理想の結婚のレビュー・感想・評価
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【理想の結婚とはどのようなものだろう、とクスクス笑いながら考えるロマンティックラヴ・コメディ。妻を持つ男にとっては、ちょっと怖いシーンも結構あるんだけどね。嘘も方便とも言うしね!】
■原作はオスカー・ワイルドの戯曲「理想の夫」であるので、粗筋は割愛。というか粗筋を書くと結構大変なんだよね、この作品。
色々と男女の思惑が絡み合って、面倒な物語なのである。
◆感想
・この作品は、ヤッパリ稀代のチャーミングな悪女、チ―ヴリー夫人を演じたジュリアン・ムーアと、彼女の企みにより愛する夫ロバートとの仲が壊れてしまいそうになる、聡明なガートルート夫人を演じるケイト・ブランシェットとの共演であろう。
・そして、チ―ヴリー夫人と過去婚約までしていた優柔不断男アーサー・ゴーリングを演じるルパート・エヴェレットの魅力も、申し分ないのである。
コリン・ファースと共演した「アナザー・カントリー」の”一生女は愛しさない。”ならぬ、女は愛するが、結婚はしたくないプレイボーイを、コミカルに演じているのである。
<ヤッパリ、理想の結婚相手って、尊敬できる人で、聡明で機転が利く人で、相手の過去の若気の至りの嘘や失敗も許せるほど愛している人じゃないかなあ、と思った作品である。
今作は、ちょっと、展開がうますぎる感はあるのだが、原作がオスカー・ワイルドの喜劇の戯曲「理想の夫」だから、今作は今や大女優であるジュリアン・ムーアと、ケイト・ブランシェットとの共演を愉しむのが良いのではないかなあ、と思った作品ですね。>
俳優陣の好演が輝く、素敵なロマンティック・コメディだ。
オスカー・ワイルドの戯曲『理想の夫』を映画化。いくつか削除や変更が見られるが、原作を尊重して、楽しく軽妙に翻案している。キャスト陣の好演が、この明るく雄弁な会話劇に、大きな魅力を与えている。
心優しく賢明な妻を演じ、実に魅力的なケイト・ブランシェット。一見プレイボーイ、でも誠実な男性を好演したルパート・エヴェレット。根っからの悪人では無い貴婦人を、自然な演技で見せたジュリアン・ムーア。
過去の醜聞に悩むが根は実直なジェレミー・ノーサムや、とにかくチャーミングな(今でいうツンデレかな?)ミニー・ドライヴァーも、役柄に応じた等身大の好演で、本当に味わい深い。
会話中心の映画だが、俳優たちの素晴らしい演技と、機知に富んだ脚本のおかげで、窮屈さやつまらなさとは全く無縁の、軽やかで愛らしいロマンティック・コメディに仕上がっている。
結婚はこの程度がちょうどいいかも
政治的な野心満々の夫にスキャンダルが迫る。
夫を信じる妻(ケイト・ブランシェット)と愛している男、その男が好きな夫の妹(ミニー・ドライバー)、夫を脅す女(ジュリアン・ムーア)とややこしい人間関係を笑う喜劇。
原作はオスカー・ワイルド、この三人の女優だったらみんなタジタジ。
ジュリアン・ムーア
イギリス 古典的ラブコメ
そんなにあっさりと終わっちゃうの
総合:65点
ストーリー: 60
キャスト: 70
演出: 70
ビジュアル: 75
音楽: 70
上流階級のパーティーでは紳士淑女が集い、随分と白々しい上辺だけの会話が続く。だがその澄ました顔の裏では、たくさんの利益が絡み陰謀が渦巻いている虚飾の世界。
オスカー・ワイルドの戯曲の映画化だそうです。喜劇ということですが、最初はあまり喜劇という雰囲気ではありません。少なくとも日本人が一般に持つような笑える喜劇という雰囲気ではなく、醜聞に脅迫にとむしろどちらかというと深刻に物語は進みます。
そんな途中までは面白かったのだが、一悶着あったその後は、えっ、こんなことでいいの、と驚くほどあっさりと問題が終わり、それからとんとん拍子で物事がうまく回転して雰囲気もがらりと変わっていく。こんなに軽く進むのならば、このあたりは喜劇だろうか。ちょっとその豹変振りに驚く。何か物語があっさりしすぎているように感じた。
上流社会を描いた作品らしく、衣装やセットなどは絢爛豪華。貴族社会の人々の振る舞いや言葉遣いがそれらしいのもいい。だがチーヴリー婦人が夜にアーサーを訪ねて手紙を見せて結婚の話をちらつかせる場面など、台詞回しなども華麗に流暢に進みすぎる。原作が戯曲らしく、いかにも科白をうまくまわして喋っていますというような場面がところどころにあり、どうもそのあたりに映画としては逆に不自然さを感じてしまう。やはり戯曲は戯曲、映画とは違うかな。
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