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重い題材
同様の事故を米国で起こした場合の刑罰をAIに質問したところ、
『アメリカの飲酒運転による死亡事故の罰則は、州や状況によって大きく異なりますが、
州によっては殺人罪が適用される場合があり、悪質な場合は懲役45年などの重い判決が下されることもあります。一般的には「過失運転致死傷罪(vehicular manslaughter)」に問われ、これは州法によって規定され、重罪とみなされることが一般的です。』とされるそうだ。
日本では交通死亡事故の加害者が、過失という軽い罪にしか科せられないのが不可解。
過失という言葉のニュアンスからは、不可抗力というイメージを受けるのだが、実際には交通事故加害者の安全への配慮を大きく欠いた 結果であることが少なくない。
危険な速度での走行、注意義務の不履行・手抜き、果ては飲酒運転。
そういった悪質な運転による事故が、はたして「認識ある過失」以下だろうか。
それが危険運転致死傷罪が「刑法に新設」された理由だが、適用に裁判所が消極的なのが新たな問題と言える。
“危険運転致死傷罪”の法制化に尽力した女性の実話を基にしたフィクション
2011年4月に他界した田中好子主演。’92年からの闘病生活の中で芸能活動を続けていたことを知った今は、命との闘いの最中に撮られた彼女のすべてを訴えてくるようだ。
命の重さを訴える映画ではあるものの、市民による刑法改正の盛り上がりに関してはほんのわずかしか描かれていない。被害者家族の加害者(袴田吉彦)への復讐心がいっぱいで、「被害者家族になってみなければわからない」といった台詞にも表れているように、どうしても共感できない部分がある。キリスト教国家ならば、このような締めくくりにはならず、“赦し”も描かれるはず。 “命のメッセージ展”の活動にももう少し力を入れてもらいたかったし、零くんの19年分をともに生きることだけでは物足りなかった。
田中好子の最後の主演映画という価値や営利目的で創られた映画ではないことは評価できる。それに彼女の演技は素晴らしいものがある・・・出所後の加害者と対面したときはモンスターペアレントまで感じた。
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