劇場公開日 2000年2月26日

発狂する唇 : 映画評論・批評

2000年2月29日更新

2000年2月26日よりテアトル新宿ほかにてロードショー

出演者も観客も発狂する何でもアリ映画

今、日本で当たる映画はホラーだけ、と言いたくなるほど、映画界はホラー映画に浮かれている。その中心人物が「リング」の脚本家高橋洋だ。おそらく今現在、日本でもっとも力のある映画人だろう。今ならどんな企画でも通 せる。それにしたって、だね……

三輪ひとみ演じるヒロインの兄は女子中学生連続首なし殺人事件の犯人として警察に追われている。家には連日レポーターや野次馬が詰めかけ、家族は崩壊寸前だ。思いあまった主人公は怪しげな心霊探偵の元を訪れるのだが……

ホラー仕立てで始まった物語は、心霊探偵とその助手(下元史朗怪演)が出てくるあたりから変調をきたす。下元が大暴れしてピンク映画調になったと思いきや金髪の(カツラをかぶった)CIA局員が登場し、とそこで思い出したようにヒロインが超能力を発揮して、それに加えて歌が踊りがカンフーが炸裂してこりゃいったい?? 一寸先も予測できず、次に何が飛び出すのかとひたすら呆れて見守るばかりである。たとえて言えばインド映画のように、あらゆるものが詰めこまれ濃縮されている。正気にかえる暇もない、とはこのことだ。

(柳下毅一郎)

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