劇場公開日 2007年6月16日

「少々消化不良の感あり。」ゾディアック 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5少々消化不良の感あり。

2007年6月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

1960年代末期から、1970年代初にアメリカ・カリフォルニア州で起きた、未解決連続殺人事件を元に、事件に関係した男たちの人生を描いた映画。サンフランシスコ市警察による捜査は公式に終了しているが、その他のナパ警察・ヴァレーホ警察等による捜査はまだ続いています。このゾディアックは、映画『ダーティハリー』の連続殺人犯スコルピオのモデルにもなっています。

非常に解釈に困る映画ですね。映画の前半と後半で、雰囲気がかなり違った印象を受けました。前半は、連続して殺人が発生し、それの告白文が新聞社に送られてきたために、物語がどんどん動いている印象を受けましたが、後半に入り、犯行がなくなってくると、物語がほとんど動かなくなってしまいます。そのため、一気に何年も時間が飛んだりしています。また、結局犯人はわからないままなので、そう言う点でもちょっと消化不良を起こします。もっとも、映画の最後のあたりになると、ほとんど最近のことになってしまうようなので、そう言う意味では、時間が最近に近づくにつれて映画として描きにくくなってしまったのかもしれません。

劇中では15年以上の時間が経過しているにもかかわらず、ロバート・グレイスミス(ジェイク・ギレンホール)の容貌にほとんど変化がありません。そう言う点が、ちょっと頂けませんねぇ。そう言うところも、この映画の印象がイマイチぱっとしない原因かもしれません。

ジェイク・ギレンホールの事件への入れ込み振りが中々良いです。もっとも、警察による捜査が壁にぶち当たってから彼の彼の活躍は始まるので、時系列的には、遅れてやってきたヒーローと言った感は避けられない雰囲気ですが。

実際にSF近郊のベイエリアで撮影されています。既に30年近い時を経ていて、街は変貌していますが、1960年代~70年代のサンフランシスコは十分に再現できていたとおもいます。

勝手な評論家