エリン・ブロコビッチのレビュー・感想・評価
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輝いているジュリア
このような社会的な要素を含んだ作品を観るたび、
内容とともに、映画製作が現実と直面しながら進められていることへの
素晴らしさを感じずにはいられない。
ジュリア・ロバーツ。常に素晴らしいが、やはりこの作品でも素晴らしい。
DVDの特典映像に、実際のエリンが登場するが、
彼女の魂が乗り移っているかのようにも感じられる。
美しいだけではない。それ以上に素晴らしいものが
彼女に宿っている。見るたびにファンにならずにはいられない。
輝いているヒロイン
総合:90点
ストーリー: 95
キャスト: 90
演出: 80
ビジュアル: 70
音楽: 75
どん底でも諦めず精一杯活躍した実在の女性を、ジュリア・ロバーツが熱演した。今まで見たジュリア・ロバーツの出演作中で最も良い作品。裁判物というだけでなく、ヒロイン物としても優れている。
彼女が乗り越える障害は数多い。日々の生活費、就職、交通事故、子育て、上司の理解、被害者の信頼、そしてもちろん裁判の相手企業の妨害や脅迫。しかしすさまじい行動力と勇気で一つ一つそれらを乗り越え立ち向かっていく。
彼女はガラも悪いしもちろん法律の知識も経験もない。とても法律事務所で働くような人物ではない。しかし問題を抱えながらも、行動力・勇気・機転・努力を武器にこの巨大な事件にしつこく食い下がる姿がいい。単に大きな事件を取り上げた裁判物映画というだけでなく、主人公のそのような姿が大きな魅力となっている。正直このような品の悪い女性は個人的には好きではないのだが、それでもこの映画ではヒロインとして輝いていることを認めざる得ない。
「ストロング・ウーマン」
ジュリアにとって「プリティ・ウーマン」以来の完璧なはまり役だ。
脚本の力もあるが、カメレオン監督のソダーバーグは見事に男が監督したとは思えないほどの「強い女性」を描き出している。
エリンの冒頭の顔色と最後の顔色は明らかに違うなど、細かい演出が作品に深みを与えている。
微笑まずには居られないラストの爽快感は、どの監督よりも勝る。
女は敵に回しちゃいけない
作品によって当たり外れがはっきりしすぎてるスティーブン・ソダーバーグ監督の最上段に飛び込むホームランな作品。
バツイチ子持ちな肝っ玉母さんはしかも失業中。ろくな生活保護も受けられず、窮地に追い込まれた末にとった行動が、法廷を巻き込み、起死回生の人生の大逆転劇をやってのけてしまうのです。ちなみにこれは実話らしい。アメリカならではのサクセス・ストーリー。さらに男女差別のないアメリカでなきゃ、ここまでの嘘のような本当の話は成立しなかったでしょう。
ここまでの引き付けるストーリーを、ソダーバーグ監督は持前のけれん味のないシャープな演出で活かしてます。本人もなが~いスランプをくぐりぬけて、主人公の女にかなり自分を見出したかのように、ほんと歯切れよく映画は進行していきます。そして末筆ですが、主役を演じたジュリア・ロバーツは本当すれた女の役やらせるとうまいですね。日本の元気のない人全員に観てほしい作品です。
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