「ナレーションが...」明日への遺言 北狐さんの映画レビュー(感想・評価)
ナレーションが...
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○ナレーション
ゲルニカ(ピカソの絵)から始まり、実写映像とナレーションにより「解説」される構成。「NHKスペシャル見に来たんじゃないんですけど」と言いたくなる。
おまけに、大してうまくもないナレーション。また、ストーリーが進むと岡田中将の妻のナレーションも入り、統一感がない。これなら、最初から最後まで妻の回想のような感じでナレーションしても良かったのではないか。
金払って、TVのような造りは許しがたい。
○経緯
戦略爆撃に関する解説と実写映像から本編への移行も唐突な感が否めない。
B29による爆撃シーン、日本本土の炎上シーン、艦載機による機銃掃射などを織り交ぜナレーションに頼らず、映像で分かるようにしてもらいたかった。また、特に斬首のシーンは実写ではなく、登場人物たちで再現しないと関連性、現実性に乏しい。
昔の戦争映画である、「戦争のはらわた」。これでも実写シーンから映画の戦場シーンと繋がる構成になっていたが、比較して本作では工夫がないと言える。
○全体
冒頭シーンの工夫のなさ、妻以外のナレーションをなかったことにすれば、よくできた映画と考える。特に月明かりの中、死刑執行台に向かうシーンは印象的だった。責任所在について考えさせられる作品だ。重いテーマのため、一人静かに観るのが良いと思われる。
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