「一匹もでてこない虫の映画」BUG バグ 津次郎さんの映画レビュー(感想・評価)
一匹もでてこない虫の映画
ウィリアムフリードキン監督は偉大だった。
いまでもあの印象的な街灯に照らされる神父の黒影のポスターをみるとまた見ようかなという気になる。
ほとんど50年経たいまでさえエクソシストネタはホラー映画の主潮流である。
偉大な映画監督は興味の矛先が常人のなんばいも早い。を感じる。
ラング監督のメトロポリスにしてもキューブリック監督の旅にしても黒澤監督の生きものの記録にしても、ぜんぜん早い。
ただフレンチコネクションとエクソシスト以外のフリードキン監督作評は、それほどかんばしくない。
個人的にもそれいがいを見てなかったり、憶えていない。
これもはじめて見た。
みはじめてスキャナーダークリー(2006)を思い浮かべた。
みょうなことだが、同年の映画だった。
かなりすさまじい映画で、びっくりした。
陰謀論に染まっているひとを描いている。
今でこそ、あるネタだが、先取り感はある。
こわもてマイケルシャノンはいまやもてスターになったけれど、狂気の行方とかテイクシェルターとかこれとか、強迫観念のひとで売ってきたんだなあ、を感じた。人格異常を演じさせると、しっかりうまい。
監督の年譜をながめたらKiller Joe(2011)から撮っていない。Killer Joeは、えげつないがけっこう笑えた。フリードキン監督の恐怖の報酬みたいなやつがまたみたいなあと思う。あれはクルーゾーとモンタンの元ネタより印象に残っている。
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