大学は出たけれど(1929)のレビュー・感想・評価
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サンデー毎日
初めてのサイレント映画の鑑賞。とはいっても本作は現存するフイルムが11分のみとのこと。
1929年ということは、世界恐慌の始まる前後だろうか。ハロルド・ロイドの映画のポルターに、キャメルの煙草、英語がそこかしこに溢れているのが面白い。
主人公は地方の名家の出なのだろう。大学を出てスリーピースを着込み、腕時計も持っている。母と一緒に田舎から許嫁らしき女性も上京してくる。プライドが邪魔して就職が決まらない男にかわり、女給としてカフェで働く許嫁。我が身を省みて改心する男。今のドラマなら絶対にここで話を腐らせてしまうが、この時代は話が早く清々しい。
残り60分でどんな展開があったかは分からないが、晴天のもと駆けていく田中絹代の姿は、とても朗らかで軽やかで良い終わり方だった。
話が進むにつれ、高田稔と田中絹代の表情がどんどん良くなっていく。サイレントであることを忘れてしまいそうになる。全編をとても見たくなった。
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『職業に貴賎なし』何だが、経世済民として考えた場合は?
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11分で終わったが?
以前、見た事はあったが。UNXTは
11分で終わった。
受付と水商売は資本主義における
『職業に貴賤無し』であるし、拳法医になるが、経済を良好なシステムとして見た場合、ブリシットジョブと言った所なのだと思う。つまり、大学を出た者が受付やったり水商売をやる事が問題なのではなく、経世済民で社会を考えた場合は、水商売も受付も必要と言えないかもしれない。そこまで、小津安二郎監督は予見していると感じた。ブリシットジョブは現代資本主義の最先端に位置する考え方に見受けられる。それが100年近く前の治安維持法が施行されて直ぐの時代。
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