「坂本龍一さんを偲んで」戦場のメリークリスマス 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
坂本龍一さんを偲んで
坂本龍一さん
2023年3月28日東京都内の病院で癌のため71歳で他界
世界的な音楽家
バラエティーでたけしやダウンタウンなどと度々絡んだりしたわりとお笑い好きな人
政治的発言も話題になったが自分は原発が安全なら再稼働しても良いし明治神宮外苑の再開発にしても手つかずの森と違い街路樹には街路樹の生き方がありスワローズファンとしては新神宮球場完成が楽しみだから賛成
しっかり最初から最後まで観たのは今回が初めて
日曜洋画劇場だったと思うがラストシーンでたけしが笑顔で言い放つ「ロレンス!」「メリークリスマス!ロレンス!」は何度も観たし1番印象深い
とにかくテーマ曲が素晴らしい
監督と脚本は『飼育』『愛のコリーダ』『御法度』の大島渚
脚本は他に『地球に落ちて来た男』のポール・メイヤーズバーグ
大島渚監督の代表作
傑作の部類と言って間違いない
映画館に行って4Kで観ても損はしないはず
大東亜戦争真っ最中1942年ジャワ島レバクセンバタ俘虜収容所での出来事
外国人俘虜たちと日本兵士たちの文化や考え方の違いによる衝突が面白い
知的なやりとりが醍醐味
原題は『Merry Christmas Mr. Lawrence』だがロレンスはデヴィッド・ボウイの役名ではない
日本のタイトルは戦場とあるが回想シーン以外の舞台は俘虜収容所であり戦場での戦闘シーンはない
ゲイっぽい指摘もあるがその方面のえぐいシーンはない
俳優としてはズブの素人のビートたけしや坂本龍一の芝居は武骨な軍人という役も手伝ってそれほど悪くもなかった
演技指導が厳しいとされる大島監督にしごかれたら辞めようと2人で決めてたそうだがそれを知ってか監督は代わりに助監督を叱ってたらしい
たけしと坂本は存在感で多少の演技力不足なんて吹っ飛ばしてお釣りが来てしまう
あえて苦言を呈するならジャック・セリアズの少年時代のシーンは全てにおいていらなかった
あくまでも自分の好みであり反論はあるだろうがそれで考えを変えるつもりは微塵もない
島でのやり取りには一切女性は登場しないが教会のシーンで数人の女性や女児がカットされずしっかりと出演してる
内藤剛志や三上博史も出ていたんだね
三上はキスシーンに登場している
三上寛は名前が似てるが全くの別人で身内でもなんでもないようだ
間違えてキャスティングされてジャワに来ちゃったからせっかくだから役をつけたのかもしれない
『八紘一宇』という言葉が飛び込んできた
世界は一つという意味のようだ
なぜか東京ディズニーランドを思い出した
『八紘一宇』も『共産主義思想』もそれ自体立派な思想でその言葉そのものに罪は無いんだけどな
ジャック・セリアズ陸軍少佐にデヴィッド・ボウイ
レバクセンバタ俘虜収容所所長ヨノイ大尉に坂本龍一
ハラ・ゲンゴ軍曹にビートたけし
ジョン・ロレンス陸軍中佐にトム・コンティ
ヒックスリー俘虜長にジャック・トンプソン
拘禁所所長に内田裕也
イトウ憲兵中尉に三上寛
朝鮮人軍属カネモトにジョニー大倉
オランダ軍兵士カール・デ・ヨンにアリステア・ブラウニング
ウエキ伍長に飯島大介
ヤジマ一等兵に本間優二
ゴンドウ大尉に室田日出男
軍律会議通訳に戸浦六宏
軍律会議審判長のフジムラ中佐に金田龍之介
軍律会議審判官のイワタ法務中尉に内藤剛志
軍律会議検察官に石倉民雄
俘虜収容所勤務の兵に三上博史
セリアズの弟にジェイムズ・マルコム