菊豆(チュイトウ)のレビュー・感想・評価
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百年前、🇨🇳、男尊女卑、奴隷制
1920年代の中国🇨🇳、🇯🇵だと大正時代。
染め物屋を営む楊金山という老人が
先に二人妻をいたぶり殺し、
三人目を買って子作りに励み当然若い妻である。菊豆。
二人も殺して罪に問われないことに驚く。
後にセリフとして出て来るが、
妻が夫を殺すと重罪となるようだ。
だが、なかなか子供ができないからと毎夜妻を拷問する。
責任は妻だけか⁉️
同居人として金山の甥天青がいる。
独身40男で金山に拾われた為働き詰めの生活。
この染め物屋、わりと注文入るのに働くのはこの三人。
合間に金山の厳しい声が飛び交う。
水浴びする菊豆を馬屋の板塀に穴を開け覗く天青。
菊豆は後にそのことを知り一旦は穴を塞ぐが、
また穴を開けたままにする。
身体中アザだらけとなり耐えきれない菊豆は、
天青に身体を委ね、逢瀬を続け懐妊する。
無事男の子を出産し、自身の子と思う金山は喜ぶ。
楊家の長老が唯一の跡取りであり、天白と名づける。
金山の留守を狙って逢瀬を重ねる菊豆と天青。
ある日山中で倒れた金山は半身不随の身体に。
以後、
菊豆と天青は家の中では寝室以外夫婦のように振る舞う。
金山は半身不随で寝床に寝たまま。
外に出て菊豆と天青が睦まじく過ごしている隙に、
連れて来た天白が家に帰ってしまう。
天白が染め物の池に藁を突っ込んで染めようと
夢中になっている後ろから這って来た金山が、
池に落とそうと手を出そうとした瞬間、
天白が金山を見つけ、 「父ちゃん❗️」と叫ぶ。
喜んだ金山は天白を連れ散歩に。
(桶の中に入り車椅子のように2本の棒で漕いで移動)
仲良くなった天白と金山だったが、
ふとした弾みで天白が引っ掛けたロープで、
金山が池に落ち‥‥。
知ってか知らずにか、うすら笑いする天白。
喪主は天白。
菊豆と天青は、50回葬列の前に立ちはだかり行手を
遮らねばならない役回りだった。
いつのまにか菊豆と天青の仲が噂になり、
天青は、染め物屋の家から出なければならなかった。
しかし、二人は、野っ原の隠れ場所を見つけては逢う。
天白と同じ年頃の青年が母菊豆の逢瀬の目撃談を
とうとうと話す様子を
見た天白は、中華包丁を持って追いかける。
天白は、金山を実の父と思っていたので、
母菊豆につきまとう天青が大嫌いで口をきかない。
案ずる菊豆は、
いつか天白に本当のことを言おうと考えていたが。
天白は、隙を見て天青を染め物の池に突き落とし、
母が実のお父さんよ、と叫ぶのも聞いてか聞かずか、
木の棒で殴りつけ溺れさす。
赤い🟥染め物の池にスルスルと落ちる🟥布。
菊豆がつけた炎🔥の🟥と相まって。🟥🟥🟥🟥🟥
色めくも厳しい悲劇だった
シネマスコーレの特集上映「張芸諜 チャン・イーモウ 艶やかなる紅の世界」から2本目。
鮮烈な色彩と妖艶なエロティシズム。チャン・イーモウの世界にどっぷり浸かってしまった。
1920年代の中国、金で買われるかたちで染物屋に嫁いだ菊豆(コン・リー💕)。主人は前妻ふたりを虐待し殺した。菊豆も毎晩の折檻でアザだらけになった。
そう、主人は変態ドS野郎だった。
同居している主人の甥・天青に救いを求め不倫関係に落ちた菊豆。天青の子を身ごもり主人の子として出産。
主人が脳卒中で倒れて形勢逆転。
主人をいたぶりセックスに明け暮れる日々。
しかし二人目を身籠り地獄に落ちた。
不倫が許される時代ではなかった。
最後は親たちの修羅場を見てきた我が子の手で、、、
これは厳しい悲劇だった。
救いのない悲劇だった。
紅シリーズ第二弾
この作品でも、コン リーの見せ方が上手いです。
画面を垂直方向に動く紅い布が、
不気味なムードを感じさせていました。菊豆と天青が結ばれて時に、スルスルと落ちる布が二人の運命を予見させ、天青の死の場面でも紅い布が落ちていました。
期待度◎鑑賞後の満足度◎ ギリシャ悲劇を思わせる濃密な人間の業と二人の運命が転んでいく先が読めないサスペンスフルな展開に圧倒される。見事な映画だ。中国映画には時々驚かされる。
①チャン・イーモウの演出は『紅いコーリャン』に比べ遥かに円熟している。
菊豆の運命を最後まで粘り強く描いて間然とするところがない。
②罪の子である“天白”が、まるで事のいきさつを知っていたかの様に、自分をこの世に生み出す元となった仮の父が血のように赤い染め桶で溺れ死ぬのを笑いながら眺め、実の父を同じく血のように赤い染め桶に放り込むんだ後に殴り殺す。その上に墜ちていく赤い布。ただ、母にだけは手を出さない。それどころか男とまぐあう母を侮蔑した男を刃物を持って何処までも追いかける。
濃密な愛憎劇に息を呑む。
③
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