劇場公開日 1988年10月1日

旅立ちの時のレビュー・感想・評価

全27件中、1~20件目を表示

5.0親の犠牲となる子が選択するだけでなく「させてもらえる」将来に託された奥深い親の愛

2025年3月30日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

 この作品を一言で表現するとまさに「優愁」だろう。

 作品を貫くシドニー・ルメットの眼差しは優しさに溢れている。

 ルメットの膨大な傑作群(「十二人の怒れる男」「セルピコ」「狼たちの午後」「ネットワーク」「プリンス・オブ・シティ」「評決」「DANIEL」「その土曜日、7時58分」など)に感じられる徹底したリアリズムや完全に無駄を削ぎ落とした描写とは、やや異質なようでいて、その本質は心情描写において肩を並べるほど遜色がない。

 ルメットは終始キャラクターを優しく捉える。見つめる。愛する。特に、主人公とも呼べるリヴァー・フェニックスが担うダニーに対して最も深奥に迫る。この家族の長男役にはフェニックス以外にはいないと覚えるほどの説得力がある。

 ここに本作の主題が垣間見える。主題とは作品中にセリフとしても現れる「親の犠牲となる子の生きざま」である。ルメットは優しく「子」に選択を迫る。そして物語の最後に「子」は選択『させてもらえる』。どうして『させてもらえる』のか。それは「子」が」下す選択には「親」の愛が添えられるからだ。

 フェニックスは全編を通して、家族のため、親のために自身を犠牲とする。そこには「憂愁」や「悲哀」それに「優雅」が漂うが、それらを凌駕するのが「美麗」だ。それはフェニックスの内面から発揮されて外見に発露される。フェニックスの感受性は群を抜いており、その繊細さは観る者の心を揺さぶる。まさに「切ない」。

 ルメットの視点とフェニックスの感性を最大限に活かす脚本とその世界を柔和な光で満たす撮影それにそっと添えられる情緒豊かな音楽も特筆すべきだと感じる。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
シネマ大好き

3.0ダニーの言動が主体性に欠けているように感じた

2025年3月15日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 反体制派の両親に振り回され続け、自分の意思よりも両親の意思を優先させ続ける人生を送ってきた青年ダニー。そんな彼が、転校先で恋人と進学先という、自分の意思で選択したい物事が登場する。自分の道は自分で決めるという、大人になっていくダニーの自己の確立が、今作のテーマなのだろう。

 だが、その割にはダニーの言動は主体性に欠け中途半端な印象を受けた。音楽を学ぶ進学先についても、ただ先生が才能あると勧めるから選んだ感じだ。なぜ音楽を学ぶのか、なぜこの進学先なのか、彼自身の熱意や明確な意思を感じない。

 愛する恋人よりも自分の人生を振り回し続ける両親と過ごすのを選んだ点にしても、同様に主体性に欠けているように感じる。現実問題として自立するにしても生活資金が必要で、それで両親に従うことを選択したとも思える。だが彼は「家族の絆はそれだけ固いから」と家族の関係性を両親に従う理由として上げていた。そのため生活資金については問題では無く、単に意思が弱いように映る。結局最後には両親と離れることになったが、それも彼自身による決断ではない。

 恋愛パートとか特殊な家族の関係性について悩む点とか、部分的には良いところもあるのに、全体的には中途半端な映画だった。シドニー・ルメット監督の『十二人の怒れる男』は良いのに、今作と『狼たちの午後』はいまいちだな。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
根岸 圭一

4.0リバー・フェニックスだ!

2025年3月3日
iPhoneアプリから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
ジョニーデブ

3.0負債からの解放?

2023年10月21日
PCから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
ohxr

4.0もし・・・だったら・・・

2023年10月21日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

今まで一体どんな作品でどんな役を演じていただろう、今の映画界でどんな立ち位置で活躍してただろう・・・・
故Rフェニックスの美しくも影のある表情一つ一つを見るにつけいろいろなことに思いをはせてしまう。この作品は社会派の巨匠Sルメット監督の代表作の一つ。やるせない親子の在り方。そのやりとりにRフェニックスの生い立ちが垣間見れるような気がして切ない。原題のRunning on Emptyも彼の心を反映していたかのように思えてしまう。私生活で最期に至るまでの詳しい経緯は知らないし、また直接の原因が麻薬ということなので過度に美化してもいけないのでしょうが、それにしてもこの人のオーラが今いるどの俳優をも寄せ付けないほどの魅力を放っていて、その無限大の可能性が惜しまれます。
遠い昔に亡くなってしまった人を今更嘆いても仕方がないことはわかってるけど、少し感傷的な思いにふけってしまった秋の夜長でした。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
おまつ

4.5フリーダム

2023年10月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

いい映画でした。
主人公のダニー、なんていい子なんだ。あんな不遇な生活を強いられながらも親想い。
自由になったその後のダニーも観てみたいと思いました。
リバー・フェニックス の好演が光る。若くして亡くなられたのが残念ですね。

コメントする (0件)
共感した! 5件)
光陽

3.5リバー三部作の一つ

2023年9月19日
iPhoneアプリから投稿

リバー・フェニックスの作品を3本上げるとしたら
必ず上がる作品
(※あとの2本、個人的にはスタンドバイミーとジミー)

なのにヒロインがブス!
アメリカって広いよね?
人材も数多いるよね?
なのに何でこの子???
これなら同じ枠組みで
ほぼ同世代の
トリ・スペリングで良かったと思いました
しかもこの子は後世で特に活躍もしてないし
リバーの演じた傑作台無しです
そこだけで-1.5点です

コメントする (0件)
共感した! 0件)
おっちょ

5.0終わり方が良い

2023年9月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD

興奮

知的

BSで視聴して最高に気に入ったのでDVDを探してゲットした。

古い映画。
ストーリーが良い。
会話が面白い。

何よりも、このような終わり方が良い。

コメントする (0件)
共感した! 7件)
どん・Giovanni

4.0ラスト30分必見の必見

2023年9月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 3件)
共感した! 6件)
りか

5.0感情が盛り上がるシネマでした!

2023年9月1日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

 容姿端麗、演技も上手、非の打ち所がない彼、リヴァー・フェニックスが、なぜ薬物に溺れたのか。凡人の私には理解できないが、悩みは深かったのだと思うしかない。生きていれば、本当にいい映画を見ることが増えていたと思うと残念でならない。「旅立ちの時」はラストシーンを頂点に随所に感動と考えを深めることのできる名作だと思う。
 彼女、マーサ・プリンプトンの部屋には、彼女の性格を表わすかのように、いろんなポスターが貼ってある。チャップリン、ボブマーリー、そしてジェームスディーンのポスターには、夭折した二人の名優の死が暗示されていて驚く。いい映画に出会えました。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
かばさん

3.5「Running on empty」「旅たちの時」 リヴァー・フェ...

2023年8月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

「Running on empty」「旅たちの時」
リヴァー・フェニックス、存命だったら53歳かぁ・・。
どんな俳優になって、どんな作品で演じていたのだろう・・。
あの「スタンド・バイ・ミー」での クリスは忘れられない。
劇中の名言「I never had any friends later on like the ones I had when I was twelve」
だけど、twenty、thirty、fifty でも I never had any friends later on like the ones はあるとは思う♪

で この映画、このオヤジ、ただのモラハラ、DV じゃねーの??なんて思ったり・・。
もしかして、ダニーは実の子じゃなかったんじゃね?とか・・

才能、可能性を見出してくれる人との出会いは大事だよなぁ・・それが人生の全てじゃなかろか?
才能だけではなく、その人の隠れている本質というか・・長所というか・・そういうものを共有できる出会いが、人と幸せにするのだろうなぁ・・♪

コメントする (0件)
共感した! 0件)
J417

5.0親子の愛が素敵でした。

2023年8月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

家族と一緒にいたいとの思いで、親も子も悩み結果を出しきれない切なさ。
お嬢様だった母親が貧乏な生活の中に、幸せの時を見いだし楽しく暮らすのは、天晴れでした。
2人の息子も賢く優しく成長していて、育児をさせてもらった時間を振り返って、彼らは素晴らしい。
はやく独立をと意識し過ぎたと反省しました。
親子の時間は期限があり、かけ甲斐の無いこと再認識しました。
本当に良い映画でした。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
jiemom

4.0RUNNING ON EMPTY

2023年8月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 5件)
akkie246

4.5ダニー

2023年2月21日
iPhoneアプリから投稿

泣ける

幸せ

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 2件)
ゆい

2.5ボブ・マリーもブラームスも同じ芸術だと思う。

2023年1月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

『才能』の対岸に『反戦活動』があると言うのか?
この親達の活動は『テロ活動』であり、『反戦運動』とは言えない。同じ流れを組むテロリストが銀行強盗する訳だから『反社会的な集団』と判断する。
それは兎も角、弟の運命はどうなるのか?それが気になった。だから『社会活動なんかにのめりこまずに、自分の人生を大事にしてね』とこの映画は言っている様に聞こえる。
ボブ・マリーもブラームスも同じ芸術だと思う。
この映画はあり得ない話で、親子の別れをデフォルメして描いていると判断した。だから、共感できる部分もある。
アメリカは『ベトナム反戦、原発反対運動、性的マイノリティー、人種差別、アナーキスト、組合活動』を『反共』と一つの価値観で括ってきた歴史がある。そして、実質『共和党と民主党』のみ。つまり、ニ党の政策で紡いで来た国である。果たして、それが自由と民主主義の国と胸を張って言えるのか?と僕は感じる。勿論、暴力的な行動は駄目だし、コミュニズムが達成出来ない事は歴史が証明してくれた。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
マサシ

5.0リヴァーフェニックス推し!ですが、話も好きかな。

2022年11月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

映画に行く資金が無い高校生のときに友人たちと、映画公開後すぐにビデオレンタルして見ました。リヴァーフェニックスがかっこいい!、ストーリーも当時の自分の年齢設定があっているせいか、胸に響きました!。

社会人になってからも一度見たかな、久しぶりにまた見たくなった。
子供が大きくなったら、一緒に見たい映画です。

リヴァーフェニックスと尾崎豊は、生きていれば50代なんだけども。
50代になった姿が全く想像できないんだよな。
亡くなったから当然なんだけども。
死んだ人は年を取らないと、なんかの小説に書いてあったな。

なんていうか、生き急ぐタイプなんだよな~。
わたしから見るとタイプが似ている2人です。

年は取りたくないな~、って思うようになったな自分。
人生折り返し超えたしね。

年上だった尾崎とリバーの年を越えて、自分も人生折り返しか、複雑な気持ち。
結婚出来て、子供もできたのにはびっくりだね。

リバーと尾崎が生きることができなかった年齢、これから自分はどう生きようかな?。
大人になっても、さして10代の頃と悩みというか、考えることって変わらないな~と近頃思う。
世の中と、悩みと、考えるテーマがいつも同じだから、日常にただ慣れただけ。

つまらない大人になったな~と、しみじみ思う。
ある意味、一般的な大人なんだけど。

これからの若い世代の人や、自分の子供にはもっと世界に羽ばたいてもらいたいかな、生き急いでは欲しくないけど。

「自分の人生を生きろ(自分の道を行け?)」、そんなセリフを、リバーが親から言われたかと。
あれが好きだったな。
あの言葉に尽きるよね。

「どう生きるか?」、このことを、よく自分の子供にも話しているけど。

どんな大人になりたいか?
どんな仕事をしたいか?

親と同じ人生を生きる必要ないと思うし、若さは可能性の塊だと思う。
大人は時間(若さ)と引き換えに経験を得るから。
若いうちの経験は必須。

時間×経験=現在の自分

そういった意味では、若い人に見てほしいかな~、この映画。
最近、こおゆう映画あんまり無いんだよね。

いい映画なので、悩める若い世代の人に、ぜひ。

コメントする 2件)
共感した! 4件)
ころん

4.0政治信条と子供の将来との家族の葛藤に涙が…

2022年11月7日
スマートフォンから投稿

これまで多くのシドニー・ルメット監督作品
を鑑賞してきたが、
彼の描く世界の多くは、
「セルピコ」などに代表される
“社会正義と組織の腐敗”のイメージだった。
しかし、この作品は
珍しく“社会正義と家族の絆”にスポットを
当てた作品と言えるのかもしれない。

ところで、1988年のロードショー時に
購入したパンフレット作品タイトルは、
「旅立ちの時」ではなく
「リバー・フェニックス 旅立ちの時」との
表記。
映画冒頭のタイトルバックでは
メインキャストの母親役の
次の表示なのだが。
僅か23歳で早世した彼が
いかに期待の若手俳優だったかが
想像出来る。
その後、弟のホアキン・フェニックスが
「ジョーカー」でアカデミー主演男優賞を受賞
したことからも、
美しさを絵に描いたような兄リバーが
どんな俳優に成長していたかにも
思いが至るし、
ジェームス・デーンを彷彿させるような
悲劇の俳優の一人にも思える。

だから、私も短い期間に彼の出演作品
「スタンド・バイ・ミー」
「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」
「マイ・プライベート・アイダホ」
を劇場鑑賞出来ていたのは
幸運だったのかも知れない。

過激な反戦活動の結果、犯罪者となり、
子供達へも逃亡生活を強いる両親が、
最後は子供の将来人生を優先するまでの
家族全員の心の変遷を丁寧に描いた秀作。
携帯電話も無い情報環境の低い時代の話では
あるものの、
子供を転校させながらの逃亡生活に
リアリティがあるのかは分からないが、
私は、政治信条と子供の将来との家族の葛藤
に涙が禁じ得ず、
特に母親の子供への想いと共に、
父親の信念を捨てることのない中での
決断にも感動を覚えた。

キネマ旬報では、第53位の評価ながら、
私には心に残るルメット監督の作品の一つ。

因みに私のルメット監督ベストワン作品は、
「プリンス・オブ・シティ」です。

コメントする 3件)
共感した! 11件)
KENZO一級建築士事務所

3.5親の秘密

2022年11月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

リヴァーフェニックス扮する高校生ダニーマンフィールドは、野球は命だと言った。しかし、ダニーの親には秘密があった。
息子が親の秘密のため音楽の才能がありながら大学をあきらめるとか恋に支障があるなんて事はかわいそうだね。それを聞かされた彼女もかなわんだろうな。親を捨てるか、彼女を取るか。しかし彼女の親もかなわんだろうな。子供を犠牲にする覚悟の無い親の話なんてね。子供が親を支え様として、つらさはよく分かるな。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
重

5.0何と切ない親子関係だろう、青春の立ち位置が 運命で翻弄される 兎に...

2022年10月31日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

何と切ない親子関係だろう、青春の立ち位置が
運命で翻弄される 兎に角早逝したリバーの輝きと影が
実人生とクロスする名作

コメントする (0件)
共感した! 3件)
こうちゃん

4.5抜群のバランス感覚

2021年11月25日
iPhoneアプリから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 5件)
因果
PR U-NEXTで本編を観る