「性同一性障害」ボーイズ・ドント・クライ kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
性同一性障害
この映画の評価には暴力やレイプといった問題についてかなり論じられていますが、それよりも、最後まで男として生きたい女性を描くのであるから、その屈辱や苦悩を投げ飛ばすくらいの心理描写がもっと欲しいところでした。検察官に尋問されているシーンではわずかにその心の奥を表現していたのだが、ちょっと物足りなかった。実際に起こった事件を題材にしているらしいが、本当のところはどうだったのであろうか?最後にはやはり「自分は女なんだ」と自嘲したのであろうか。
すべての俳優が味を出していて優れていたのだが、後半の心理描写が足りなかったところが残念で、性同一性障害というものが社会的に受け入れられてきている現代に作られたにしては、その本質に迫ってない仕上がりになっている。穿った見方をすれば、単なる同性愛の映画にも取られるであろう。
また、ラストの異常な行動に向かうジョンの心理もよくわからなかった。ヒラリー・スワンクの演技は最高だったが、脚本がイマイチ。
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