劇場公開日 1972年2月11日

「【44マグナム弾が炸裂する、クリント・イーストウッドが米国映画界に鮮やかに降誕した作品。米国憲法修正第4条に激しい怒りを叩きつけた作品でもある。】」ダーティハリー NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【44マグナム弾が炸裂する、クリント・イーストウッドが米国映画界に鮮やかに降誕した作品。米国憲法修正第4条に激しい怒りを叩きつけた作品でもある。】

2022年3月11日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波、VOD

悲しい

興奮

難しい

ー 私事で恐縮であるが、今作は映画好きの両親からTVで観る事を許されなかった作品である。
  だが、そう言われれると観たくなるのが人の性であり、中坊時にTVで見た際には犯人のスコーピオンがスクールバスに乗っていた幼子たちを人質にし、”漕げ漕げ漕げよ!”という童謡を強要するシーンは、未だにトラウマに近い感化で、覚えている。-

◆感想

 ・ハリー・キャラハン刑事を演じたクリント・イーストウッドの、時に法律スレスレの行為で犯人を追い詰める姿が、それまでの米国アクション・ムービーの枠を超えた作品である。
 - 今作が、その後の刑事ものの米国映画に与えた影響は計り知れないと思う。-

 ・犯人役の知的で、残虐で、法を盾にするスコルピオンを演じたアンディ・ソビンソンの怪演も忘れがたい。
 - アンディ・ソビンソンは今作のイメージが強すぎて、その後、作品に恵まれなかった。
  それだけ、今作での彼の演技のインパクトは大きかったし、今作の価値を高めていると思う。-

<今作は、それまでアメリカ映画が踏み込んでいなかった領域に踏み込んだ、画期的な映画である。
 決して爽快な映画ではないが、当時の(現代でも)アメリカで起こっている悲惨な事件に対し、”悪には悪を持って制する”というスタンスを綺麗ごと無しに描いた作品である。
 結果論かもしれないが、「グラン・トリノ」を代表とする、今作後のクリント・イーストウッドの映画製作姿勢の礎になっている作品であると、私は思う。>

NOBU