「原点回帰!」オーシャンズ13 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
原点回帰!
あのOCEAN'Sシリーズ第三作目。原点回帰の作品です。やっぱり、ダニー・オーシャンの作品は、こう来なくては。まじめに騙しを進めます。そのためには、様々な投資も必要で、嘗て騙した相手のテリー・ベネディクトまで抱きこむという大掛かりな騙しを仕掛けます。良いです。
「原点回帰」と記したのは、1)場所がラスベガス、2)無駄な話は無しに、ひたすら騙しを考える、と言うことからです。第二作の『オーシャンズ12』では、一応、騙し・盗みは出てきましたが、それよりも、ラスティーの恋のサイドストーリーが絡んできたり、あるいは、盗みをまじめに考えると言うよりは、それ自体がサイドストーリーと化したり、はたまたブルース・ウィリスがカメオ出演していたりして、まぁ、盛りだくさん。興行的にも成功したし、楽しい作品ではあるのですが、何となく釈然としない感じもしました。それが、今回、アル・パチーノと言う強敵を得て、見事に騙しに賭けるダニー・オーシャンとその仲間、と言う作品になり、原点回帰を果たしました。
今回は、第一作、第二作に出たジュリア・ロバーツは出ません。また、第二作で目出度く12人目?となった、キャサリン・ゼタ=ジョーンズも出ません。って言うか、女性はエレン・バーキン以外にはいないですね。そう言う意味では、ある種の男の映画とも言えるかも知れません。
撮影はラスベガスでも行われましたが、カジノバンクはワーナーのスタジオに作られたセット。二階建てのカジノというのは実際には無いらしいのですが、無いものだからこそ作ってみたいということで、カジノバンクのカジノは二階建てになっています。また、カジノバンクの建設シーンは、ベネチアンの建設現場を借りて撮影したらしい。また、ベネディクトのオフィスは、ベラージオのオフィス区画の部屋だそうです。現実とセットが上手く組み合わさって、カジノバンクになっています。
これまで『次の作品の舞台は日本』と言う都市伝説もありましたが、その可能性は、今回の作品での記者会見で、ジョージ・クルーニーによってきっぱりと否定されました。まぁ、これだけの主役級の役者をそろえるのは困難を極めますからねぇ。仕方ないのかな。最後の作品だったので、原点に戻ったのかもしれませんね。