「公開に至る背景を抜きにしても感動的な1本」ホテル・ルワンダ ダース平太さんの映画レビュー(感想・評価)
公開に至る背景を抜きにしても感動的な1本
2004年のアカデミー賞やゴールデングローブで、各賞にノミネートされながらも、その高評価が裏目に出たために販売価格が高騰し、日本公開が危ぶまれていた本作は、その後、心ある一映画ファンの公開を求める働きかけをきっかけに、公開実現に至った作品だ。
もちろん、公開に至るまでの経緯も十分感動的なのだが、娯楽映画としても希有なクオリティに達している1本だということを力説したい。日本人には馴染みの薄い、遠いアフリカの地で起きた民族大虐殺が題材ということで「小難しそう」と、腰が引ける観客もいるかと思うが、1人の平凡なホテルマンが、極限状況に置かれながらも人間としての理性を保とうと努力し、何の罪のない人々を助けようとあの手この手を駆使し奮闘する姿は本当に感動的だ。
さらに付け加えるならば、主演のドン・チードルがとにかく素晴らしい。最初はただの臆病者だった男が、神々しくさえ見えていく過程を見事に演じきった彼に拍手を送りたい。
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