「日系アメリカ人の差別を描く貴重な作品」ヒマラヤ杉に降る雪 Gustav (グスタフ)さんの映画レビュー(感想・評価)
日系アメリカ人の差別を描く貴重な作品
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1954年にアメリカ西海岸の離島で起こった殺人事件の法廷劇と当時の日系人差別の人道主義を扱った問題作。戦争で引き裂かれたイーサン・ホークと工藤夕貴の過去と現在が裁判の行方に影響する。主題も作品の姿勢も正義感溢れ、アメリカ映画らしいヒューマニズムが描かれる。ただアップサイズのカメラアングルが多く、サスペンス効果は上げているも場面説明不足で説得力のない映画になってしまった。弁護士役のマックス・フォン・シドーの深みのある演技がいい。ホークと工藤も地味に好演。
それでも、作者のスコット・ヒックスに批判はない。戦中の日系人強制収容を省みる白人がいることを知ったことは大きい。本来ならアメリカ人監督に制作してもらいたかったが。
映画が果たすべき公平な史観に立った作品は、永遠に求められる。第442連隊戦闘団など、まだまだ題材は幾らでもある。
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