300 スリーハンドレッドのレビュー・感想・評価
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スパルタと聞くと、戸塚ヨットスクールを思い出すのは・・・
故石原慎太郎氏が支援者の会会長を務めていた戸塚ヨットスクール。体罰や虐待によって生徒を死に至らしめた事件は20年の時を経ても未だに鮮明な記憶として残っている。軍人を育て上げるわけでもなく、ヨットの訓練を通して「健全な精神と肉体を作ること」を目的としていたという、考えると戸塚宏の頭の構造が異常だとしか思えない。その戸塚ヨットスクールといえばスパルタ教育。映画に登場するギリシアのスパルタはスパルタ教育の語源である。
映像も原作者であるフランク・ミラー独特のアニメにも似た色彩感覚。CGやスローモーションを多用した迫力ある戦闘シーンなど、注目すべきところは多い。腕やら足やら首やらが遠慮なく斬られ飛んでいったしまうし、全体的に血飛沫が凄いのです。観客は完全にスパルタ重装歩兵の目線になっているし、どうせ相手は侵略者だからと、ハラハラしながらも感情移入しながら観ていられる安心設計。存分に古代ギリシアの歴史体験をできるようになっていました。
100万の軍勢とも言われるペルシア軍を向かえ討つべく、道幅の狭いホット・ゲートで陣を構えるレオニダス王(ジェラルド・バトラー)率いるスパルタ軍。最初は先陣部隊を蹴散らし、死体の山を築きあげ、やがて恐怖の不死部隊と戦うことになる・・・とにかく次から次へと無尽蔵に兵士を補充してくるうえに、人間じゃないものまで襲い掛かってくるのです。サイやら巨大象やら巨人まで。『LOTR』でファラミア役だったデヴィッド・ウェンハムもいるんだから、矢でも鉄砲でもオークでもドラゴンでも出しやがれ!てな気持ちにもさせられます。
いくら史実だからとはいえ、戦争とは悲惨なものです。「自由と民主主義を守るため」などという言葉も聞かれますが、スパルタなんて軍国主義そのものの国(ポリス)だし、元々は征服民族のドーリア人。一生国家に尽くす選ばれた軍人といっても、労働をしない『猿の惑星』におけるゴリラみたいなものなのです。「美しく死ぬことが本望」だなんて言葉が出てくるのは自爆テロや特攻精神と一緒。玉砕しても、国に残された兵士たちの家族や国民がペルシア軍に何をされるか心配じゃないんでしょうか?と、映画では感じてしまいます・・・実際には、戦った場所のテルモピュライとスパルタは遠く離れていて、途中にはアテネもあるのですが、映画を観る限りではそこまでわかりません。
歴史スペクタクル映画は好きなので、ある程度は楽しめました。間道を敵に教える醜い男の存在もよかった。しかし、せっかく長老会や王妃を騙すセロンも賄賂をもらっていたという裏を描くのなら、もっとわかりやすくしてほしかったです。それに石原氏が好きそうな題材ばかりを詰め込んであることも気になってしょうがない・・・(当時、石原氏嫌いであったため、失礼)
【2007年6月映画館にて】
男達を魅せる演出が素晴らしく、とにかく格好良い。
ジェラルド・バトラー演じる、スパルタ王レオニダスの男の魅力を最大限に引き出し、300もの筋肉達が狂宴乱舞する様につい見惚れてしまう。
ストーリーはド直球の肉弾戦、剣と盾、そして槍。敵国のクセルクセス王との駆け引きも面白く、紀元前の古代ギリシア時代にもあった武士道精神と、勝ち目の無い戦いについ肩入れしてしまう日本人には堪らない設定。
何よりも素晴らしいのがカメラワークとCG、そして要所要所に挟まれるスローモーション。絶妙な距離感での定点カメラから敵を薙ぎ倒していくシーンは、興奮と臨場感を1つ上のステージへ上げてくれる。血飛沫もかなり出るのだが、芸術的な飛び散り方は寧ろ綺麗だと感じてしまう程。この辺の上手い見せ方は流石ザック・スナイダー監督。
300 vs 100万という戦いの結末は見えている筈だが、『もしかしたら…』を''期待''して観入ってしまう。その鑑賞者の''期待''は、300人のスパルタ人兵士達と同じく、レオニダスのカリスマ性に魅せられたからだと思う。頭を空っぽにして、筋肉と男臭さを楽しむ作品。オススメ。
ザクザク グサグサ スパスパ
筋肉祭り
現代の人々の考えからすれば死を美徳とする生き方は
受け入れがたいものがあるとは思うが、このような時代の
考え方は確かにあったのだと思う。
実際ペルシャ軍は敵国に対し兵士は殺し女子供は奴隷と
いう状況で戦う以外に結局は道がなかったのではないかと
思えば王を中心とした300の兵士たちに共感こそできなくても
避けられない戦いだったのかと思った。
しかしこう言う時代の男たちの死に対する美徳は
時に国や家族に対する思いより大きくなったりして
死に対する自分に酔いしれている感がありその辺りは
まあ、気持ち悪い感じもある。
人によっては惨めでも、家族の為に生きるべきであると
考える人も多いのではないかな。
映像的にはかなりコミックアートを意識した作りになっており
どのシーンを切り取ってもひとつのアートとして完成しているもので
映像美に対しては並々ならぬこだわりを持っていた。
スローを多用しすぎるのがちょっとウザかったが
登場する男たちの彫刻の様な体型は美しかったな〜。
これがオールタイムベストなのか・・・
数万のペルシア王国軍の侵略に対抗するスパルタ軍300人の闘いを描く物語。
歴史書を参考に作られた戦記物です。「レッドクリフ」のような迫力ある戦闘シーンと歴史背景を知る目的で鑑賞。何れも期待外れでした。
映画は、勇敢なスパルタの人々と、その先陣に立ちカリスマ性を発揮するスパルタ王の格好良さを描きます。
そう「格好良さ」です。裏切りや策謀等のサイドストーリーもありますが、基本的には戦士たちの「格好良い」だけを映した映画です。
だから映画自体に刺さるものはありません。
期待していた戦闘シーンも全てCG合成。広大な海も、険しい崖も、スタジオの中。数万のペルシア軍もCGまるわかりでは迫力にも緊迫感に欠けてしまいます。まるで箱庭の中で闘っているかのようで。
また、誇張して描かれているスパルタ王に、私が魅力を感じないことも致命的。ペルシアの使者を惨殺し、応援に駆け付けた援軍を愚弄し、参陣を希望した愚者を追い返し・・・ゴメン。人間的に無理です。
戦記物の映画というよりは、ゲームの世界を見せられているようで、評価は極めて辛口です。
パワー全開
【”決して逃げるな!降参するな!”スパルタ人としての誇りを忘れずにペルシャの大軍と闘ったレオニダス王達の姿に引き込まれる作品。】
ー 当時の資料によると、今作はペルシャ戦争の中のテルモピレーの戦いを描いているとの事だが、序盤から史実を忘れて、レオニダス王を演じたジェラルト・バトラーを始めとしたスパルタ軍の戦士の盛り上がる胸筋、見事に割れた腹筋と、重そうな鉄兜(格好良い)、盾、飛び交う鉾、そして肉弾戦の”圧”の凄さに魅入られた作品。ー
・映画館で観た際には、どこまでが本当で、どこからVFXなのか分かりやすかったのではあるが、スパルタ王レオニダスと、ペルシャ王クセルクセス(ロドリゴ・サントロ:鼻輪を始め、顔中の装飾品にために、誰だか良く分からず・・)が率いる大軍との、濃い肉弾戦が大スクリーンで展開されるので、引き込まれたなあ・・。
・ストーリーは、いたってシンプルで、大軍を率いるペルシャ王クセルクセスに対し、評議会からは反対されつつも、スパルタ人としての誇りを忘れてはいけない!と僅か300人で戦闘にするレオニダス王達の姿を、暑苦しい程の濃さで描いている。
・勿論、レオニダス王の妻ゴルゴ(レナ・ヘディ:美しき也。今作後、「高慢と偏見とゾンビ」で妖艶さを見せてくれた。)と王との愛撫のシーンや、ゴルゴに取り入り、王の座をねらうセロンのような悪役もキッチリと仕事をしている。
・ペルシャ王クセルクセスの秘密兵器、イモータルズ(死の軍団)などの銀甲冑の意匠は、その後の映画にも影響を与えているのではないかなあ・・。
<今作は、武闘派ジェラルト・バトラーの魅力全開作であるが、その後の「エンド・オブ・シリーズ」を始めとした数々の武闘派映画で、常に高レベルの面白き作品に出演しつづけているのは、きっと幼き頃から、スパルタ教育で育てられたからであろう・・。
ちなみに、若きマイケル・ファスペンダーも、美味しい役どころで出演しているが、劇場では分からなかったなあ・・。>
<2007年 劇場にて鑑賞 鑑賞記録なし>
<2021年3月10日 別媒体にて再鑑賞>
筋肉スペクタクル
とにかく映像が最高!
賛否両論なんだろうなぁ
合わなかったです・・
映像の美しさ、肉弾戦の迫力は確かにあったけど、その魅力だけでは2時間はもたなかったなー。そんな印象でした。
戦闘シーンは、通り道が狭くなった谷で、ギッチリ守りながら戦うスタイルが続く。敵の種類が変わっても、同じスタイルで戦い続けるので、戦略のバリエーションがなく、飽きてくる。。ペルシャ軍が背後を取ったあとも戦略は変わらず。それが彼らの美学なんだろうけど、ストーリーにすると盛り上がりに欠けるな。
失礼な話だけど、途中から、大量のムキムキマッチョが、パンツと靴とマントだけ身につけて戦ってるのがなんかおかしくなってきてしまった 笑 合わないだろうな、この作品は。
映像が素晴らしいですね。
筋肉! 筋肉! 筋肉!
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