモノの手下は子供達だけじゃないのか?結局全編を通してこれが一番のミステリーだったりして。
③その後、????だらけの展開なんだけど()
とうもろこし畑、いっぱい作られているけれど…
これは日本初公開らしい。キングの短編作品映画化は出来がなんか半端になってしまうイメージが強いけどこれは、まあ、許せた。今と違ってデビルが意外に弱い。ザ•カーなんかもこんか結末だったな。結末に難解さがなくて良いかも。カルト教団な結束もゆるくてこれで大人全滅は無理だろーなー。
サラ・コナーになる前のリンダ・ハミルトンの初々しさ
モダン・ホラー小説の帝王スティーヴン・キングが1978年に発表した短編シリーズ『ナイト・シフト』の映画化で、84年製作ながら今まで日本劇場未公開(ビデオスルー)だったとか。トウモロコシ畑が実る小さな田舎町を舞台に子供達が大人狩りをするというストーリーの作品だと、ジョン・ウィンダムが57年発表のSF小説『呪われた村』の映画版『光る眼』が印象深い。かなり類似点が多く、もしやキングはこれをパクったのかと邪推したくなるが、まぁ明確な祖先が不明なトウモロコシは宇宙から来たという説もあるぐらいだし、超常現象やオカルトものの作劇に適しているのだろう。
当初はキング自身が脚本を書くも、製作サイドに却下されリライトされた事が気に入らなかったらしく、原作クレジットの代わりに高額ギャラを要求。そのせいで予算が大きく削られて全体的にチープな作りに。今回の劇場公開を機に初めて観たけど原作との脚色点が目立つし、特にラストの顛末がトンデモすぎて、純粋な原作ファンは激怒してもやむ無しかも。キング原作の映画化で批評的にも興行的にも成功しているのは数えるほどしかない事を鑑みても、過度な期待を寄せない方がベターだし、同じ原作を2020年に再映画化した『スティーヴン・キング エイジ・オブ・パンデミック』と観比べてみるのもいいかもね。
恐怖度も今の視点で観れば薄いが、冒頭での大人殺戮シーンやカルト集団と化した子供達の不気味さはなかなかのインパクトだし、今では“タフな女性のアイコン”サラ・コナーのイメージがついてしまったリンダ・ハミルトンの、か弱く初々しい演技が見られるのは貴重。多分サラだったら、襲い来る子供達を1人で片づけてしまうだろう。
トウモロコシ教
序盤から殺戮の嵐、そこから子供だらけの宗教的洗脳、退廃した町の規模から説明のつかない絶対数、超常現象からのファンタジー要素、無理のあるホラー描写からスティーヴン・キングによる『ウィッカーマン』からの『蠅の王』や『トレマーズ』みたいで、リンダ・ハミルトンが『ターミネーター』で演じたヒロイン同様に巻き込まれ型、大人のカップルと頼りになる幼い兄妹、全体的に説得力のない物語が支離滅裂に!?
煽るホラー演出にイライラしながらもドキドキはしない、意表を付かない展開に安心して観ていられる、退屈しながら。。。
全7件を表示