「相変わらずだが」オーシャンズ13 Casaさんの映画レビュー(感想・評価)
相変わらずだが
プロットはシンプルなはずなのに、説明的な描写を極力なくそうとサクサク進めていくソダーバーグのさらりとした演出が、どこで盛り上がっていいのか、見ているこっちもいまいちわからりづらい。しかも、そのせいでテンポよく進んでいるはずなのに、妙にまったりとした印象もあって、前半が気だくなってくる。準備が完了して、“本番”がスタートする後半は、それなりに面白いのだが。
マット・デイモンが独り立ち(笑)したのは、現実での彼の成長ぶりとリンクしていて面白い。どうせなら、ジェイソン・ボーンの名前をセリフに出して笑わせてくれてもいいのに。一番おいしい役どころは、彼とゲストのアル・パチーノ、エレン・バーキン、それからアンディ・ガルシアあたりか。特にパチーノとガルシアが直接にらみ合う場面が、唯一緊張感のあった場面だった気がする。つまり、それ以外のオーシャンズの大半の面々は良くも悪くも“相変わらず”の仲良しムービーなのだ。シリーズ中で抜きん出て傑作というわけでもないが、クオリティは保たれているので、このシリーズが好きならば安心して見られそう。
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