「脚本として上手く咀嚼出来なかったカーペンター監督のキワモノ作品だったか…」ゼイリブ KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
脚本として上手く咀嚼出来なかったカーペンター監督のキワモノ作品だったか…
「遊星からの物体X」で度肝を抜かれた
ジョン・カーペンター監督作品の一つとして
頭の片隅にあった映画だが、
キワモノ映画と想像していた作品。
しかし、解説には、
特権階級の洗脳による社会支配の視点がある
との解説に期待も生まれ
TV放映を機に観ることにした。
しかし、残念ながら、カーペンター監督の
意欲が空回りしたような作品に感じた。
何よりも、警察隊によるキャンプの襲撃や、
また、肉体派俳優を配した理由としか
思われないキャンプ地仲間との殴り合い等々、無駄に長い中盤部分には
辟易するばかり。
また、主人公が突然、街中でエイリアンを
銃撃し始める安易な展開や、
主人公を危機に陥した女性テレビ局員を、
恋愛意識だったからとしたいのか、
それが原因でキャンプ仲間を失ったり、
その彼女も洗脳信号のアンテナの場所を
安易に教えたり、
何かチグハグな設定ばかりが
目に付いてしまった。
魅せる点があったとしたら、
教会に見立てた反抗組織の
謎ムード的盛り上げ演出の導入部や、
ラストでの洗脳信号の解除後に
エイリアンたちの正体に気付く人間たちの
驚きのシーン位ではなかったろうか。
宇宙人の支配とした、その隠喩だったはずの
一部の特権階級にマインドコントロールで
世界が支配されているとしたかった物語を、
そもそもが脚本として
上手く咀嚼出来ないままに
映画化してしまったような、
やはり結果として
キワモノ作品だったかも知れない。
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