イグジステンズのレビュー・感想・評価
全7件を表示
クローネンバーグ監督入門!?
次々と奇怪な作品を産み出したデビッド・クローネンバーグ監督作品。あいかわらず、ネチャグチャなグロさと、不条理な世界観、そして全体的に感じるエロさが表に出ています。監督の代表作である、『ビデオドローム』の世界観をゲームの世界で表現したともいわれる作品といった感覚でした。
脊髄にバイオポートという穴を開け、両生類の有精卵からできているゲームポッドを使用し生体ケーブルにて脊髄につながる穴に差し込んで、バーチャルなゲームをやるという、なんとも奇抜な世界観がベースとなってます。イグジステンズという新作ゲームの発表会から始まり、現実なのか非現実のゲームの世界なのか混乱してしまう展開。
その独特の新作ゲームの世界観はグチャドロな世界は非常に気持ち悪い。まずこの作品の核となるゲームポッド自体、ゲーム機という概念を飛び越えて肉体的な造形と動き。こんなの普通に考えたら体内に差し込みたくないですが、いとも簡単ににゅるっと刺してしまうのですよね・・・。ゲームポットの解剖などもう気持ち悪いったらありゃしないです。
突然変異生物のスペシャルランチもしかり、その骨から作る銃なんてのもオゲーなシーンでした。
見た目も世界観も、クローネンバーグ監督の世界ぎっしりなのですが、この作品はストーリー自身は非常に分かりやすいので、監督作品の中でも分かりやすい作品ではないでしょうか。もっぱら、この作品から作風が変わってきたという世間評もあります。そういった意味でも、監督ファンからも賛否両論なのですが、個人的には監督が描きたかった世界が、分かりやすいので好きな作品ですね。
俳優陣では、警備員テッド・パイクル役のジュード・ロウが非常に適役だった印象があり、彼自身もこの作品で注目を浴びたんですよね。妙に整った彼の美しいイケメンぶりが、このヴァーチャルな世界に非常に合っている印象を受けました。ゲームデザイナーのアレグラ・ゲラー役は、父親は俳優のヴィック・モロー、母親は女優で脚本家のバーバラ・ターナーというサラブレッド女優のジェニファー・ジェイソン・リー。彼女の独特な演技も妙にセクシーな雰囲気が出てまた作品に合っていたのではないでしょうか。
クローネンバーグの入門とするのには良い作品かもですね。
どんでん返し&どんでん返し&どんでん返し
現実世界とゲーム世界をつなぐマシン、 ハイテクマシンなのに生々しい...
独特な世界観
ゲームの世界
新ゲーム“ExixtenZ”の発表の場。ダークでオカルトっぽい雰囲気の中、子宮のようなコントローラー“ポッド”を使い、脊髄に“バイオポート”穴を開けて中枢を刺激する。失敗すると脊髄マヒとなるが、一旦穴を穿つとどんなゲームも楽しめる。逃亡途中で出会ったウィレム・デフォーはゲームデザイナーを神様のように崇拝していて、ロウの背中に穴を開けてもらうことになる。
しかしまぁ、ゲームの世界に入ったらグロのオンパレード。イアン・ホルムの手術するポッドもグロいけど、カエルみたいな両生類の解剖。とにかく、『マトリックス』の影響を受けたみたいな設定だったけど、メカとかコンピュータとは無縁の世界。バーチャルリアリティの究極の世界のような気もするが、夢と現実を行き来する設定とそう変わりはない。それにしても目的がないゲームというのもつまらないものですね。リアリストとリアリストを殲滅しようとするスパイとの戦いのようだけど、その設定さえわけがわからない。
ゲームに狂った奴が現実との見境がなくなって殺人を起こすような事件。これを警告するような内容なのはわかるけど、機械が全く出てこないのもリアリティーがないかも・・・どんでん返しは面白かった。
全7件を表示