劇場公開日 2000年2月19日

クッキー・フォーチュン : 映画評論・批評

1999年12月24日更新

2000年2月19日よりシネセゾン渋谷ほかにてロードショー

リブ&クリスの“バカップル”ぶりが楽しい!アルトマン得意のドタバタ劇

アルトマンの映画では、登場人物が見せかけに囚われ、自分の芝居に酔ったあげくに、 足元をすくわれることがよくあるが、新作でグレン・クローズ扮するカミールはその代表 といえる。彼女は復活祭の出し物にワイルドの「サロメ」を選び、絶対服従の妹をサロメに仕立て、演出家を気取るばかりかワイルドとの共作者を自称する。そしてついには、伯母の自殺まで殺人に粉飾してしまう。

ところが映画の意外な結末が明かされると、共作者を名乗るのも頷けてくる。「サロメ」のエロド王は兄から妃を奪い、洗礼者から非難を浴びるが、彼女はかつて妹と町から姿を消していた時期に、妹にエロド王的仕打ちをしたらしい。しかも「サロメ」には、シリア人隊長の自殺を王と側近が蔑む場面 がある。つまり彼女は、「サロメ」を自ら仕切ることで自分を正当化しようとしていたわけだが、芝居に酔うあまり自分が演出家ではなくエロド王になっているのに気づかない。その結果 、サ ロメから強烈なしっぺ返しを喰らうのだ。

思い出すのは、「サロメ」でシリア人隊長が自殺したときに、一兵士がもらす言葉だ。彼は、「王は死骸がお嫌ひだ、自分で殺したもののほかはな」(田恆存訳)と言うのである。

(大場正明)

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