きみにしか聞こえないのレビュー・感想・評価
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璃子が初々しい
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人付き合いが苦手で友達もおらず、携帯すら持っていない璃子。
ある日心に電話がかかって来た。つまりテレパシーみたいなもの。
相手はろうの男だった。
男はしゃべれない事を打ち明けるタイミングを失っていたが、
璃子は色々励ましてもらったりで、相思相愛の関係になって行った。
ただ2人の間には1時間ほどの時差があった。
ある日ついにリアルで会う事となった。
約束の時間に璃子が待ち合わせ場所に着くと、車が飛び出してきた。
相手の男が璃子を押しのけ、身代わりになっていきなり死亡。
2人の電話には1時間の時差があったので、璃子はすぐに電話した。
お前なんかと会わなければ良かった、だから来るなと言う。
お前の顔も性格も声も大嫌いやった、と。
しかし男は声を出せないわけで、すぐにそれが嘘と見破った。
男は声を出せない事を打ち明け、それにより璃子も真実を話す。
でも男が行かないって事は、璃子が車に轢かれるという事を意味する。
だからそれでも行くと男は言う。
そして男は待ち合わせ場所に着いた。
璃子は男を助けようと、青い鞄を持ったのが自分だと嘘を言う。
しかし事前に携帯を持ってない事や持ってる時計の話をしていたため、バレる。
そして結局男は璃子を助け、死亡。
あとは璃子が男の親族に会いに行ったりして話聞いて強く生きて行こうとする。
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うーん、まず思ったのは璃子の演技の下手さ(場)
でもこの時代って多分10代やったんやろうし、
純真な役どころなのでその下手さが可愛らしさにもつながってたし、許そう。
でも登場人物の死亡フラグにやたらと敏感なおれは、
開始30分くらいで男が死ぬって事を予知してしまった(場)
だって、社会に馴染めない者同士がこうやって秘密の付き合いをして、
恋愛感情が沸かないはずがないし、だからって恋が成就するはずがない。
ある日突然テレパシーで会話できる相手が出来て、
話してるうちに自然に明るくなれて、恋愛も成就しました・・・
そんな映画は糞おもしろくないわけやから。
だから落としどころとしては、2人が会う直前か直後に男が死亡、
女はその人の思いを胸に強く生きていく・・こんなオチしかないやん。
あと思ったのが、2人の間に時差がある事も不自然。
まあラストシーンではこの設定が必須なんやけど、ズレてる原因が不明。
まあそもそもテレパシー自体が超常現象なんやけどね(場)
でもいつも思うけど、おれが男やったら、組んで金儲けするわなあ。
1時間後の株価や為替レートがわかれば、稼ぎ放題やん。
そして利益は山分けするって形で、お互いが億万長者に(場)
あー誰かおれに心の電話かけて来てくれんかなー(場)(場)
あとそれから、まだ会った事もない人間に対し、
自分の命と引き換えに相手を助けようとする?しかもお互いに。
まあ映画やからそれはそれでええねんけど(場)
それに璃子ほどの美少女が、何で引っ込み思案になるのん?
男が放っておくはずがないでしょうに。
このように文句ばっかり書いてますが、素朴でいい映画だったと思う。
映像よりも小説の方が想像力が増す
原作乙一のラブファンタジー版『イルマーレ』
相変わらず情けなくも原作は未読。クレジットには乙一作品の題名が2つあったので、その2つの話を併せたのかな?
小出恵介の人物設定は割と良いですね。本当はファンタジーとして突拍子も無いのだけど、彼の境遇に何となく「ありかな!」と、納得しながら観せられてしまっていました。
でも残念だったのは時間設定のズレや、片瀬那奈の存在には、「そうだったのか!」とゆう驚き・説得力には欠けているところでしょうか。“自分に自信を持って生きる”とゆう主題自体はとても良いのに、ドリカムのメロディーに乗せた曲をピアノで弾く“過去”からの脱却は完全に取り除かれてはいない様に思えるのと、終盤のあからさまな“フェイク”も映像だとギリギリ許せる範囲内かな〜、と…こうゆう場面は映像よりも小説の世界の方がより想像力を掻き立てるのではないでしょうか。
(2007年6月30日シネマGAGA)
なんだかココロをきれいにさせられる
愛用の映画館で
「特別学生割引」「モーニングショーで1日1回だけ上映」を
していた理由が、よくわかった作品でした。
『人間は1人でない』
という確固たるテーマがあり、
エンディングを築き上げた上で、
オープニングに向けて、逆算して作られているように感じました。
主人公達にしか通じ合わない、心の携帯を用い、
一人ぼっちの自分、聾唖な男性、未来の自分、が
会話をし心通わせるところも、現実感は乏しいけれども、
ファンタジックであり、更に演技がナチュラルだったことも
あって、グイグイと引き込まれるものがありました。
毒のない、鑑賞後感に勇気づけられる良作です。
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