ボルベール 帰郷のレビュー・感想・評価
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ペネロペクルスの見応えあり
10年前の映画で少し古いかと思いきや
ペネロペクルスが出演するのを見たいがために
見てしまった。
ペネロペが出るだけで映画が華やかになる。
これはすごい!
伏線を丁寧に回収した
まず観終わって感じたことはこの映画は「丁寧に伏線を張り、さらに丁寧に回収したな」ということでした。こういう何というか、家族内の、劇中でもアグスティナが言っていた「内輪の問題」の映画ってリアリティを追及してそれに夢中になってしまっているのか、「あれはなんだったの?あのシーンいらなくない?」とすっきりしないものをいくつか残して終わることが多かったのですが、(個人的にそう思うことが多かった)この映画はストーリー展開と家族の問題のフィクションらしさとリアリティのバランスをうまくとっていたような気がします。
細かいところはひょっとすると他にあるかもしれませんが、私が個人的に知りたかったことをすべてはっきりさせてくれました。
母との会話ですべての点がつながり、(予想は十分できるのですが)そこからラストまでの流れもよかったです。
登場人物が皆、強さと脆さを体現しているので共感もしやすく、とても見やすく感じました。
女はみんなクレイジー
女の強かさって計れないと思いました。
余りにも静かな狂気なのでクールだと思ってしまうほど。それに加え、何かを守る耐えるという能力も長けている。なかなか興味深いストーリーです。
観ることで体験する、映画の存在価値
物語の内容は?
父親が娘を妊娠させて…、しかも不倫もしていて…、怒った妻は不倫相手共々殺して…、娘の子供は父親を殺して…、親子は殺人の証拠を隠滅しようと企てる…。
羅列してみるとどう見てもドロドロの昼ドラだ。
しかし、作品を見てそう感じるだろうか。
これ程に汚れた話を微塵もそう感じさせず、ましてや感動的な絆の物語に仕立て上げてしまうのがスペインの鬼才アルモドバルだ。 どの場面を切り取って見てもそのシーンの中心人物は女性、どんな状況下でもたくましい生きる女性達を後押しするように描くこの作品は「女性讃歌の三部作」を締め括るに相応しい。
定型に収まらないジャンルレスな作風、 強烈な色のコントラスト、たくましい女性像、彼の特徴が大胆に詰まった代表作だ。
やはりペネロペはスペインの作品の方が生き生きしていていい。
観ることで体験する自分の巡り合うことの無い世界、映画の存在価値を改めて実感させてくれる。
したたかに生きる女たち
娘が母を疎ましく感じつつあるとき、ある事件を機に母の胸に帰っていく、母娘3代のお話。
ファミリー・ドラマなのだが、サスペンス色が強い。いっときは、すわSF?という展開もある。
母娘の絆を取り戻すのに、そこまで大きな事件が必要か?とも思うのだが、冒頭の女だけの墓掃除から始まり、自然と色彩溢れるスペインの片田舎で、したたかに生きる女たちの様に驚かされる。
p.s. ペネロペ・クルス・・・これだけアクの強い女優も久しぶり。ブリジット・バルドーとかソフィア・ローレンを思い出す。
それでもアルモドバル
アルモドバルの作品でいつも不快になってるのに、それでも観てしまう。つまりこの人は確信犯なのだ。やはり天才だと思う。
で、この最新作。よかったです。
この人は男を描くと自然と変質的になっちゃうのでしょう。逆に、女を描くとその才能がうまく回転していく。この映画で描かれる女は素敵です。ミステリタッチの作品で、本作に登場する川と深淵の闇が、おそらく「女」の比喩になってるのだと思う。男にとってやはり女は深淵のミステリなのだ。
また観たいです。
ペネロペ、復活!!
ペネロペ・クルスのVolverですがDVD発売となったので見ました。評判高かったのですが、正直「ペネロペでしょ?トムに捨てられた・・・。」という印象しかなかった映画です。(私のような先入観を持っている人はいるはずだ。)
ゴシップにまみれていたペネロペですが、この映画で演技がきっちりできることを証明しました。非常にいい映画に出ることができて本当にラッキーな人だと思います。
内容は、娘がひょんなことで自分の旦那を殺してしまい、何とかこれを隠そうとするが、意外な展開に・・・。というお話で、ストーリーが秀逸です。「チャイナタウン」に通じるところもあるかも。何を見るか迷っている方は間違いなくおすすめです。
中途半端なエンディングを迎える最悪な作品でした
スペイン語の映画は苦手ですね。発音がきつい。
ともかく最初のほうは寝てしまって、娘が父親を殺すあたりからややサスペンスくさくなって、観る気になったけれど、それも展開しない。
幽霊のうわさも、すぐネタバレしまい。中途半端なエンディングを迎える最悪な作品でした(:_;)
もっと楽しめる作品にしてほしいですね。タンゴの名曲「ボルベール」を歌うところだけは良かったです。
女主人公たちを縛り続ける「故郷」という異界
「オール・アバウト・マイ・マザー」「トーク・トゥ・ハー」のペドロ・アルモドバル監督の新作。どうしても前2作の流れから期待してしまうが、前2作とは異なる流れの作品である。それは、前2作に見られた「現代という時代性」がないからだと思った。
物語は、主人公ペネロペ・クルスが生活する都会と故郷である田舎(ラ・マンチャという町だそうである)を往復する形で描かれる。この田舎が、まさに時が止まったような田舎で、それこそ幽霊が出てもおかしくないような、「異界」的な舞台として描かれているのである。この田舎町は、監督自身の故郷であるそうである。
ペネロペ・クルスたち女主人公が巻き込まれる物語の渦が流れ去った後に残るのは、この「異界」としての田舎の不気味さである。しかし故郷の田舎町は、その閉鎖性と神秘性と不気味さにより女主人公たちをそこに縛り付け続ける。その描き方は、ほとんどホラー映画である。
それにしても、ペドロ・アルモドバル監督はどんな女性よりも女性を描くことが上手な監督である。「うーん、女って、こういう生き物なんだ」と納得してしまった。
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