劇場公開日 2021年10月17日

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風が吹くままのレビュー・感想・評価

全16件を表示

4.0美しい壁と扉、窓、連なる丘と麦畑、人

2025年9月6日
PCから投稿

楽しい

癒される

カワイイ

家屋も道も家畜小屋も全て繋がっており白い迷路のよう。群体を思わせる。
『友だちのうちはどこ?』でも美しい異国の風景を堪能したが、この作品も見所ばかり。
子供たちは好奇心を隠さず近づき、娘たちは珍なる人を覗き見つめさざめき、年配の人々は礼儀正しく、皆親切。彼らは協力し合って暮らしており、子供も医師も詩を暗誦する。

カフェの女主人は夫に不満があり夫にも言い分があるらしい。でも詳細は説明されない。
主人公は態度が悪くてすまなかったと少年に謝った。まあ本人は謝ったつもりらしい。でも少年は受け入れていない様子。だけれどもはっきりとした意思表示はされない。
イランで“珍しい”と目される葬儀の習慣がある宗教とは何だろう?でも描かれない。
主人公の仕事が何なのかもはっきりとは語られない。生き埋めになった青年(その姿は一度も映し出されない)は助かったのか。どのように助かったのか、後遺症などは無いのか。恋人とはその後どうなったのか。何ひとつわからない。全然サスペンスじゃない。
でもこの映画の中には物語がたくさんある。

14:38 洗面所 林檎(小さい!) 薄く広いパン(クレープのようで、折りたたんで腕に掛けられる巨大さ)
36:39 バジャールとジェイランのスープ
38:32 髭剃り ドア
(略)
01:04:50 タージュドラト(女主人)のスープ
01:08:49 パン作り(薄く広げる技法が素晴らしい)
01:21:35 壁にスープなど温められる小さい炉?
01:33:06 フンコロガシ(意外に速い!)
(略)

今ネットで話題のクルド人の話である点も興味を引いた。
日本とは全く違う文化・食。
でも日本と同じく生きるために良く働き、仲良く/諍い、折り合いを付け/反りあっている。
ああ全く違う、いや同じだ、どちらも人なんだねえ、じゃあ違ってて同じだよねえと少し落ち着いた。
その点でも大変ありがたい映画だった。

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mysha

4.0善と悪のいる純粋で美しい村にて

2025年9月2日
スマートフォンから投稿

未舗装の山道
丘陵にある村

そこを訪れた男
目的は明かさない

男の目線で進む日々
親切な村人との日々
昨日も今日も同じ
男は善人か悪人か

美しい詩と
美しい自然
残酷な時間

男と共にあった時間
終わりと目的の交差
善人か悪人かの瞬間

嬉しい様な
切ない様な
終りの瞬間
男は動いた

善か悪か

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星組

2.0難しいが独特ではあったが...

2025年8月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

難しい

結局なんだったんだろうという作風なのは解っていたものの...う~ん
でもまたほかの作品も観たくなるのは何故だろう?麦野原をバイクで走るシーンとか素晴らしいんだけど....唯一無二の監督であることはよく解った

※一点だけ気になったのは子供の描き方が実は凡庸ではないか?
 子供には拘っているようですがどうも気持ちが悪いのです自分から観ると

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金北山を仰ぎ観て育って

5.0くねくね道がキアロスタミは大好き

2025年1月27日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

くねくね道がキアロスタミは大好きだ。

映画の冒頭映像は
TVクルーたちの乗ったRV車のくねくね道だ。

道案内のメモは・・
「十字路のあと木が1本」、
「そして高い木が1本」。
「おいおい、1本の木ばっかりじゃないか(笑声)」。

緩い感じで土煙の道を走る姿をカメラが追うのだが、そこからして旅の迷走が予言されていて、何だか可笑しいのだ。

そういえば、
アメリカの道案内ジョークで
この道を4時間まっすぐ行きなさい。
大きな岩が見えたらUターンをして1時間ほど戻ると最初の角を左折だ
というのがある。
岩は動かないから目標としてはイイね!だ。

しかし、僕は運送業なのだが、
「ラーメンの屋台の軽トラを見たら、その次の角を右折しなよ」と教えてくれた大先輩がいて、これは今でも社内で伝説になっている。

東北でも僕は迷って、通行人のおばちゃんに声を掛けたこともある。どんなに聞き返しても何をおっしゃっているのか聞き取れず、お礼を言って諦めた事件も有った。

キアロスタミの映画は、そうなのだ。みんな道しるべを失って、右往左往で無我夢中で走っている。
どれもこれもが行きつ戻りつの人生だ。この「道路のつづら折り」の形状でもって僕たちの迷子の人生をば象徴的に見せてくれる。主人公が大人でも子供でも同じだ。そして一生懸命道を歩むのは老若男女みんな関わりなくなのだ。

・ ・

中東イランの迷路の村。
帰る道がわからなくなった認知症の老人も、迷子になった子供も、この蟻の巣の迷路のような村ならば、必ず誰かが窓から顔を出し、ベランダから声を掛け、きっと同行者になって助けてくれるのだろうなぁ。

子供は無邪気にしゃべり、
でも大人は生臭い夫婦喧嘩やリストラや葬儀の因習などを話す。

しかし、それでも
何かの結末があるのかと思ったら、キアロスタミマジック。
やはり「村の中を歩くだけの映画」だったのだ。さすがだ。

でも道ばたには必ず人がいて、
疲れたらいつでも腰を下ろせるためのベンチや椅子や、玄関横の土壁の窪みがあった。
誰でも座って一息つけるように丸木の棒が転がしてあった。
それを見せてくれる映画だったのだ。

技師は死と葬儀を待っていたのに懸命に人の命を助け、
昔覚えた詩を村人と共に歌い、
テヘランに戻りたかったはずの彼が一本の骨を村のオアシスに投げる。
自分の骨をうずめるための天国を、技師べーザードは見つけてしまったようだ。

・ ・

これは、間もなく定年を迎える僕のために、一人暮らしの74歳の親友がこのDVDを送ってきてくれたのものだ。
「四十にして惑わず」などと、いったい何処のどいつが言ったんだよ?
親切な親友は、ちょうど暗中模索の僕の曲がり角を感じてくれて、キアロスタミを呉れたんだろう。優しいプレゼントだ。
・万事手探りで進むこと。
・気を取り直して振り出しに戻ること。
これが僕の人生だった。
だから映画が沁みる。

願いが叶うタージュドラトのスープを僕も飲む。
少年ファザードのおばあちゃんならずとも、生き返って 生気が回復する映画だった。

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きりん

3.5体の中の汚れた血が洗い浄められるような・・

2022年8月22日
iPhoneアプリから投稿

笑える

楽しい

幸せ

電話がかかれば、岩場の家から急坂を降り、オンボロ車で他の高台まで行かなくちゃ圏外という繰り返しが、何ともはや、のんびりして面白い。

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ezu

4.5分かりやすいくて、心に訴える。 兎に角、鳥の鳴き声とか、音の使い方...

2021年12月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

分かりやすいくて、心に訴える。
兎に角、鳥の鳴き声とか、音の使い方が凄く良いと思った。空間に広がりを作っている。

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マサシ

3.5黄金色に輝く景色

2021年12月11日
iPhoneアプリから投稿

なかなか思い通りに行かないイライラとした心情と電話のたびに丘の上まで車で行ったり来たりする様が上手く合っていた。こっちまで何回丘の上行くんだよとちょっと苛立った。
あと、ちょっと淡々と進むから眠くなってしまった(てか寝てしまった)。
黄金色に輝く景色は綺麗だった。

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いたかわ

3.0黄金に輝く麦畑が、ひたすら美しい。

2021年11月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

期待していたのとチョット違ったかな。
もっと死生観に関する哲学的な台詞や、詩の引用など沢山でてくるのかと勝手に想像していたが、そうでもなかった。
とはいえ、あのラスト近くで黄金に輝く麦畑をバイクで疾走させながら、医者が語った詩は随分と印象に残った。
あの美しいシーンだけでも、この映画を観る価値がある。
観ているこちらも、バイクと一緒に風となるような、あの感覚は、やはり映画館のスクリーンでないと味わえなかったかもしれない。

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osmt

5.0やはり、美しい。。。

2021年10月31日
PCから投稿

見終わった後の、夫の一言
「やってくれるなあ。」
続いて、「ありがとう、です」

やはり、さすがのアッバス・キアロスタミ監督映画でした。
1時間50分、前半の1時間くらい、実に長い・・・

そのうちだんだん分かってくるのだ。
なるほど、そういうわけで延々行ったり来たり、今日か明日かわからない日が続くわけだ。

物語が朧げながら想像でき始めた辺りから、俄然、この村の美しさが圧倒的な現実味を帯びて迫ってくる。
風になびく一面の黄金色の麦の畑。
その向こうに幾重にも連なる緩やかな起伏。

湿っぽい稲の田圃を見て育つ稲作民族には、あの乾燥した小麦畑で一生を送る民族の、本当のことはわからないはずだ。

まあ監督にとってはそんなことはどうでもよくって、ただただ、美しい1枚1枚の写真の数々を、シーンの中で切り取って見せてくれたのだと思うより他ない、実に、映画ならでは、というしかないかなあ・・・
(渋谷のユーロ・スペースで上映していたはずだ。ご覧になった方は羨ましい限り)

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bull&hana

3.5麦の穂

2021年10月24日
iPhoneアプリから投稿

バイクに乗って、天国について話しているときの黄金の穂に包まれた景色の美しさ。
桜桃の味にも繋がる。

テヘランから700キロ、小さくて美しい村。たぶんここに行くことはないだろうわたしの人生の寂しさと、私の周りの美しい景色について考えた。

多くを語らないラストもいいな。

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hyvaayota26

3.5ちょっと眠くなる

2021年10月20日
iPhoneアプリから投稿

車でいったりきったり…ちょっと眠くなる。個人的には医師との会話シーンが見どころと思う。

携帯の電波が悪くて車で高台に移動。もはや携帯の意味無しと笑ってしまった。

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Oyster Boy

4.0【テヘランから来たTVクルーの男が、クルド人の村で行われる葬送の儀式を撮る前に、”自然に流れに身を委ね”生きる人々の姿から徐々に学び、実践した尊き事を、豊かなイランの自然を背景に描き出した作品。】

2021年9月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

幸せ

ー TVクルーのべーザードは、クルド人が
住む村で行われている葬送を撮りに、都会から、単身乗り込んで来る。
 だが、葬送がナカナカ行われない中、都会から来たベーザードは、無垢なる村人たちの自然と共に生きる姿に、徐々に感化されていく。ー

◆感想

 ・誰が見ても分かる、ベーザードの上司と思われる男から頻繁に携帯にかかって来る電話。
 ”何時になったら、画が取れるんだ!”
 と言っている感じが伝わってくるが、電波が届かないために、電話がかかってくる度に、車でくねくね道を上り、電話を繋げるベーザードの姿。
 ー アッバス・キアロスタミ監督の、
 ”何が本当に幸せなのか、文明の利器とは只、人間を不自由にしているだけではないのか!”
 と言うメッセージが良く伝わって来る。
 このシーンは、今作で何度も描かれる。ー

 ・村の多産な女性達の生き生きとした姿。

 ・牛乳を求めたべーザードに対し、お金を受け取らない村人たちの姿。
 ー 互助精神ではないが、困った人にモノを与える事は当たり前という、文化度の高さが、垣間見える。ー

<そんな中、画を撮るよりも大切な事があると悟った、べーザードが行った、尊崇な行為。
 アッバス・キアロスタミ監督の人間性の善性を基にしたドキュメンタリータッチの映画構成が素晴しい作品。
 ラスト、自らの車を村人に貸し与え、医者が運転するボロッチイバイクに二人乗りしながら、交わす会話も素晴らしき作品である。>

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NOBU

3.5珍しい儀式を待つディレクター

2021年5月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

お葬式の取材クルーが田舎の村に滞在するが
死にそうなお婆さんがなかなか死なないで
暇を持て余すディレクターと地元民との
ほのぼのひなが一日中的風景
もちろん埃のたつジグザグ道や麦畑に
簡単な立て付けの住宅や地下の牛小屋
そして宿題にはげむ子供たち
とにかく一生行けないだろうこの国の
風景をこの目に焼き付ける貴重な映画

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mamagamasako

4.5医者との会話に

2020年9月11日
Androidアプリから投稿

全て持ってかれる

「美しいかもしれない天国や響きのいい約束よりも目の前の葡萄酒」
「自然観察をして命を生かしているんだ」

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ささ

5.0この価値観をどう理解するかで好きになる作品

2020年8月31日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

テヘランから約700キロ離れたクルド人の田舎の村Siah Dareh(シアダレ)へ入って、珍しいといわれている弔いを取材するためクルーと来たベーザード。

村の老婆が亡くなりそうだということを聞き駆けつけてきて彼女がなくなるのを待っているが、いっこうに亡くならない。周りの住人はこの老婆のお世話が上手で、なかなか思うようにベーザード(人は彼のことをエンジニアと呼んでいる)は取材に持ち込めない。テヘランからはまだかまだかと催促の電話連絡が入るが、電話のコネクションが悪く、村の山のてっぺんまで、車を走らせていって、経過報告。何も進展していない経過報告。砂埃を立てて何度も車を走らせるシーンは滑稽でもある。道中で会う人々との会話はエンジニアのストレスが溜まっている心に安らぎを与える。どの人たちとのその会話は『人間味』を呼び起こす会話である

テヘランの取材班と一緒に弔いを取材するわけだし、それに、マスコミで働いているエンジニアにとってはクルドの村の人間の生活はまだるっこいかもしれない。でも、村の人々との親睦により彼が、ここの住人のようになっていくといったらいいか、人の死を待ってそれをネタにして作品をつくろうとしている自分に罪の意識が出てくると言ったほうがいいかも。

途中、エンジニアが車に乗せたある男のひととの会話が好きだった。母親の最初の傷は(多分深いシワ)姉亡くした時、その次の傷は伴侶に見せた愛で、仕事のボスのいとこが死んで、工場で誰か辞めなければならないとなった時。。。。。。。。。車を降りる時、かれは松葉杖をついていた。この車の中での会話の理解を私はまちがえているかもしれないが、人間は弱い面があり、それを人生として生きていることをそのまま見せる。一見どうでもいいようにきこえる話だが、我々の人生において遭遇するかもしれないし、大事な言葉になっている。(他の人のレビューを読んだ方がいい)

キアロスタミ監督は大事そうでないことが大事なんだといっているようだ。

最後の方に井戸を掘っている男が土砂崩れにあって、土に埋まってしまったのを助けるという皮肉な展開。医者も来てくれ、無事に穴から救い出したが、エンジニアは死ぬのを待っている老女のところに寄ってくれと医者に請う。それに、薬もとりにいくが不幸にもこの老女はかれが帰ろうとしている時、朝なくなる。カメラ一つだけを持っているエンジニア。すでに取材班は痺れを切らしてテヘランに帰ってしまっている。弔いにいく女の人たちの写真を何枚か撮って、その場を車でさる。

キアロスタミ監督は日本で映画を撮影しているが、その映画についてニューヨークで講演をしているのを聞いたことがる。詳しくは覚えていないが、日本では稀に見る体験をしたと。日本の人々が気に入ったようだ。主役の日本人俳優にまた、自分の作品に出て欲しいと頼んだら、その主役の男性は、脇役にならと、へりくだった言い方をしたらしい。それも、褒めていたし、謙譲の文化が好きなようだ。日本の伝統文化はちょっとイランのと似ている文化。乗せてくれてありがとうの代わりに、邪魔して悪いですねという文化が好きなようだ。

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Socialjustice

3.0美しい景色

2019年3月16日
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家でDVDで観ました。退屈ではないけど、ちょいちょいスマホいじってしまい集中出来ず。金色に輝く揺れる草はらもダンジョンみたいな町も美しかった。

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チギタ