マグノリアのレビュー・感想・評価
全50件中、21~40件目を表示
名作、だよ?
今や名監督のPTA、ポールトーマスアンダーソン1999年の作品。以前から興味はあったが、「187分ということは、3時間超えるんだ、止めよ」と何度も頓挫していたが、WOWOW「町山智弘の映画塾」で「桐嶋、部活やめるってよ」の評とか、他の批評でも散々出てくる「マグノリア」。これは避けて通れないと(最近そんな不純な動機ばっかり)覚悟して観ました。
微妙に重なり合う登場人物たち。初めはそれぞれの関係を把握するのに時間かかった。話もバラバラにスタートします。それぞれの名前は覚えておくべきですね。それぞれが何かを抱え悩み後悔して生きている。でもそれって意外と大したことないよ、という話。
クイズ王の話は、予想では新しいクイズ王の記録が達成されて、元クイズ王はもっと打ちのめされるのかと思ったけど、全然違いました。
巷の評価は高い。自分には面白かったけどそれほどでも、だってアレ降ってくるんだよ。
こーゆー作品を名作だと思えるようになりたいもんだ。
オープニングが一番面白かった。
天気予報は小まめにチェック
それぞれに抱えた問題や起こる出来事を地味に淡々と描き映画として盛り上がるような"何か"もなく。
いや、唐突に降ってくる!!今まで観たことがない盛り上がるシーンが意味不明に怒涛のように降る!?
長丁場ではあるが群像劇としてテンポ良く切り替わる映像に飽きも来ず、共感できる人物と全てを解りやすくは描かない物語のバランスも良い。
自分の人生を後悔しながら、その犠牲になりながら、そこに携わりながら、そんな三者三様でもある?色々な関わり方をして描かれる人生模様にラストは感動すらしてしまう不思議な雰囲気を醸し出す。
ウザったいお巡りさんと思いきやピュア過ぎる優しさに癒されるJ・C・ライリーの話と、主要人物が続けて歌う場面が個人的にはお気に入り。
あり得る!?いや、あり得ないでしょ!!
すんごい映画観てしまった感。
私達は愛してもいいし、愛されても良いのだ
号泣しました
愛が有るのに、そのはけ口がない
皆均しく愛し愛されたいのにその資格がないと思い込んでいる登場人物達
それは私達の鏡だ
駄目な自分は駄目なりに愛もなく生きて行くしかない、この先ずっと
そう思い込んでいる私達の姿
それが終盤で赦されていくのだ
フランクは子供の自分と癌の母を捨てた父への復讐と非難の為の仕事を派手にするほどであったのに、父の死の前に死なないでくれと泣きわめき懇願する
自らの心の中の愛を知り、父の愛を知ったことで、その愛の気づきが硬く固く凍った氷のような彼の心が、温水のシャワーを浴びたかのように溶けて露になって行く
息子は父を赦し、父は赦されて息子に看取られていくこの見事なシーンこそが、本作のテーマの主旋律だ
このシーンの様に登場人物全てが駄目な自分を赦し、赦されていく
まるで交響曲のように重奏して、終盤には圧倒的な迫力をもって閉じていくのだ
トム・クルーズの演技は前半のセミナーシーンと、そのシーンの対比によって、本当に説得力のある迫真的なものであった
カエルの雨にそんな馬鹿な、非現実的なとあきれてはいけない
そんな事も希にはあると物知り少年が言っているではないか
強いて言えば、エピローグでの警官ジムの独白は神の言葉と受け取れば良いのだ
助けを必用とする者、許しを必要としている者
その判断が微妙だ、だが許しは可能だ
許すかどうか、そのさじ加減が難しい
だからそれは神の御心の寓意と捉えてしまえば良いのだ
最後の最後のシーンでクラウディアが初めて笑う
愛されたい、しかし愛される資格がないと思い込んでいた彼女が許された瞬間だ
そして主題歌に繋がっていく
この時、本作を観てきた私達もまた許されたのだ
愛してもいいし、愛されても良いのだ
最後にマグノリアはロサンゼルスのハリウッドとポルノ産業が集まるサンフェルナンドバレーとを分ける辺りに東西に長く走る通りの意味だが、よく見ればポスターの真ん中にマグノリアの花が配されているではないか
マグノリアは桜のように春を告げる花
花言葉は忍耐
本作を観た観客の心も春を告げて欲しいとの監督の願いが込められているのだろう
生きるって切ない
もう何度も観た大好きな作品です。
人はそれぞれの人生を、喘ぎながらも必死で生きている。生きるって何て切ないのだろう。
監督のP.T.アンダーソンはそんな人々の人生の断片を、少し距離を置きながらも突き放すことなく、慈悲深い目線で描き出す。そして人生の主役は自分自身なのだ、ということを痛感させられる。
ラストの非現実的な出来事は、登場人物たちにとって、逃れられない全ての苦悩から解放される救いであると共に、観客にもある種の浄化作用をもたらす。
この作品以前に同様の群像劇で構成された巨匠ロバート・アルトマンの「ショートカッツ」があるが、ここでもラストは天変地異により締めくくられている。アルトマンの崇拝者であったアンダーソンはこの作品にインスパイアされた事は想像に難くない。
全ての映画にオチやメッセージや教訓を求める方には消化不良の作品だと思う。そんな事に捉われず、登場人物それぞれの切実な人生に共感しながら鑑賞する作品です。
PTA祭その5
劇場公開時以来の再鑑賞。あちこち記憶と違っていたが、思っていたよりもさらに素晴らしく、大好きだということを再確認した。登場人物が微妙に繋がりのある群像劇は大好物であるが、それだけではない。主要人物だけで老若男女10人以上いるが似たような人物はいないこと、クイズ番組という軸があることで人物の設定や繋がり具合を把握しやすくしていること、個々のエピソードも印象的であることと、など容易に飲み込めるような工夫が施された至れり尽くせりの親切設計である。テレビ局内等で長回しで動き回るカメラとか、その他細かな仕込みもちょこちょこありでさらにテンションアップである。
おまけにオープニングの"One"で一通り人物を紹介し、悩める登場人物達に"Wise up"をリレー式に歌わせるなど音楽の使い方がまた絶妙。エンディングの”Save me”ももちろん。
珍しく普通のいい人の看護師ホフマン、「自身に満ち溢れたカリスマという演技をしている男」を演じるクルーズ、「財産目当ての後妻」という定番キャラからのムーア、やることなすこと裏目裏目のダメおじさんの哀愁漂うメイシー、汚い言葉に一々反応する生真面目で不器用だけど優しい警官のライリー等々役者陣も素晴らしく、3時間があっという間に過ぎていく…。
そして物議をかもしたアレだが、人物たちの人生に影響を及ぼす繋がりの一つとして機能しており、また、人生はうまくいかないことがあってもそれでも何が起こるかわからないものだってことの暗喩だと思っている。
どうでもいいがエンドクレジット中に"Practical frog effects"という項目があって笑ってしまった。
タイトルなし(ネタバレ)
登場人物がそれぞれに繋がりがあり、1日を通した中のストーリーですが面白くありません。
おまけに3時間くらいの作品。
ラストで大量のカエルが降ってくるシーンは製作側の意図があるんでしょうけど、伝わり難いんだよね。
見て損した感じとなりました。
何度も観れば分かる
「衝撃的なオチ」と「伏線」
余命わずかの老人、SEXを説いてまわるカリスマ青年、癌を宣告された人気番組の司会者、
ドラッグ中毒の女性に恋してしまった警官、過去&現在の天才少年…その他もろもろ。
登場人物が多くて少し混乱すると思います。
彼らに共通することは人生において苦悩しているという事。
それぞれがアメリカンライフを送っている、ある一日のお話です。
一見何のつながりもないように見える彼ら。
そこで起こった偶然と不思議なめぐり合わせ。
人生に悩んでいる登場人物全員が窮地に陥った時に・・・
それは起こるんですwwww
なぜ空から蛙が降ってきたのか。。
82という数字がやたら出てくるのは旧約聖書の8章2節、蛙のエピソードからヒントを得たと言われていますが、
監督は脚本執筆当初は、この聖書の内容は知らなかったそうです。
チャールズ・フォートという作家の本からヒントを得たそうで、
「蛙というのは、社会の健全性を判断するバロメーター。環境が汚染されれば、奇形の蛙が生まれるからね」との事。
恐らく撮影途中あたりから聖書の件を知り82を演出に加えて
関連付けさせたのかも知れませんね(*^_^*)
それにアメリカでは「絶対起きないこと」の例えに「蛙が降る」という、ことわざがあったり
土砂降りの事を「it's rains bullfrogs.」と言うそうです。
bullfrogs=ウシガエル
で、色々調べた結果ですが・・竜巻なのですね。
映画のタイトル「マグノリア」は花の名前ですが、映画の舞台となったサン・フェルナンド・バレーに実際にある
ストリートの名前でもあります。ここは竜巻が発生しやすい地域です。
時々、気象情報が間に挟んでいたのは竜巻が起こりやすい条件だったのではないでしょうか。
少年が唯一人、蛙の雨を見ても大して驚かず「こういう事もありうる」と微笑んだ理由。
彼がいた図書館で勉強していた本が竜巻関係だったことw
冒頭でダイバーが飛行機吸い上げられたのは、これの伏線でしょう。
聖書、ことわざ、竜巻をかけ合わせた演出なんだと思います。
こういう伏線がいっぱいあります。
例えばクローゼットの殺人犯。ラッパー少年が犯人を警官にラップ調「犯人はうじ虫」って教えますが、
警官は理解できず。。ですが物語の途中で黒人女性の息子のあだ名が「うじ虫」と出てきます。
他にも伏線がありますが、映画を観て楽しんでください。
後から知ると2回目見るのが面白くなりますよ♫
結局のところ、この映画のメッセージ性は??
■偶然は必然だったとか・・
■人生において何が起こっても不思議ではない・・
■信じられない事態が目の前で起こったことで
それまで心を捕えていた悩みを一瞬忘れ追い込まれていた状態がリセットされ自分を捕えていた悩みを
今までとは違った角度で見ることが可能になった・・
そういう事を言いたかったのかな?
トム・クルーズのブリーフ姿が見れるとは思わんかった。(笑)
今のトムなら演じないような役柄なので貴重な映画かもだねw
3時間と長い映画でありながら、謎は謎のままにして伏線だけは用意周到。
あとは観客がそれぞれに考えてねって感じです。
分からないまま観ると不完全燃焼で(゚Д゚)ハァ?ってなる映画ですねw
懺悔…
宗教色が濃く日本人の私には理解することは難しい。
聖書の出エジプトに記されている『蛙』の下を読むことで、罰と再生の意味を理解した。
出来事は偶然なのか必然なのか…神の導きであろう。
複数の登場人物が危機に直面した時に何を思うのか?
・死の淵で看護人に自分の過ちを告白する老人。最愛の人と息子を手放し後悔する。息子に逢いたいと願う。
・老人の若い後妻は、財産目当てで結婚し愛は無かったと吐露するが、彼を喪う今になり後悔に苛まれる。
・老人の息子は生い立ちを隠し『愛の伝道師』として過激な発言でメディアに登場していた。
・クイズ番組司会者は余命僅かと宣告され、妻に過去の過ちを懺悔した。最悪な告白だ。
・司会者の娘は父と疎遠。薬物中毒で情緒不安定。その原因は父にあり。
・警官はその娘に一目惚れ。銃を紛失し最悪な事態。
・司会者の妻は夫の懺悔を聴きショックを受け家を出た。
・天才クイズ少年と持て囃され生放送で失禁。今迄の鬱積を晴らすように苛立ちをぶち撒ける少年。
・昔の天才クイズ少年は貧しい中年と化し職を無くし店のお金を盗む。
皆最悪な事態に陥っている。その時…天からカエルが…
驚愕の光景に衝撃を受ける。
悪夢…悪夢…悪夢…
♪save me♪
皆助けを求めている。
ここから新しく生まれ変わる…
カエルには驚いたが、トムクルーズの股間にも…
『誘惑してねじ伏せろ』読んでみたい。
『鉄人曰く、過去を捨てても過去は何処までも追ってくる』
メディア関係者の宿命かな。
???
文学や抽象とエンタメの間にいる
アトラクションのような映画
What ?!
分からない……
タイトルなし(ネタバレ)
破壊力大
「みっともなさ」の集合体。
誰かに「みっともない」と思われているのではなくて、自身で「みっともない」と思っていて、それに耐えられなくなっている。そんなものかもな。
原因は外から受けたものでも、問題を自意識の中で膨らませすぎて救いが欲しくても外からの声が届かない。
あのラストシーンくらいの奇蹟が起きないと変わらないのかも。
残念ながらよく分かるような気がします。
不思議な映画。
非常に長い群像劇映画で、不思議な映画でした。
余命わずかのクイズの司会者、苦悩抱える天才少年、元天才少年、クイズの司会者の娘、その娘に何故か一目惚れをしてしまう警察官、ただエロいことだけを唱える男トムクルーズ、その父親、看護人、女・・・といった様々な登場人物がわんさかいました。
物語が進んでいくつれて色々と交錯していきますが、ただひとつ分からないのが物語の終盤、何故か空からカエルが降ってきましたw
意味が分からない。
作品の何かのメッセージなのか?私は意味が分かりませんでした(-_-;)
でも、キャストが豪華な所と3時間に及ぶ映画、世界観素晴らしかったです。
ちょっと観るのが疲れてしまいましたが、良かったです(^^)
どうしようもなくて、愛すべき彼ら
この作品に出てくる人たち、みんなを愛してほしい、なんかそんな気持ちになる作品でしたね。
みんな、本当にどうしようもない人たちなんですけど、でも人ってやっぱりどうしようもなくしか生きられないとも思うんですよね。見ていて、だんだんと身につまされるというか、こんな風にしか生きられないことを肯定しなくちゃいけないような気がしてくるんですよ。そう思うと、極度に教訓めいた作品ということかもしれないですね、これって。そう言えば、前に見た『ゼア・ウィル・ビ・ブラッド』もそんな教訓めいたものを感じたような気がします。もちろん、押しつけがましくなく、どうしようもなさをただただ描いていたわけですけど。
群像劇にありがちな、最後に一堂に会するというわけでもなく、神話的なモチーフで締めくくるのも悪くないですよ。なんかとんでもないことが起こった後って、やっぱりすっきりしますもんね、不思議と。
全50件中、21~40件目を表示