劇場公開日 2007年7月14日

「悪くないと思います。」ファウンテン 永遠につづく愛 rockoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0悪くないと思います。

2014年3月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

ストーリーはそんなに好きじゃないんですが、考えさせられたのは「死は病だ」という主人公の台詞です。なんだかこれを聞くととても悲しくなります。

西洋では2元論というのが古くから支配していまして、それは簡単に言うと「あるものと別のものとの違いをはっきりさせる」たとえばYESとNOの違いをはっきりとさせて、基本的に中間を認めないという姿勢なんです。
日本人だったらその中間のあいまいな姿勢というのはありなんですが、西洋では、もし仮に中間を認めるのだったら、どれくらいの割合でどっちよりで、それはなぜか、とか、白か黒かはっきりとさせることに異常なまでの執着を示します。また本当に中間の意見をもっているのであれば、中間であるという状態を具体的に示す必要が出てくるという、大変面倒くさい文化なんです。

で、その際たるところは生と死の捉え方で、生はよいもの、その反対に死は本来あってはならないタブーとしてとらえる傾向にあるようです。日本は仏陀の「割れた器は、割れていない状態がなければ存在し得ない」という言葉にもあるとおり、死を生の続きと見てその境をはっきりとさせない傾向があります。この考えは西洋では非常に受け入れずらものです。

映画の後半でいきなりヒュージャックマンが座禅を組んで浮いてしまうのも、日本人的には失笑かもしれませんが、西洋的には西洋文化では補いきれないレベルに到達した、という表現で、一応okなんだとおもいます。

rocko